三は却下(音楽付き)
詩論つづけます。
いまやっているのは、日本語の定型詩の韻律(音数律)が、なぜ五と七なのか、です。
日本語の詩の韻律が音数律なのは、日本語の音節がパルスと同じ性質を持ってるからですね、音(音節)の数だけの構造化でリズムになる‥という。
とりあえず「なぜ五と七なのか」を、消去法でやっています。
現在のところ、偶数リズムは「変化に乏しい・単調」という理由で却下されました。
残っているのは奇数リズムです。
音の数だけで構成される奇数リズムと云っても、理論上は無限にあるわけです。
3・5・7・7・11・13・15・17・19・21‥‥‥
という具合に。
でも、詩は人の文化に属するものですから、ということは人の持っている能力に左右されるはずですから、おのずと限界があるはずですよね。
詩のリズムたる音数(音節数)の、実用帯域ですね。
まず、人の声で一息に云えなきゃいけないでしょうね。
途中で息継ぎして途切れると、一個のリズムにはならない、統合された一つのパルスの構造にならない‥。
こういうの(実用帯域)を実際に確かめた人がいます。
東京帝国大学心理学実験室の相良守次という人が、1928年に実験したところ、日本人が日本語の音節を一息で云える(朗読できる)限界の平均数は、12だったそうです。
これで一応、13より上のリズムは、奇数偶数にかかわらず、すべて却下してよさそうです。
一はパルスですから、残るは三・五・七・九・十一です、かなり絞れてきました。
ここで前の議論に接続します。
三(三連一拍リズム)を検討してみましょう。
三で出てきたのは「オモテ・ウラ変換」と「非対称性」でした。
このうち「オモテ・ウラ変換」は三のリズムの中では起こらず、リズムとリズムのつなぎ目で起こります。
「非対称性」についても「二と一あるいは一と二」という非対称ですから、非対称に対応する一方はパルスです。
これらはやはり「変化に乏しい」と云わなければなりません。
三は、定型詩のリズムとして歴史の風雪に耐えるには、まだまだ構造が単純なのです。
ということで、三も却下です。
三の還元力を考えると、九も却下してよさそうです。
九が必要なら、三をかさねればいいのであって、あえて九を立てる意味はほとんどありません。
さて、残るは五・七・十一です。
消去法で行くと、十一さえ却下できれば議論の完成です、やっとここまできました。
ともあれ一息入れましょう。
議論のまえに、十一連一拍リズムの曲をお聴きください。
(これもたぶん史上初のリズムを持った音楽だと思います)
これは三の倍数リズムではありませんから、三に還元されることもなく、十一連一拍リズムそのものの美しさ、変化に富んだリズムの美しさを味わっていただけたらいいなと思いつつ、お届けしたいと思います。
例によって、音楽のデータファイル(samurai.3g2 946 KB)に、リンクを張っておきます。
曲のタイトルをクリックすると、新しいウィンドーが開いて、ファイルがダウンロードされ、再生ソフトが起動し、プレーヤーが表示され、曲がスタートすると思います。
ストップは二重の縦線、それを押して現れる右向きの小さな三角がプレイです。
もちろん、音楽は好き嫌いのものですから、お気に召さなければ遠慮無く即ストップしてください。
ではどうぞ。
「SAMURAI(十一連三拍リズム)」 ←これです。(Music by ousia)