案山子かな
さて、詩論のつづき、リズムの話です。
「構造を持ったパルス」それを私は「リズム」と呼びます。
こう‐ぞう【構造】‥ザウ
①いくつかの材料を組み合せてこしらえられたもの。また、そのしくみ。くみたて。「柔―のビル」
②全体を構成する諸要素の、互いの対立や矛盾、また依存の関係などの総称。「汚職の―」
[株式会社岩波書店 広辞苑第五版]
①の意味でなら、リズムの材料はパルスです。
②の意味でなら、リズムの要素はパルスですが、ここには踏み込まないことにします。
リズムは、いくつかのパルスを組み合わせてこしらえることができます。
“四連一拍、五連一拍、六連一拍、七連一拍、八連一拍、九連一拍、十連一拍‥‥‥というように理論上は無限に構成パルスを増やして行ける”というのは、そういうことです。
リズムは、人が制作することができるという意味では文化に属するでしょう。
が、パルスはそうではない。
パルスは、自然界(むろん人を含む)に普通に見て取れるものです。
変遷して止まない自然界ではありますが、そこに周期的な反復を見て取れるなら、それをパルスと呼んでもいいと私は思います。
なんかピタゴラスを思い出しませんか?
ピタゴラス【Pythagoras】
ギリシアの哲学者・数学者・宗教家。サモスに生れ、南イタリアで教団を組織、霊魂の救いを目的とする新宗教を説き、宇宙の調和の原理を数とそれの比例とした。ピュタゴラス。(前570頃~ )
[株式会社岩波書店 広辞苑第五版]
まあ、私がさしあたって目指すのは「詩のリズム」であって「宇宙の調和の原理」なんていう大層なものではありません。
自然界からお借りしたパルス(周期的な反復)を材料として、可能なリズムの構造を考えてみましょう。
“四連一拍、五連一拍、六連一拍、七連一拍、八連一拍、九連一拍、十連一拍‥‥‥というように理論上は無限に構成パルスを増やして行ける”
構造化可能な「2」を出発点として「構造を持ったパルス」を考えるなら、考えるだけなら、リズムは無限に増殖してしまいます。
パルスを「○」として、図示してみましょう。
|○○|‥‥‥
|○○○|‥‥‥
|○○○○|‥‥‥
|○○○○○|‥‥‥
切りがないので、あとはご想像ください。
リズムは「構造を持ったパルス」ですから|○○|も、|○○○|も、|○○○○|も、無限のパルスを材料とした|○‥‥‥|も、周期的に反復されるわけです。
「“無限のパルスを材料とした|‥‥‥|も、周期的に反復される”って???」とか突っこまれそうですが、そこには立ち入らないことにします。
リズムは人の文化に属するものですから、材料のパルスを増やすといっても、おのずと限度というものがあります。
たとえば、現に我々の文化として定着している音楽の理論で見てみましょうか。
理論といっても、小学校で習う程度のものですけどね。
四分の二拍子というのがあります。
四分音符が一小節に二個ある拍子です。
ところで「拍子」って、何の訳語なんでしょうね。
明治の近代化のときに、西洋の音楽理論が導入されたときの、当時の人による苦心の訳語なんでしょうが、これで現代の流行歌のリズムや詩のリズムを語るのは、実に不便でしかたありません。
私は、詩のリズムを語りたい。
そのための準備作業として、パルスなんていうものを導入したのですけどね。
ああ、話がなかなか前に進みません。
文体をですます調に変えて、頭の中を整理して、それでもまだ、詩のリズムに話が及ぶのはずっと先のことになりそうです。
今回の記事の分量も長くなりました。
私の考える、ブログにおける一つの記事の文章の適量を越えそうです。
よたよただらだらと、これからも拙い詩論がつづきそうです。
ともあれ、今回はここまでにします。
革マルの保護帽被る案山子かな ousia
読み
かくまるのほごぼうかむるかかしかな