あれ?
ん?
少し買いかぶり過ぎたのか?
過大評価なのか?
渡辺明の事である。
- 頭脳勝負―将棋の世界 (ちくま新書)/筑摩書房
- ¥735
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以前文章力が凄いと書いたが、この本を読んでわからなくなった。
かなり分かりにくいという事。面白くないという事。
やはりボナンザという一つのテーマなら絞りやすいのだろうか?
フリーテーマになるとあれもこれもとなり、
バラバラになるのはある程度仕方ない事だが、
それも文章力でどうにかなると思っていた。
そもそもは前回のNHK杯での羽生さんとの決勝。
その対決は将棋講座に詳しく書かれているが、
その当事者としての渡辺さんの文章力が凄いと感じたから。
編集長曰く対決の数時間後にはもう渡辺さんから原稿が届いたらしい。
おそらく対決後すぐ喫茶店もしくは家に帰り一気に書き上げたのだろう。
なかなか凄いな。
まあ文章校正があるかもわからんが、なるほどと唸る感じだった。
そんなことで、今回の本では違和感を感じた。
少し脱線する。
私は何となく渡辺明と谷川浩司は似ていると感じている。
最近棋譜を並べる事が多いがやはり将棋は指し方に性格や個性が出る。
谷川さんは光速の寄せと言われていて、終盤の詰み方に定評がある。
つまりコンピューターの様な緻密な指し方。
棋譜を見ると所謂妙手というのが少ない。
堅実な手が多く、理路整然とした手筋が多い。
渡辺さんも同じ様に妙手は少なく、理路整然な手が多い。
実は渡辺さんは昔、谷川さんの棋譜を参考にしたらしい。
なるほど。影響力大だな。
ちなみに羽生さんは心理的な手も指す。
こうすれば相手も迷うだろう。
どうせ負けるだろから形づくりで。
という手も指す。
もちろんいずれは効き目があるので、という手も指す。
これらは羽生マジックと言われている。
羽生さんの手は妙手が多いんだ。
話を戻す。
渡辺さんが頭脳的、理知的なのは間違いない。
この本は校正で失敗したと思いたい。
しかしながら何故トップ棋士の人はみんな性格が良さそうなんだろうか?
一般的にインテリな人はどこか嫌味があったり、
嫌われる要素があるもんだが、
私が見る限り嫌な棋士はいない。
それよりなんて個性的な棋士が多いんだ!と
調べる度に驚きがある。
次回はその個性的な棋士について語る。