スタグフレーションを実感 | トレーナーの焦点

スタグフレーションを実感

最近スーパーに買い物に行くと、

やたら物価が上がったと感じませんか?

 

コロナの影響でスーパーの仕入れ単価も上がっているのかもしれませんが、

私の感覚では、2~3割くらい値上がりしているような気がします。

厳密には、

コロナ騒動が始まる前から、

消費増税の前後くらいにジワジワと物価が上がっているような気がします。

 

各スーパーはかなり儲かっている様で、

社員さんやパートさんに臨時ボーナスを出すところが増えてきました。

 

 

では、スーパーが儲かって全体の景気が良いかと言うとそうではない。

スーパーの売上が好調なのは、

外食がほとんどなくなり、

家で食べることが急速に増えたためだと思われます。

スーパーの売上が増える何倍も、外食産業の売上が落ちています。

 

あらゆる産業が活動自粛しており、

再開のめども立たないので、

もうじき戦後最大の不況が世界中で起こる事は誰の目にも明らかでしょう。

 

普通、不況になると、モノの値段は下がります。

日本のこの20年がその状態でしたね。

これがデフレ。

 

一方、コロナが起きるまでのアメリカの様に、

景気が良くて物価が上がるのはインフレ。

2~3%の緩やかなインフレは理想的です。

 

で、

これから起きる不景気で物価が上がるのは

「スタグフレーション」。

 

日本のような先進国ではなかなな実感できない現象です。

最近では例えばベネズエラ。

ベネズエラという国は、すごくたくさん石油が採れる国。

しかし、

「石油しか採れない国」。

石油以外の物資で自国で生産できるものがほとんどないので、

石油を売って他の物を輸入している国です。

 

しかし、

アメリカによる経済制裁を受け、

石油が売れず物を輸入することが出来なくなった。

結果、

モノの値段が強烈に上がるハイパーインフレが起きました。

 

この状態が

「スタグフレーション」。

 

 

日本では、この様な状況は起きにくいと思われてきましたが、

今回のコロナの影響で、

ありえなくはない状況になりました。

 

スタグフレーションになる大きな原因は2つ。

    供給が著しく少ない

    貨幣価値が暴落する

 

他にもありますが、ほとんどがこの2つで、しかも多くの場合これが同時に起きます。

 

    供給量が著しく少ない

というのは、最近のマスクを考えれば分かりやすいですよね。

 

モノが無いから値段はドンドン跳ね上がる。

転売ヤーという存在がそれを加速させる。

 

でも、今日本ではマスク以外にも供給が著しく少ないものが色々あります。

 

典型的には

「住宅資材」。

 

トイレが無い

とか

お風呂の扉が無い

とかいう現象が起きていて、

新築の家やマンションが建たない。

 

原因は、

これらの物がほとんど中国生産だったから。

 

こういうのを「サプライチェーン」と言いますが、

現代では多くのモノがサプライチェーンになっていて、

日本にモノが入ってこない状態になっています。

 

 

いずれ深刻になるのが食料。

日本の食料自給率の低さは深刻で、

もし輸入が止まると、日本人は飢え死にしてしまいます。

実際中国が世界中の医療物資と食料を買い占めているという噂もあります。

 

 

 

日本もいずれベネズエラの様になる可能性は十分あるのです。

そうならないためには、今こそ生産体制を見直さなければなりません。

トランプ大統領の様に、生産拠点を国内に戻す政策をとる必要があるでしょう。

もちろん農業も含めて。

 

日本は長年経団連と自民党という売国団体に支配され続けてきました。

個々の利益だけを追求し、

「安全保障」

という観点が全くなかった。

 

作家の三橋貴明さんなどは、

もう何年も前からこの点を指摘しています。

日本の安全保障上の弱点は農業なので、

農業に補助金を出して、日本の農業を守るべきだと。

 

これまでほとんどのエセ経済評論家は、農業に補助金を出すから農業が弱体化したと主張しますが、これは新自由主義者の洗脳。

先進国のほとんどは農業に補助金を出し、食料自給率を高めています。

 

それは、

農業を「安全保障」の対象と考えているからです。

 

安倍政権になってからの農業政策はあまりにひどいものでした。

ついこのあいだも、

トランプ大統領に押し切られて、

日本の自動車産業を守るために、

日本の畜産農家を破壊する約束をしたところですよね。

その結果、今年初めから格安のアメリカ産牛肉が大量に日本に入ってきて、日本の畜産農家は困っています。

 

先月だったか、

「お肉券」なるものを言い出して、国民から非難の嵐になりましたよね。

根本的に日本の畜産農家を見捨てておいて、

ご機嫌取りにちょこっとだけお肉券案を出しても、

畜産農家は騙されないでしょう。

 

残念ながら、日本の農業は非常に労働生産性が低い。

高齢化と規制で、数年後にはもっと状態はひどくなります。

今、日本の若者が新たに就農しても、

稼げるであろう年収は100万円程度だと言われています。

 

これではどうしようもない。

当面農家への個別補償を続けながら、

規制緩和やAIの導入など、

国を挙げて農業改革に取り組まないと手遅れになります。

 

安倍政権は、

種子法廃止や種苗法改正など、

日本の農業を破壊する改革ばかり進めています。

結局この分野でも安倍内閣総辞職が最優先すべき課題なのです。

 

農業改革については、

必ず日本にも良いアイデアを持った専門家がいるはずです。

安倍内閣にいないだけ。

 

とにかく一刻も早く動かないと、

数年後、日本にも餓死者が出てしまいます。