人口の波 | 地震保険の保険会社の社長ブログ

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自分が尊敬するベンチャー経営者の出口社長が、今日のご自身の

ツイッターで、1つの記事と1冊の本についてつぶやかれていました。



1つの記事というのは、今朝の日経新聞の大磯小磯のことです。

記事によれば、これから生まれてくる将来世代は、生まれた瞬間に

いきなり1600万円以上の負債を背負わされるそうです。


彼らは、社会的意思決定に全く参加することなく、一方的に

巨額の負担を強いられた真の弱者であり、われわれ現役世代

は、少しでもこの将来世代が背負わされる不平等な負担を是正

するために尽力しなければならないといっています。


もう1つの出口社長のつぶやきは、藻谷浩介氏のデフレの正体

という本についてでした。

ちょうど自分も読んでいた本で、面白いと思っていたので、何だか

嬉しい気持ちになりました。出口社長の読書量は半端ではなく、

そうした人が推薦する本を自分も面白いと感じていたことを

素直にうれしく思いました。



デフレの正体では、さまざまな生のデータを読み込んで、生産年齢

人口の減少、消費者人口の減少がデフレの正体であることをとても

分かり易く解説しています。おすすめの本です。



2つのつぶやきに共通していることは、世代間格差もデフレも、

どちらも日本の人口構造から引き起こされている問題というところ

かと思います。



出口社長の著書「思考軸をつくれ」でも触れられていますが、

人類の長い歴史を読み解けば、文明の盛衰は常に人口の多少に

影響されるそうで、そうした視点にたてば、現在日本が置かれて

いる状況、すなわち人口構造が多くの問題の根本になっている

ことは、ごくあたりまえのことであることに気づかされます。



自分としては、なぜもっと早くこの人口の問題の重大性に気づく

ことができなかったのか残念であり、また非常に情けない思いを

しています。



自分は1971年生まれなので、ちょうど第2次ベビーブーム(1971年

から74年生まれ)の世代です。

第3次ベビーブームを引き起こすことができたかどうか、すなわち

日本の人口構造から生じる様々な問題にいくらかの歯止めをかける

ことができたかどうか、は自分たちの世代にかかっていたのです。

でも、そんなことまったく気にしていませんでした。




人口の絶対数が多い第2次ベビーブーム世代における出生率は

1.16という低い数値で、とうとう終わりを迎えようとしています。



74年生まれの女性は、今36歳です。出生率は少し上昇傾向にある

ようですが、それでも、これから子どもを作るであろう1980年代

以降の世代は、そもそも絶対数が少なくなっているので、出生率

が多少上がってもなかなか人口全体に与えるインパクトが大きく

なりません。

第3次ベビーブームの望みは絶たれてしまったのです。



当社の顧問をしている元スウェーデン大使の藤井威氏は、長い間、

大蔵省に勤務され、役人という立場から、様々な角度で日本の

将来像を考えておられました。

その藤井氏が、2007年に中央公論でフランスの政策を例にとって

出生率は回復することができるという論文を発表されていました。



子どもを生むか?生まないか?は個人の判断ですが、経済的負担

を緩和するなどの政策によって出生率は上げることができるのです。



2007年にその論文を読んだときは、「ああなるほどね」くらい

しか思いませんでした。


そういう政策を他の事項に優先して実現すべきだとは思いません

でした。


でも今は、人口の構造が引き起こしている問題を少しは理解できる

ようになってきたせいで、かなり優先度をあげて実行すべき、と

考えるようになっています。



10年、20年くらい前に、もっと真剣に日本全体が、多くの国民が

この問題を考えられる環境があったならばと思わざるを得ません。



まだ政治経験の浅い女性に少子化担当大臣を任せるのではなくて、

バリバリの脂ぎったやり手の政治家が少子化担当大臣をやるくらい

に、真剣に、優先順位を上げて、この問題を考えていれば、政策に

よって第3次ベビーブームを起こすことも可能だったはずです。



ここで大磯小磯の話につながりますが、真剣に考えなかったのは

切羽詰まった経済状況の中で、将来世代のことなんて考えられない

と思う人間が世論の中心だったということなのかと思います。

将来世代にしてみれば、たまったものではないですが。



もう問題の先送りはできなくなっています。

機会の不平等を余儀なくされた将来世代のために、我々現役世代が

果たしていけることは何かを真剣に考え、実行に移す時期がきたの

ではと大磯小磯の論調に強く共感した次第です。


具体的に何をやるの?と言われると、いきなり子づくりに励む

環境もないので、何も思い浮かびませんが、この問題に真剣に

取り組む政治家がいれば、1票を投じようかな、と。