私が「顧客満足」という言葉を初めて知ったのは、1998年のことです。もう絶版になっている「電話で顧客満足ってどうやるの」という一冊の本に出遭ったことがきっかけでした。


著者は「顧客満足研究」の第一人者でいらっしゃる故佐藤知恭氏です。佐藤先生が監訳された小冊子に、コールセンター向けハンドブックというものがあります。(クリフォード・G・ハースト著 佐藤知恭監訳 佐藤美雅訳)

コールセンター働く人々へ、どのような気持ちを持ってこれから働けばよいかが記されている本で、いわゆる電話応対のテクニック本とは違います。ハンドブックというタイトルにふさわしく、コールセンターがどのようなところで、働く環境についても述べられていて、用語の解説も加えられています。「なるほど~」と気持ちが上がる冊子です。


この中で私の心に残ることばがあります。


前向きの姿勢

勤務時間中、無条件で議論の余地のない管理下で、大切なことが一つあります。それはあなたの取り組む姿勢です。あなたが自分であなたの取り組む姿勢を選ぶのです。あなたがどう感じ、どう取り組むかを決められるのです。


お客は苦情を言うでしょう。職場の仲間は気難しいでしょう。次から次に入ってくる電話の量は膨大です。しかし、そんなのは問題ではありません。たとえそんなことがあってもあなたが自分の心の持ち方を決めることで、今日一日を素晴らしい日にすることができるのです。


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ストレスが多い職場であり、感情労働を強いられる環境でもあります。それは自分の心の持ち方次第、感情は、自分で決められるという意味です。


他のお仕事でも、職場でも、一緒。目の前に起きた事態に、どう意味づけするのは自分なのですね。