以下の内容は、とあるきっかけに由来して書かれたものです。

2週間近く前になりますか、お嬢様と俺はちょっとしたことで喧嘩になりました(おやまぁ苦笑)

烈火のごとく怒り狂うお嬢様。

謝り時を失い、かといって「男の意地」が邪魔して今更謝れない俺。

そういう経緯のあった先日、俺はふと思いました。





-この事件、「自主ゼミの準備運動」に使えるのではなかろうか-




ええ、タチの悪い悪戯心ですともorz

ウチらのロースクールでは、未修1年であっても頻繁に自主ゼミを組んで何時間も議論します。

判例潰しや択一訓練といった本格的な議論に入る前に、よく簡単な架空の事例研究をするんですが、

・・・これは使えるのではないか(しつこいw)





自らの研究室の机で、おもむろにニヤニヤしだす男(挙動不審w)

ロー生全員に貸与されるVistaを立ち上げ、30分程度何やら打ち込んでいます。




-送信





送り先はゼミ仲間で、年もタメである○○(女)と××(男)。

「30分後の自主ゼミまでに、この訴訟の判決を考えよ」






それでは、俺が実際に送った文章をもとに、そのあまりにもアホらしい顛末をお楽しみください。

実際の判例に即した表現を使っているので、法学部でない方には少々読みづらいかもしれませんが、

頑張って読んでみると、俺とお嬢様に一体何があったのか分かると思います。

たぶん、読み進めていくにつれて、

「あーあ・・・」

「このバカ野郎・・・」

とか感じるでしょう(苦笑)




※ウチのブログの常連さんはすぐに気づかれると思いますが、

甲=お譲様、乙=俺、でございますw












(ワ)12336号 謝罪及び空き時間請求事件




(要旨)

