令和6年7月17日(水)大阪市会 2025年大阪・関西万博推進特別委員会から、野上らん委員(維新)の質疑を書き起こしました。

 

海外パビリオンの状況について(横山市長答弁あり)

こども招待事業の状況と専用列車について(横山市長答弁あり)

 

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1:15:02~

 

海外パビリオンの状況について

 

野上らん委員:大阪維新の会の野上らんです。私からも何点か質問をさせていただきます。

 

まず、海外パビリオンの状況について。万博会場の建設工事については、大屋根リングの進捗率が97 %になるなど、博覧会協会が発注している工事は順調に進んでいるとのことであります。

 

建設の遅れが指摘されている海外パビリオンですが、これの準備や建設状況について、まずは確認をさせてください。

 

 

整備調整課長:お答えします。本年、6月末までに、博覧会協会が参加国からパビリオン建設の準備状況を聴取した結果、7月11日時点で、52カ国の独自パビリオンでの出展が見込まれることが確認されております。

 

その中で参加国が建物から展示まで実施するタイプAが47カ国、協会が参加国に代わって建物を建設し、参加国がその費用の負担と内外装を実施するタイプXが5カ国となっております。

 

なお、タイプAの47カ国のうち、施工事業者が決定している国は43カ国、着工済みの国は35カ国となっております。

 

また、協会が建物を建設し、参加国に仕切られた枠を割り当て、参加国が内外装を実施するタイプBでの参加は17カ国、協会が建物を建設し、複数の参加国が共同利用するタイプCでの参加が92カ国となっております。以上でございます。

 

 

野上委員:タイプAの海外パビリオンについては35カ国が着工済みとのことで、施工事業者の確保に至っていない国は4カ国とのことです。

 

こうした状況の中で、6月27日の理事会では、先行で建設されたタイプXの取り扱いや、タイプAから他のタイプへの出展変更に伴う空き地の活用について、今後の対応方針が示されたとのことですが、その具体的な内容についてお聞かせ願います。

 

 

課長:お答えします。海外パビリオンタイプXにつきましては、現在、9棟の建設が進められており、現時点では5棟がタイプXとして活用されることが想定されております。

 

タイプXとして活用されない建物につきましては、タイプCへの移行を希望する国の受け皿としての活用でありますとか、団体来場者や校外学習用の休憩所などとして利用していくことや、タイプAからタイプX、タイプCへの出展形態の変更によって生じた空地に、人工芝や簡易な日よけ、テントやコンテナを設置し、来場者の休憩スペースなどとして活用していく方針が示されております。

 

博覧会協会は、これらの対応などに必要な費用として、最大76億円の費用を生じるものと想定しております。以上でございます。

 

 

野上委員:出展形態の変更によって生じた空き地を活用することによって最大76億円の費用がかかるとのことですが、一部の報道では予備費の執行の可能性も報じられております。こうした費用すべてが予備費となることを理事会では承認されたのかお聞かせ願います。

 

 

課長:お答えします。今回のタイプXからタイプC、休憩所等への転用、土地活用につきましては、会場建設費を増額した昨年度には想定し得なかった公式参加者への対応に伴う事象であり、それに要する費用は現状の工事費2,220億円に含まれているものではありません。

 

このため博覧会協会は、実際の執行に当たりましては、今後の執行管理の中で一定程度の余裕が出る可能性があるほか、今後の所要額も精査するなどによりできる限り2,220億円に納めるよう努めるものの、最大76億円という規模を勘案すると、予備費の執行の可能性が生じる旨が理事会で報告されたところであります。

 

大阪府市といたしましても、今回の事象は公式参加者への支援として必要性は理解するものの、執行に際しましては引き続き協会においてコスト縮減を図りながら、2,220億円に収まるよう努めていただきたいと考えております。以上でございます。

 

 

野上委員予備費も含めた会場建設費は大阪府市も一部費用を負担しており、前回の増額時に私も万博特別委員会の場で質疑をさせていただき、博覧会協会からは2,220億円についても一層厳格な執行管理とコストの縮減に努めてまいると、そして増額は今回が最後となるようにしっかりと取り組んでいくとおっしゃられておりました。

 

今後2,220億円に収まりきらずに予備費を執行することになる場合は、事前に大阪府市としてきちんと協会から説明を聞くなどの確認が必要になるのはもちろんですが、その際にはコスト縮減の取り組みやその効果額も併せて明らかにしていただくべきだと考えておりますが、横山市長のご所見をお伺いいたします。

 

 

横山市長お答えいたします。大阪府市の万博推進本部会議の場におきまして、予備費の執行に当たりましては、府市が博覧会協会から事前に協議を受けることを確認しており、今後、実際に予備費を執行する見通しとなった場合は、あらかじめオープンの場で事前に協会から説明をしていただき、府市としても内容の妥当性を確認していくこととしておりますが、協会には引き続きコスト縮減を図りながら2,220億円に収まるよう努めてもらいたいと考えております。

 

私としても、予備費を執行する場合の事前協議の際には、経費縮減の取り組み等を明らかにするべきと考えておりまして、博覧会協会に対応を求めてまいります。

 

 

野上委員空地の対応等については、会場建設費2,350億円の積算時には予見ができなかったものであり、その必要性や予備費執行の可能性があるということについては一定理解をしております。

 

ただし、それにあたっては可能な限りコストの縮減に努めながら慎重に進めていただくよう要望し、この質疑を終わらせていただきます。

 

 

