それから弁護士さんは真治の名前と住所と生年月日を私に質問しました。

名前はかろうじて答えられたんですけれど、住所は当時住んでいた家の地番でしか答えられませんでした。

伯父の家を二世帯住宅にして二階に住んでいると言う話を聞いていたので。

 

それより驚いたのは生年月日です。

私たちは10年間も肉体関係があったのに、相手の年齢ひとつ聞いていなかったことに改めて驚きました。

なにしろ無言で時が過ぎるのをじっと待っていたものだから、お互いのプライベートについてはノータッチだったんです。

 

「分からないところはいいです。こちらで調べますから」と弁護士さんは言いました。

さらに、「今後の流れとしては、まず、真治さんに内容証明郵便を送ります。これで、真治さん側でも弁護士を立てて来ると思います。そうなると法廷で争うこととなります。当然、相手側の弁護士からあなたにとってはつらい質問が多く出ると思います。それに対して精神的に耐えることができますか?今、お預かりしている資料だけの内容では不十分な部分もあるかも知れません。もっと詳細を準備しておいていただくことはできますか?」と言われました。

 

私は「大丈夫です、やってみます」としか答えようがありませんでした。

きっと直感で、この弁護士sんを私は信頼していたんだと思います。

けど法廷で、「あなたも肉体関係を望んでいたんじゃないんですか?」とかくだらない質問をされて半泣きになっている自分の姿が目に浮かびました。
それでも泣いても吼えても悪いのは100%真治です。

私が自分の口でそれを言わないと、代わりに誰も主張してくれるわけではありません。

 

それから弁護士費用の立て替え申請の書類に記載するように、何枚かの書類に必要事項を記入しました。

これが法テラスの書類でした。

それで面談は終わったので、、「これからどうぞよろしくお願いします」と、お辞儀をしてホテルの部屋を辞しました。

 

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