面白い本がありました
- 10年後の日本 (文春新書)
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面白い本を見つけました。
日本の姿を人口減少や地球環境の変化など、十個の視点から分析、今後を予測した本です。
まず面白いのはこの本の初版が2005年の11月20日であることです。つまり、すでに3年間が過ぎていてこれまでの過去3年間を振り返りながら、同時にこれから7年間を予想できるような本になります。
この中でも特に印象的だった二つを紹介します。
(1)対策が遅いこと
この本の中でインフラが老朽化していくことに警鐘を鳴らしています。そういえば、私就職活動の際に大手ゼネコンを受けていました。
面接の際に、次のような質問を受けました。
すでに成熟化しつつ、大きな成長見込みがない業界をなぜ受けているのかと。
回答内容の詳細は別にして次の内容を回答しました。
・国内市場で見るならば成熟し成長見込みは薄いかもしれないがしかし、狭く地震が多発する国土で養った技術は世界最高水準であり、この技術を世界を市場と見た場合成長見込みはむしろ大きく、また先進国の技術を世界に広める必要がある
・国内では戦後、公共設備インフラ整備は整備しつつあるかもしれないがその多くの施設の耐用年数が低くなりつつある。壊すことも含めた保守・運用が必要とされ、その部分で言えばゼネコン各社の市場規模が小さくなるとは思えない
というように3年前の学生ですら国内のインフラに関して市場性を見出していたにも関わらず最近の日経新聞でも「インフラ・クライシス」に関して特集を組んでいます。
3年前(恐らく本当はもっと以前)から指摘されている問題のが経ってもまだその対策がされていないようです。
国の動きの遅さを実感した次第です。
(2)原油価格の異常さを再認識
最近は報道されていませんが、原油価格が下がっています。
2008年7月に147.27ドルの最高値をつけて以降下がっており、12月13日の記事では「1バレル=46.28ドル」まで下がっています。
なんて「下がっています」という表現を使っていますが、2005円に発売されたこの本の一部によれば今はまだ高値圏内です。
本の中でIMFの調査結果を引用しており、「2030年まで、原油価格は1バレル=39~56ドルの高値圏で推移し続ける」という調査結果を引用しています。
つまり、今のこの時点でも原油は「高値圏」であるわけで、7月の金額は誰も予想できないくらいのものだったのでしょう。
7、8月を基準に考えると今は原油が「安い」と錯覚しそうですが、大局的に時代を読むならば今は原油高の時代です。
時系列に社会を比較・分析する際に上記のような主観に惑わされないように気をつけることが重要ですね。
結論が曖昧になってしまいましたが、今日は日本橋から銀座へと散歩してきました。
原油に頼らず足で歩く、これもまた楽しいものですね。