「ハンス・イヌメ — So lovely, so sweet」展 | ウーゴズ・ブログ|kumaのブログ(アート編)

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美術館向けの展覧会企画に携わってきたKuma氏が語るアートのつれづれ。

Kumaが運営するギャラリー・ウーゴズ 南青山の展覧会案内です。

     「ハンス・イヌメ — So lovely, so sweet—」展     
       —可愛らしさの中に生きることの意味をみつめる画家—

  2013年1月17日(木)~1月29日(火) 
 会場:ギャラリー・ウーゴズ 南青山


ニワトリや犬、猫、ブタなど身近な愛らしい動物を描いて大人気のオランダの画家ハンス・イヌメの展覧会を開催します。

    
Side by side (横にならんで)
20 x 30 cm  シルクスクリーン、手彩


仲良し・・・・


イヌメ絵画のテーマ性

—身近な動物をモチーフに
 ハンス・イヌメ(1951~)は美術学校の教師、ロックバンドのベーシストなどの職業をへて1996年にニワトリのモチーフに出会いました。以来、今日まで、ニワトリをはじめ、豚、犬、猫、羊、ふくろう、ねずみ、カエル、カメ、ゾウなどを主人公にして、ユーモアと優しさに満ちた暖かみのある独特の絵画世界を展開してきました。

 イヌメは言います。
「ニワトリはオランダ国内に4800万羽もいるが誰も関心を示さない。まして敬意をはらうことなどない。人間は生き物の頂点に立っていると思っているが、決してそんなことはない。地球は全ての生き物が共存できることによって成り立っている。だから、自分はあえて皆が目を向けない生き物を取り上げてやりたいし、彼らも大切な仲間だということを伝えたい」 

—動物たちのキャラクターにこめられた強いメッセージ
 イヌメが描くユーモラスで可愛らしい動物たちには強いメッセージがこめられています。
 その第一は、「地球上の生き物たちの命に軽重はない」ということです。それは彼が誰からも無視されるニワトリをメインモチーフとして、その後の動物シリーズを展開したことに如実に表れています。だからこそ、彼の画面の中では登場する動物たちはみな同じ比重で描かれるのです。
 第二のメッセージは、「すべての命は共存して寄り添っている」ということです。すべての命は単体では生きていけません。自分を見てくれる存在、自分を気にかけてくれる存在、自分に寄り添ってくれる存在が必要なのです。彼のこのメッセージは作品のタイトルにもよく表れています。
 「サイド・バイ・サイド」(横にならんで)、「近くにいる」、「見ている」、「仲良くなごむ」「仲良し・・・」「力をあわせて・・・」などなど。
 そして、これらのことを強く認識することによって、「みんな、なかよく平和に暮らそう」というのが、イヌメが彼の作品をとおして最も伝えたいメッセージなのです。


イヌメ絵画の造形性

—強いメッセージを伝える簡潔な表現
 これらの根源的なメッセージをダイレクトに伝えるために、イヌメは説明的な要素を捨象し、極度に単純化された形の表現をとります。ただし、それぞれの動物たちの形は、外形の特徴をキャラクター化したものというよりは、イヌメがそれぞれの動物の命を強くイメージしてその命を造形化にしたものです。
 そして、その命の存在と関係性をユーモアと愛情あふれる視点から描き出しているのがイヌメの世界なのです。

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地球上のすべての動物たちの共存と平和を願う強い思いを、ユーモアと詩情豊かに描いたハンス・イヌメのほのぼのとした作品は、見る人の心をおおいに和ませてくれます。そして、描かれた動物たちと目があった瞬間から、見る人の心の中にあらたな平和と共存の願いが芽生えてきます。みんながやさしい気持ちになれるイヌメの絵画を楽しんでいただければ幸いです。


ワン、ツー、ウィー