夏の夜は
まず、和歌を三首。
(いずれも『古今和歌集』夏歌より)
夏の夜はまだよひながら明けぬるを雲のいづこに月やどるらん 深養父
読み
なつのよはまだよいながらあけぬるをくものいずこにつきやどるらん
暮るるかとみれば明けぬる夏の夜をあかずとや鳴く山ほととぎす 壬生忠岑
読み
くるるかとみればあけぬるなつのよをあかずとやなくやまほととぎす
夏の夜の臥すかとすればほととぎす鳴くひと声に明くるしののめ 紀貫之
読み
なつのよのふすかとすればほととぎすなくひとこえにあくるしののめ
以上をふまえて、この俳諧を読んでほしい。
夏の夜は明くれどあかぬまぶた哉 守武
読み
なつのよはあくれどあかぬまぶたかな
季は「夏の夜」で夏。
荒木田守武(1473~1549)の句として江戸期の俳書に見える句である。
守武も、上掲の和歌などをふまえて詠んだのだろう。
どこにこの句の面白さ(俳諧味)があるかは、一目瞭然。
夜、まぶた、共にアケルものではあるが、夏の夜は早々とあけたにもかかわらず、短夜のために睡眠不足のまぶたはなかなか開かないと‥まあ、そういうことだろう。
守武は、職業俳諧師ではなく伊勢神宮の神職。
連歌をよくした、そうだ。
人一人機械一台田植哉 ousia
読み
ひとひとりきかいいちだいたうえかな