手のうへに | 俳諧伝授

手のうへに

手のうへにかなしく消ゆる螢かな  去来


読み
てのうえにかなしくきゆるほたるかな


季は「螢」で夏。


向井去来(1651~1704)の句である。


芭蕉は、去来の高潔篤実な人柄を愛し、頼りともし、彼の草庵「落柿舎」には、都合三度滞在している。


去来の一族には、弟の魯町・牡年、妹の千子(ちね)、妻の可南など、俳諧に親しむ者が多かった。


上掲句は、妹千子への追善の吟。


もえやすく又消えやすき螢かな  千子


という辞世の句に唱和したものだと云う。


くどくど解説の必要もないだろう。


口ずさんでいると、去来の気持ちが痛いほど伝わってくる。



やつがれの居らぬ世もあり著莪の花   おうしあ


読み
やつがられのおらぬよもありしゃがの花