啓蒙思想
俳句の近代化において、誰も論じなかった側面がある。
俳句の近代化は、知識階級によって領導されたということだ。
諸々の近代化を推進した啓蒙思想じたいが、そういう性格を持っていた。
けいもう‐しそう【啓蒙思想】
ヨーロッパ思想史上、17世紀末葉に起り18世紀後半に至って全盛に達した旧弊打破の革新的な思想。人間的・自然的理性(悟性)を尊重し、宗教的権威に反対して人間的・合理的思惟の自律を唱え、正しい立法と教育を通じて人間生活の進歩・改善、幸福の増進を行うことが可能であると信じ、宗教・政治・社会・教育・経済・法律の各般にわたって旧慣を改め新秩序を建設しようとした。オランダ・イギリスに興り、フランス・ドイツに及び、フランス革命を思想的に準備する役割を果した。代表者にイギリスのロック・ヒューム、フランスのモンテスキュー・ヴォルテールおよび百科全書派、ドイツのウォルフ・レッシング・カントなど。
[株式会社岩波書店 広辞苑第五版]
俳句には民衆詩というイメージがあるが、これは見せかけだけのことにすぎない。
民衆はliterature(文学)という概念など知る由もない。
異文化由来の概念literature(文学)に照らして、それまでの俳諧およびそのシステムの大部分は旧弊とされ、切り捨てられた。
たしかにl、芭蕉や蕪村などの俳諧はliterature(文学)だと云っていいかもしれない。
しかし、それは俳諧のほんの一部分でしかない。
俳諧の裾野は宏大で、奥行は無限だ。
私は、literature(文学)の概念で切り捨てられた残りの部分にこそ、ほんとうの宝の山があると思っている。
故に、このブログは「俳諧伝授」なのだ。
宝の山を掘り返してみよう。
ひょっとして、literature(文学)を超えたなにかが見つかるかもしれない。