米を炊かない 3 | マイノリティ・リポート

米を炊かない 3

(前回の続き)

だから、小泉政権下の製造業が好調だったのは、彼らが人権コストを犠牲にしてきたからなんですね。
自分は少なくともそう考えているということですが・・・。株式への投資を否定しているわけではなく(どちらかといえば肯定派ですが)、株価を気にするあまり従業員を搾取してきた事が問題という。

それに加えて、皆さん覚えていらっしゃいますか?
日本経団連は、年収600万円以上の管理職には残業代を払わなくてよいという法律を作ろうとしていたんですよ。

あれはなんて言いましたっけ・・・ホワイトプラン?

自民党のマニフェストに何が書かれていようと、日本経団連の御手洗会長が自民党を支持するのは当たり前です。自民党は経団連の悪いようにはしませんから。

パシフィコ横浜でのスピーチで、麻生首相は「元気な高齢者をいかに使うか。この人たちは皆さんと違って、働く事しか才能ないと思ってください」と言った事は記憶に新しいところです。民主党の鳩山代表が全国をまわって演説をするなか、麻生首相は、日本経団連や生保協会、全国建設業協会などの有力業界団体への訪問にいそしみました。

経団連では
「元気な派遣社員をいかに使うか。この人たちは皆さんと違って、働く事しか才能ないと思ってください」

生保協会では
「この人たちは皆さんと違って、病院通いしか才能ないと思ってください」

全国建設業協会では
「この人たちは皆さんと違って、現場の労働しか才能ないと思ってください」

なんて、麻生首相、いかにも言いそうですよね。

街頭遊説に切り替えたのは自民党の菅 選対委員長に言われてからです。彼らが見ているのはひとりひとりの国民ではなく、我々が持っている票であり、肩書きです。そうでなければなんだというんでしょう?

自民党の細田 幹事長は「麻生首相が字が読めないらしいと言って楽しんでいる。それはそんな大したことない。だけどその事のほうがみんな楽しいんだ」として、続けて「日本国の程度を表している」といったという報道が流れました。

その発言はあとで訂正されたそうですが、自民党の程度を表した言い方だといえるでしょう。僕も口を滑らせる事はありますが、自民党のセンセイがたの場合は、誤解を受けるとかそういうレベルじゃないですよね。

先ほどの麻生首相のスピーチといい、自民党には市民を軽視した、エリート主義という根深い病巣がある、そう思いませんか?まさにナチス。

細田幹事長がおっしゃった、麻生首相は漢字が読めない、といわれる事と、よく話題に上る彼の発言のブレは、実は根っこが同じだと僕は思っています。

つまりこういう事です。
官僚が書いた答弁書を、国会でそのまま読んでいるから漢字が分からない。
官僚が書いた政府見解をそのまま言っているから、麻生氏本人の意見と食い違う場面で、発言がブレたように見える。それは公私の問題ではなく、内閣総理大臣として発言している場合でも、本人の考えと、官僚や側近が総理に言わせたい事がそのときどきで異なっている。にもかかわらず、意見のすり合わせを全くしていない。だから言っている事が毎回違うわけです。

例えていうなら、小学生が作文を読み間違えて、親に書いてもらったのがバレるようなものですね。

小泉改革が成功したのだとすれば、それはまがりなりにも構造改革を実行した事でしょう。

しかし、それが失敗したのだとすれば、結局のところ痛みを負ったのが高齢者や障がい者のような弱者ばかりで、好調だった国内企業の収益を国民全体の所得として配分することが出来なかったことです。社会的弱者が生きるに困るほどには、霞ヶ関も痛みを負いませんでした。

学生時代、障害者支援施設を運営していた講師は「いままで障がい者は障がいに甘えすぎていたんだから」と小泉改革における障害者自立支援法の成立に賛同していましたが、小泉政権以降、障がい者以上に、大企業が国家政策や低賃金労働に甘えきっていたのですから、皮肉なものです。

(もうちょっと続く)