こども招待事業の状況と専用列車について

 

野上委員:次に、こどもの招待事業についてお聞きいたします。

 

万博の招待事業に向けた各校からの意向調査が5月末で締め切られておりますが、まずは大阪市の登録状況はどのようになっているのかを確認させてください。

 

 

首席指導主事:お答えいたします。大阪府教育庁から提供されました資料によりますと、大阪市立全小中学校及び義務教育学校のうち約95 %が万博招待事業への参加を希望しており、また残りの5%につきましては検討中と回答しております。以上でございます。

 

 

野上委員学校単位で児童生徒を万博会場まで連れていくにあたっては、特に小学校低学年は引率する教職員の負担も大きく、通常の校外学習活動よりも多くの付き添いがいることで教職員や保護者の安心感につながると考えておりますが、教育委員会としてはどのように考えているのか、お聞かせ願います。

 

 

首席指導主事:お答えいたします。教育委員会といたしましては、万博会場へ児童生徒を引率するにあたっては、児童生徒の安全を確保するために十分な人数の付き添いが必要であると考えております。

 

大阪府教育庁の説明によりますと、無料招待の対象となる引率教職員の考え方について、医療的なケアを要する児童への付き添いと、当該児童生徒の参加に不可欠なスタッフ等については、認められる方向で調整が進んでいると聞いております。以上でございます。

 

 

野上委員万博会場への交通手段については、大阪メトロとバスの利用が想定されておりますが、学校単位で参加する各校の実情に応じて児童生徒を安全に移動できるよう計画することが大切であると考えております。

 

万博招待事業において各校が計画する交通手段の状況について、お聞かせ願います。

 

 

首席指導主事:お答えいたします。万博会場への交通手段につきましては、大阪府教育庁が実施した万博招待事業に関する意向調査に登録された希望交通手段の情報に基づいて、10月頃をめどに調整がされると聞いております。

 

大阪市立小中学校及び義務教育学校においては、多くの学校で大阪メトロでの来場希望登録がされておりますが、最寄り駅までの距離が長い学校や小学校低学年を中心に、利便性や安全面の配慮から、約120校の学校において、貸切バスやシャトルバスでの来場希望登録がされております。

 

教育委員会といたしましては、各校の計画に基づき児童生徒が万博会場へ来場できるよう、大阪府教育庁や会議機関と連携してまいります。以上でございます。

 

 

野上委員教育旅行で訪れる来場者の安全安心な移動環境の実現に向けて、大阪・関西万博日帰り教育旅行の輸送に関する検討会で議論が行われており、そこでは来場時期や時間帯の分散・平準化、混雑ルートの回避や駅構内での案内・誘導方法の検討が行われております。

 

大阪市内の小中学生の多くはメトロやメトロ中央線を利用しての来場になると思いますが、通常客などもいる中で学年単位など大人数で電車を乗り降りする必要があるため、安全の観点から子どものための専用列車を検討してはいかがでしょうか。

 

また、万博への招待事業の費用負担については、児童生徒の一回分の入場料については大阪府が負担することになっております。ただし交通費については大阪府は負担しないことになっているため、招待事業に参加する児童生徒の保護者負担を増加させることがないようにと考えるべきだと思いますが、横山市長のご所見をお伺いいたします。

 

 

横山市長:お答えいたします。今回の万博に関しましては、多くの子どもたちに、世界の最先端技術や価値観などに触れる体験をして、新しい未来社会の創造に向けて自らの将来の可能性を感じてもらいたいと考えております。

 

万博招待事業の事業趣旨にもありますように、家庭環境にとらわれることなく、多くの児童生徒が来場できる機会を提供するというのが私の考えでございます。

 

児童生徒の交通費につきましては、大阪市として費用負担のあり方について関係局において検討を進めるよう指示をしてまいります。

 

また、子どもたちの移動方法につきまして、団体で移動することも踏まえた上で、安心安全に来場いただく必要があります。

 

このため、専用列車についても、知事と相談の上、大阪・関西万博日帰り教育旅行の輸送に関する検討会において協議するよう事務方に指示してまいります。

 

 

野上委員万博における子どもの教育旅行について、大阪市が保護者負担とならないように交通費の負担を前向きに検討してまいりますと、横山市長からのご答弁に心から感謝申し上げます。

 

また、移動時の安全性の観点からも、今後、大阪市としても子ども専用列車の協議を進めてくださるとのことです。ありがとうございます。

 

1970年に万博に行かれた方の話を。今、お話をお伺いさせていただくときに、すごく楽しそうな思い出を語ってくださって、今でもなお何十年経ってもすごく胸にその当時の貴重な体験というのが刻まれているんだなと、お話をお伺いしながら感じています。

 

そういった中で今回、55年ぶりにこの地で開催されるということで、またこの大阪でですね、今を生きる子どもたちにとって、かけがえのない時間と素晴らしい経験になりますように、多くの子どもたちが本当に会場を訪れることができるように、移動環境において本市も万全のサポートを引き続きしていただきますように、よろしくお願い申し上げまして、私の質疑を終わらせていただきます。ありがとうございます。

 

 

委員長:この際、お諮りいたします。委員会を暫時休憩し、なお定刻が参りましたならば、時間を延長することに決してご異議ありませんか。ご異議なしと認めます。よって、時間は延長されました。委員会を暫時休憩いたします。

 

※次の委員の質疑に続きます。

(※誤字脱字、聞き間違いはご容赦を。正確な情報は公開動画をご覧ください。)