地震保険の保険会社の社長ブログ -28ページ目

地震保険の保険会社の社長ブログ

経営のこと、社員のこと、地震保険のこと、私的なこと、
いろいろです。


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復興構想会議の委員が被災地の宮城県を訪問した

ニュースが流れていました。


南三陸の佐藤町長は、

「これまでの借金を棒引きにする大胆な政策を

打たないと、企業経営の再生はあり得ない」として

新たな融資制度による支援に否定的な見解を示し、

鎌倉・室町時代に幕府が債権を放棄させた

「徳政令」の必要性を訴えたそうです。


借金棒引きで本当に企業は再生するのでしょうか?

自分としては、何だか違和感を覚える訴えに聞こえ

ましたが、復興構想会議の特別顧問の哲学者である

梅原猛氏は「まさしくその通りだ」と賛同したそう

です。

「・・・」です。


宮城県の村井知事は、

「優先すべきは被災した個人、零細事業者の住居と

仕事の一日も早い回復だ。復興構想会議はあくまでも

軸足を被災地に置き、地に足の付いた議論をお願い

したい」

と訴えられていました。

「軸足を被災地に置く」ことには異論はないですが、

「地に足の付いた議論」というのは自分は反対です。


今こういう時だからこそ、夢のような議論をすべき

ではないかと思います。


被災地で復興構想の議論を進めることのいい点は、

被災地に軸足を置いた議論をできるところですが、

今、国として復興構想をまとめていくにあたっては、

日本全体の防災力を視野に入れた議論が欠かせない

と思います。


なので、多少、地から足が離れていても構わず、

夢のような議論を展開すべきと自分は思います。


そういう意味では、4月29日に第3回復興構想会議

の検討部会で提出されていた資料
は、夢のある

構想が含まれていて、興味深かったです。


バックグラウンドの異なる委員のみなさんから、

さまざまな角度で復興が論じられており、視点が

多様なので、議論をまとめるのは大変ですが、

「ああ、こういう考え方もあるな」と新鮮な

気づきがあったり、「ああ、こんなふうに

なったらいいな」と夢や希望をもったりする

ことができます。

ぜひ、多くの方々に読んでもらいたいです。

第3回東日本大震災復興構想会議検討部会(平成23年4月29日)



簡単に紹介するとこんな感じです。


イーソリューションズ代表の佐々木委員は、

日本という国が、地震とともに生きていかなければ

ならない環境にある以上、都市計画にあっては、

「分散」「自立」「協調」がおのずと必須になる

と前段で説明され、その後、日本が抱える財政問題

や構造的な産業問題の本質を丁寧に解説しながら、

これと合わせて復興の解決策を論じているところは

かなり説得力があり、被災地に「スマートシティ」

を構築して世界へ輸出するという構想にも夢が感じ

られました。

分量としては、200枚近いスライドですが、コンサル

タントらしく、分かりやすく図解されています。


一方「スマートシティなんかいらない!」として

「生きた地球」や「人間力」、宮沢賢治に代表される

東北の物語性の文化など、人間や文化に焦点を充てて

提言されているのが、京都造形芸術大学の竹村委員です。


竹村委員が提案する「高床・浮体」構造+太陽経済の

街づくりの発想と、津波・洪水の受け流し型都市建設は、

かなり斬新で、それこそ、まったく地に足がついていない

ように感じられましたが、実に面白かったです。


佐々木委員とは違い、コンサルタントではないので、

言葉の解説をもらわないと何を言いたいのかちょっと

分かりにくい資料ではありましたが。。


竹村委員は、復興のソフト面での柱として、「記憶を

つなぐ」「日本をつなぐ」ことの重要性を訴え、忘却

することのリスクマネジメントが、持続的支援体制を

維持するためには必須であることも訴えられており、

自分もそのとおりと思いました。

人間すぐ忘れちゃいますからね。


佐々木委員も竹村委員も理想的な沿岸防災都市を

構築し、このモデルを世界に発信するという点は、

共通されているようです。


NPO法人代表の池田委員は、被災者支援のネット

ワークを運営するNPO法人らしく、被災者に寄り

添った目線で、既存の「つながり」と新たな

「つながり」を尊重したコミュニティづくりの

考え方を披露されています。


人文社会科学の専門家の白波瀬委員の提案資料は、

スライドの最後の一枚に

「復興を社会全体の中で位置づけていく」

という言葉をかかげていましたが、まったく

そのとおりだと思います。


他に、学習院女子大学の荘林委員は、全体の

復興構想をまとめるための参考モデルとして

「農業の復興」ではなく「農村コミュニティ

の復興」を題材にして、地震発生前から

構造的に抱えてきた日本の農業の問題を

同時に解決する復興策を検討すべきことを

提唱されています。


慶應義塾大学の神成委員は、「科学技術を活用し、

農作物が売れる仕組みを整え、低コスト農業を

実現した上で、世界最高の価値を持つ農作物を

創る」という具体案を示されています。


日本政策投資銀行の藻谷委員は、津波被災都市の

人口動態のデータを踏まえて復興策を検討すべき

と提案され、「デフレの正体」の著者としても

有名な藻谷氏らしい論理展開になっています。


という感じで、検討部会では、夢のある楽しい

アイデアがたくさん披露されているのですが、

親会である本会議の方ではあいかわらず、会議の

進め方とか、復興庁などの体制整備、基本法

などの法令整備の問題など、あまり面白くない

議論が続けられています。


もうしばらくは、広い視野で復興構想のアイデアが

検討されていくことになると思います。


具体的な被災者の生活再建支援など、早期に達成

しなければならないものはスピード感をもってやり

ながら、都市計画のグランドデザインや、日本全体

のグランドデザインなどは、じっくり時間をかけて、

国民的議論を展開していった方がいいだろうと

感じています。


今後、社会保障をどうやって維持するか?

財政問題をどうやって解決していくのか?など、

我々ひとりひとりが負担を強いられる場面がある

ので、あまり楽しい話題ではありませんが、

将来の日本をどうやってつくるか?

という話は、基本的には、楽しい夢のある話に

なるんじゃなかろうかと思います。


そんなに大きな話を自分もあんまり考えたことは

なかったでしたが、今回の検討部会の資料を読んで

いたら、意外と楽しいかもと思った次第です。