甲はX大学院に在籍する女性である。甲には平成16年12月より交際関係(以下「前契約」)を

続けていた乙がおり、乙は平成20年4月より都内にあるY大学院に通学している。

甲によれば、乙は前契約を締結した当初より約定を違えることが多く、甲に少なからず損害を生じ

せしめたが、甲はその都度これを受忍し、未だ関係を解消するには至らなかったというのである。



平成19年9月、前契約に治癒の期待できない瑕疵が生じたため、遂に甲・乙は双方の同意の下、

前契約を解消するに至ったが、その後双方は和解し、未だ第三者をして前契約が存続していると認識

せしむる外観を形成していた。



同年12月、甲・乙はそれぞれX大学院、Y大学院に合格し、双方の将来及び異なる進路に

鑑み、新たな交際関係を構築するに至った(以下「本契約」)。

前契約においては、甲・乙はその長期に渡る密接な関係に基づき、一方当事者に対して他のあらゆる

事情に優先する請求権を有する旨認めていたが、本契約では当該請求権が大幅に縮減され、

「双方の環境の尊重」の趣旨のもと、あくまで本契約の維持・発展のための補充的な権限とされた。

またこれに基づいて、双方の勉学及び心理状態を殊更に妨害する「一切の行為」を禁ずる旨の

特約を別途締結している(以下「本特約」)。



平成20年5月、乙が本心を留保しながらネクタイを欲するかのごとき発言をしたところ、

傍らに居た甲がこれを信頼し、密かに乙に差し入れようと企てた。

後に乙に対して「如何なる色が良いか」という内容を問い詰めたところ、やはり乙はネクタイを

欲するかのごとき返答をした。

後に乙は「ネクタイに関しては忘れるように」という旨の発言を笑みを浮かべながら為した上で、

自らの通うY大学院の最寄りまで甲が来ることがあれば、食事に同伴するとの内容を定め、双方の

同意により同年5月第2週の某日に食事をすることを約した(以下「本約定」)。



本件当日、甲はZ百貨店にてネクタイを選び、乙よりの連絡を待ったが、その過程で乙の真意を

察し、ささやかな報復を兼ねて、「他に意識する異性が現れたので、本契約を解除する」との

電子文書(以下「本文書」)を乙に対して送達した。

乙は本文書の内容に激怒し、続いて甲から送達された「先程の内容は虚偽である」旨の電子文書には

目もくれず、携帯電話機を介して甲を厳しく叱責した。

これに憤慨した甲が、乙に対し先の本約定につき問いただしたところ、乙は本約定につき失念して

いた旨申し渡すとともに、その場で謝罪の意を伝えた。



本訴にて、甲は(1)再度の謝罪と、(2)甲が「任意に」使用収益できる乙所有の時間およそ

24時間相当を請求している。



対して乙は、謝罪は既に完了しているだけでなく、本約定については甲が途中で自らの真意に

気づいていることから、甲は悪意であり、これ以上の謝罪義務はないと主張している。

また、大学院の性質上、甲が「任意に」使用収益できる空き時間を提供するのは非常に困難であり、

かような義務を自らに負わせることは、本契約に付随して締結した特約違反であり、また仮に

提供義務があるにしても、甲が送達した本文書の内容は右の特約において明らかな違背があり、

この点につき提供義務の程度は大幅に減殺されている旨を主張している。







どうでしょう、分かりました?w

カンのいい女性であれば、俺にモノを投げる準備は既に万端かと思われます(汗笑)

要するに甲の請求は、

「もっかいきちんと謝れ!」

「でもって一日ぐらい私と遊べ!」



対する乙の主張は、

「当日謝ったじゃねえか!」

そして

「そんな暇な時間はねえ!」

「よしんばあったとしても、おまえのあのメールは何だ!」








こんなしょうもないゴタゴタをえらくご大層に書きやがって(苦笑)

とはいえ、送信した俺はゼミ仲間の返しを待ちます。





30分後。

空き教室にて、ゲラゲラ笑う「裁判官二人」が俺に一枚の紙を渡してきました。

・・・わざわざ印刷までして判決書いたんかね;

では、とにもかくにも判決文を見てみましょう(原文ママ)








(判決)


(主文)

原告の請求を認容する。

訴訟費用は被告の負担とする。




(理由)

1. 本訴では、被告は自らに過失があることは争っていない。故に、本訴の争点は本特約を原告が

違えたため、被告の原告に対する賠償を減殺すべきが否かということである。



2. 本契約締結時の約定として、原・被告双方の生活及び心理状態を侵害しない旨を定めた特約が

あることが認められ、また、本件当日に原告が被告に送達した本文書の内容は、本件当日の

Y大学院における被告の激務と相俟って、被告の生活及び心理状態に多大な悪影響を及ぼした

と言わざるを得ない。



3. しかし、原告のかような行動の原因は、被告に対する原告の一途な信頼を裏切られたことに

起因するものであり、またその信頼は被告の心裡留保による意思表示に対する信頼と同視しうるもの

と看做すことができる。信頼する相手方がいる以上、少なくとも食事に同伴する旨定めた本約定に

基づく意思表示は有効であり、そこから生じる原告との約束を反故にした被告の過失は、本特約に

反した原告の行為の違背性を凌駕するものである。それだけに留まらず、原告を叱責するなど

にわかには信じ難い行動に出ている点は厳しく咎められて然るべきものといえる。その上で、自らに

課される義務の減殺を求めることは到底許されない。以上から主文のように判示する。



裁判官  ○○ ××(男)

同    △△ □□(女)









・・・被告、全面敗訴・・・orz・・・




その後、ゼミ仲間一同にフルボッコという追い討ち(T_T)

「120%おまえが悪いw」

「とっとと彼女に謝れ」

・・・はいw






こんな事案に、こんな生真面目に判決を下してくれる仲間達が、

・・・何か愛おしいですw♪






その日の夜。

これをいいきっかけにと、その日の2枚の起案をお嬢様のPCに転送しました(悪趣味w)





10分後、ケータイ鳴る(Trrrrr)

意を決して・・・出ます。






腹を抱えて笑っているお嬢様(wwwwdw)

電話口の向こうで「バカじゃねーの?」と言いつつ、

ツボに入ったらしい彼女の声を黙って聞く、全面敗訴の被告orz





数分後。

何とか落ち着いたお嬢様は言いました。



お嬢様 「控訴する?w」

俺 「・・・いえ、取り下げます」



何だろね、このベタドラマ(苦笑)

勿論、その後改めて俺が平謝りしたのは言うまでもなし(T_T)