地震による火災と通常の火災との違いは何でしょうか?
大きな違いは、「地震の場合には消防活動が期待できない」
という点です。
なぜ消防活動が期待できないかというと、
・同時多発的に火災が発生するから、消防隊の数が足りない
・倒れた建物などで道路がふさがれ、消防隊が辿り着けない
からです。
消防活動が期待できないと、どういう事態に陥るでしょうか?
火が広がります。延焼被害が拡大してしまうのです。
ちなみに、阪神淡路大震災の場合には、
1件の火災の発生で、平均26棟が巻きこまれ、
火災にあった家のうち、約93%は全焼でした。
このときは、冬の朝5時で、風速は約3メートルでした。
もしこれが、火が使われる夕時で、風速10メートルを超える
ような強風が吹いていたら・・・
火災旋風が発生し、被害はもっと深刻になったといわれています。
火災旋風は、火の竜巻です。コンクリートのマンションも焼いて
しまうほど高温の炎の竜巻です。
1923年の関東大震災のときに発生し、甚大な被害をもたらしました。
もしも、蓋然性が高いといわれている「東京湾北部地震」M7.3が、
冬の夕刻に発生し、そのとき、毎秒15メートルの強風が吹いて
いると、65万棟もの建物が焼失すると予測されています。
(内閣府防災情報のホームページ)
東京都の世帯数はおよそ620万世帯です。
建物1棟の中には、マンションやアパートのように複数の世帯が生活
していることもあれば、だれも生活していないこともあり、単純計算は
できませんが、マンションなども考慮して、仮に、焼失してしまう65万棟
の建物に100万世帯が生活していたと考えると、およそ16%の世帯が
住居を失ってしまう計算になります。
6世帯に1世帯の割合で、家を失ってしまうのです。
火災ではなく倒壊する建物の想定数20万棟(30万世帯)をこれに
加えると、およそ20%の世帯が住居を失うことになります。
5世帯に1世帯の割合で、家を失ってしまうのです。
おそろしい数値ですね。いかに身近な危険かがおわかりいただける
のではないでしょうか。
ちなみに、同地震により、避難所での生活を余儀なくされる被災者数を
見てみると、避難所での生活者数は460万人と想定されており、これは
東京都の総人口1300万人のうち、実に35%にあたります。
また、同地震による死者数は、1万1000人と予測されています。
これらの想定数値が物語っていることは、
「命はなんとか助かるが、かなりの割合で家を失う」
ということです。
おそろしい数字ばかり並べてしまいましたが、
「冬の夕方、強風が吹いているときに大地震が発生しないこと」
を祈るばかりです。
ただ、残念なことに、わたしたちは、地震が発生する時期をコントロール
することも、強風を弱めることも、できないのです。
また、怖がらせるような話ばかりになってしまって、ごめんなさい!