百合咲くや | 俳諧伝授

百合咲くや

百合咲くや汗もこぼさぬ身だしなみ  諸九


読み
ゆりさくやあせもこぼさぬみだしなみ


季は「百合咲く」で夏。


有井諸九(1714~1781)の発句である。


諸九は“通称なみ。筑後国竹野群唐島村の大庄屋永松十五朗の三女、長じて中原村の庄屋永松右衛門に嫁した。そのまま無事でおれば、中原村の庄屋殿の内室で安泰に一生を終わったであろうが、幸か不幸か、かの女は夫を捨て家を捨てて、漂浪の俳人医師有井浮風のもとに奔った。かくて運命の悪戯は天明俳壇に光芒を放つ諸九尼を産んだのである。(高木蒼梧著『俳諧人名辞典』)”そうだ。


上掲句は自画像だろうか、清楚ながら矜恃を秘め、凛とした立ち姿の女性が浮かぶ。


句といい、波瀾万丈の人生といい、鈴木真砂女さんを彷彿とさせる。