「フローラの神殿」より「ペルシアシクラメン」 | ウーゴズ・ブログ|kumaのブログ(アート編)

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美術館向けの展覧会企画に携わってきたKuma氏が語るアートのつれづれ。

ウーゴズ・ワークショップ&アルケミーで開催中の「1800年頃のイギリス植物画展 ~ソーントン・カーティス・サワビーの活躍した時代」のハイライト、ソーントンの『フローラの神殿』の中の一作、「ペルシアシクラメン」についての徒然を書いてみました。


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ペルシアシクラメン

本図のシクラメンはなだらかな丘の一角にひっそりと白い花を咲かせています。シクラメンと言えば一般的には鉢植えのイメージではないでしょうか?私も、昔、花の絵を描いていた頃、冬になって花の種類が少なくなった時にはしょっちゅうシクラメンの鉢植えに助けてもらったものでした。

その後、かなり長い間フランスのボルドーに住んでいましたが、時々訪れたメドック地方のシャトーの庭園で、大きな木の陰にシクラメンが群生しているのを見つけた時には感動しました。その時はじめて、シクラメンってこういう風に育つものなんだと目から鱗の思いでした。小振りのシクラメンが寄り添って咲いている姿はとても可憐でした。

この絵のシクラメンは群生してはいませんが、地面に生えている様はその時のシクラメンを彷彿とします。ペルシアンシクラメンは地中海東部原産で、クリスマス時期に大きな花を咲かせる品種改良された現在のシクラメンの原種です。細長い茎に、上方にそり返った白い花弁がついている様はなんとも軽やかで可愛らしいものです。

ソーントンはこの絵でも遠景に茶色い石づくりの建物を配しています。鐘楼のようなものがあり、一見ゴシック建築の教会のようにも見えますが、よく見ると、建物の右端の方にナツメヤシのような木があって、ペルシアっぽさが演出されています。

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しかし、さらによく見ると建物の左端で鐘楼のように見えた建物は、私個人的には中国の西安で見た大雁塔を思い起こさせます。なんとも不思議な建物です。

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西安の大雁塔