ルドゥーテのバラ展 みどころ(4) 『バラ図譜』と『美花選』 | ウーゴズ・ブログ|kumaのブログ(アート編)

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美術館向けの展覧会企画に携わってきたKuma氏が語るアートのつれづれ。

ルドゥーテのバラと言えば、まず思い浮かべるのは169種類のバラが描かれた『バラ図譜』です(版によってバラの数に変動あり)。しかし、ルドゥーテのバラは、144種の世界中の美しい花を収録した『美花選』、『60種のバラの選択』、『王家の花束』など『バラ図譜』以外にもさまざまな図譜に描かれています。

南青山のウーゴズ・ワークショップ&アルケミーで明日(4月14日)まで開催中の《ルドゥーテのバラ展》からちょっと面白い例を挙げてみたいと思います。
『バラ図譜』と『美花選』ともに描かれたロサ・ガリカ・アウレリアネンシス。
オールド・ローズの典型のような八重咲きの優雅なバラです。


$kumaのブログ(アート編)-バラ図譜『バラ図譜』のロサ・ガリカ・アウレリアネンシス

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『美花選』のロサ・ガリカ・アウレリアネンシス

このどちらも《ルドゥーテのバラ展》で見ることができます。
しかし、別々に見るとこれらのバラが同じ版を使って作られたものだとはなかなか気づきません。
よーく見比べると、『美花選』の方が同じフォリオ版でも版型が小さいので、ルドゥーテは後者のバラでは構図を簡略化しています。例えば、『バラ図譜』の方では大きな花の左側に赤い蕾が2つ描かれていますが、『美花選』の方ではそれが省略されています。また、バラ図譜の方では描かれている左下の枝葉は『美花選』では描かれていません。

ルドゥ-テは、『バラ図譜』の中の最もうまく行ったバラ図を『美花選』でも再採用しているのですが、『バラ図譜』のやや縦長の版型と『美花選』の正方形に近い版型のそれぞれに合わせて、構図を作り替えているのです。

あくまでも格調の高い『バラ図譜』と、時に果物なども描かれて可愛らしく親しみやすい『美花選』。2つの図譜の違いを造形的に象徴しているようでもあります。