イギリス路線とアメリカ路線
昨晩、10/19またイギリス議会が離脱合意案の採決を先送りしました。
今回のボリス・ジョンソン首相の提案を私はかなり良いものだったと判断しているので、残念に思います。
この問題はかなり複雑なので、解説すると誰も読みたくなくなる内容になります。
そこで、違った観点から分かりやすく私の見解を書きます。
今回のジョンソン首相の主張の根底には次のようなものがあると思います。
「イギリスという国は、今までも金融で世界を支配してきた。
今後もこの地位は揺らぐことは無い。
EUはこのイギリスによる金融支配に邪魔になるので離脱する。
もちろんそうすることでイギリスの製造業は大きなダメージを受けるだろうが、
金融があるので大丈夫。」
かなり以前、私はイギリスは常に世界の先頭を走っているという事をこのブログで書きましたが、今もその考えに変わりはありません。
イギリスと比較して、アメリカはどうでしょう?
アメリカは常にイギリスの一歩後ろを走りながら、イギリスをサポートする立場を取ってきました。
多くの人は、アメリカの方が上で、先を行っていると思っているでしょうが、私はそうは思いません。
アメリカのトランプ大統領の戦略は、
「製造業も含め、あらゆる分野でアメリカが世界の頂点に立つ」
ということ。
アメリカファースト
アメリカ グレイト アゲイン
なのです。
非常に分かりやすい。
その戦略に大きく立ちはだかっているのが中国。
米中貿易戦争はこのことが根底にあるので、絶対にどちらかが倒れるまで終わりません。
では、わが国日本はどうなのでしょうか?
私は、あらゆる分野でもはや何の売りもないのが日本の産業だと思います。
先日、日米貿易交渉で、安倍政権は自動車を守るために農業を捨てました。
この戦略は私は中期的に見ると最悪の選択だと考えています。
間もなく訪れる電気自動車の時代に、日本の自動車メーカーが世界の覇権を握ることは絶望的でしょう。
おそらくこの分野を制覇するのは、GAFAのような企業か、中国企業です。
私は、日本は中期的にはこじんまりした農業国家になるべきだと考えています。
先端技術で勝ち目が無くても、国民が飢えない国づくりをするためには、食の安全保障が極めて重要です。
いい加減妄想をやめて現実を見るべきです。
巨大企業に支配されない農業体制を作り上げることが出来るかが国家の存亡に関わっています。
今の農協体制ではそれは不可能です。
長年重要と言われながらも、一向に進まない「農業・農協改革」。
オリンピックのマラソン会場の変更事件同様、
日本は外圧によってしか改革できない様です。