都内の某ローにある、とある研究室。
パッと見で目につくのは、基本書と判例のコピーと、膨大なレジュメの山。
この部屋の主は、毎朝9時にはやって来ます。
・・・嘘です、最近は地味に遅れてやってきます。
席に座り、時々居なくなり、また戻ってきてはカリカリ始め・・・
こんな一日がもう200回程巡りました。
さて。
この部屋の主は、いつも何がしか手に抱えてやって来ます。
ペットボトル、チョコ、ロー備え付けのドリップコーヒーなどなど。
「勉強の友」と口にしながら、嬉しそうに机の脇に置くのが習慣でした。
しかし、最近少し毛色が変わったようです。
とんと見なくなったのは、チョコを初めとするお菓子の類。
どうやら、主の「天敵」に何か言われたのが原因らしい。
加えて、その「天敵」には喫煙まで注意されたらしく・・・。
最近、勉強中の主の顔には、何やら死相のようなものが浮かんでいます。
ああ、そうだ。
お菓子類を見なくなったかわりに、最近頻繁に見かけるものがあるのです。
それはリプトンのストレートティー、レモンティー、ミルクティー、あとロイヤルミルクティー。
・・・とにもかくにも、リプトン。
他の座席の人たちとの話からして、どうやら彼は高校時代からこのリプトンが好きなんだって。
主は、独り言のようにポツリと言いました。
喫煙が制限されているから、何か口に入れたい。
かといって今は気安く食ってはいけない時期、ましてや甘いものなどご法度。
苦肉の策で、「甘めの飲み物」・・・なんだって。
「天敵」に何を言われたの?
私は主に問いました。
すると、主は言いました。
「天敵」は、ボクのためを思って言っているのだ。
だから、ボクは耐えなくちゃならないのだ、と。
そういう主の顔は、実にカッコ良かった。
しかし、他の座席の仲間に茶化されて、主は時々「禁忌」を破りそうになっています。
上の階で、何やら難しい話をしてきた後なんかは特に。
今度、顔も知らぬ「天敵さん」のためにも、主にはキツく言っておくつもりです。
そういえば。
この2、3日でボクはこれだけリプトンを飲んだのだ、と主は写真を見せてくれました。

・・・とっとと捨てればいいのに。
すぐに別の手段を考え付くのは良い事ですが、
何事につけても「やり過ぎる」のが、主の悪い癖です。
先週まで、主はキャンペーンで付いてくるハロウィンシールを集めていて、
一時は私の机のへりが、シールの群れで埋め尽くされたこともありましたし。
ほんと、困ったお人。
主と出会ってから、もうどれくらい経ったのでしょう。
気が付いたら季節は秋。
最近は、めっきり寒くなって参りました。
おや、もうすぐ9時。
主のやって来る時間です。
それでは皆さん、また会う日まで。
<追伸>
案の定、主は今日も遅刻らしい。