今の猫は子猫の時に保護されたので、警戒心がありません。
ずっと前の、警戒心が強い猫のことを、思い出すことがあります。
何をされたかわからないけど、人が怖くて、近寄らせなくて。
ボランティアの人たちが時間をかけて、警戒心を少しずつ緩めて。
ボランティアの他の人は、複数飼いが多いので、私に託されました。
年齢不詳ですが、2才か3才の三毛猫でした。
今の子もそうですが、毛が舞い散って大変です。
最初の頃、部屋の隅っこで動かないので、ごはんと水もそこに持って行きました。
だんだん慣れて部屋を歩くようになって、触らせてくれるようになって。
でもわからないのです。
本当に人を信用できるようになっていたか。
最後の最後まで、誰かが来るとまた隅っこに固まっていました。
そこまであの子を脅えさせた人が憎い。
十分信用させられなかったのなら、私のことも情けない。
私が今でもその子を思い出すのは、一緒にいて、私と同じ思いを抱えていたから。
大切にされたい、大切にしてもらえない、怖い、近寄って欲しくない、ご飯を安心して食べたい。
命があり、感情があるのに、そう扱ってくれなかった人がいる。
そんな世の中でも、愛しい命は大事なんです。