令和6年7月17日(水)大阪市会 2025年大阪・関西万博推進特別委員会から、広田和美委員(維新)の質疑を書き起こしました。

 

万博アクセスルートの淀川左岸線二期区間の活用について

・来場者輸送における淀川左岸線二期の位置づけ
・工事は予定通り間に合うのか
・建設中区間を通行する駅シャトルバスの負担

万博へのペット同伴来場について

・実施する目的
・来場可能期間
・ペットの種類とサイズ
・飼い主のマナー・モラル動画視聴
・経費1000匹で約8300万円
・ドックランのような施設を作ることはできないのか

 

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33:55~

 

広田委員:大阪維新の会、広田和美でございます。

 

 

万博アクセスルートの淀川左岸線二期区間の活用について

 

広田委員:私からは、万博アクセスルートの左岸線二期区間の活用についてをお尋ねをいたしていきたいと思います。

 

私の地元では、淀川左岸二期の建設工事が鋭意進められておりまして、この建設中の淀川左岸線二期を万博来場者の輸送に活用すると聞いております。

 

来場者の円滑な輸送は万博成功のための特に重要な要素です。

 

まず初めに、来場者輸送における淀川左岸線二期の位置づけを確認させてください。

 

 

整備調整課長:お答えします。万博来場者の安全かつ円滑な来場を実現するため、博覧会協会が学識経験者や大阪府市・国・警察などの行政機関を含む関係団体などによる、2025年日本国際博覧会来場者輸送対策協議会を設置し、具体的な対策について政策?検討を行っているところであります。

 

この協議会において昨年11月に取りまとめられた、来場者輸送具体方針第三版では、淀川左岸線二期を来場者の主要なルートの一つとして位置づけられており、当該路線の建設中区間を新大阪、大阪駅などの駅シャトルバスのアクセスルートとして整備することにより、大阪中心部より定時制を確保したバス運行を計画しております。以上でございます。

 

 

広田委員:ここで、資料の配布をお願いをいたします。皆様、タブレットの方、またご覧くださいませ。

 

この資料は、昨年6月に我が会派の鷲見議員が質疑の際に配布したものでございます。執行時の進捗に合わせた形態でアクセスルートを整備するということでありました。

 

新大阪駅、大阪駅等を発着する駅シャトルバスについては、淀川左岸線二期の建設中区間を通行するということです。

 

通行させるためには、工事が順調に進まなければなりません。淀川左岸川線二期区間は現在も工事中であると思いますが、万博開幕までにアクセスルート整備の工事は予定通り間に合うのでしょうか、お尋ねをいたします。

 

 

設計課長:お答えいたします。淀川左岸線二期は、淀川堤防と一体となったトンネル構造でございますが、委員ご案内の資料にあります通り、万博開催までにトンネル全体が完成している区間、トンネルの底盤部のみが完成している区間、トンネル部には未着手で地表面を通行する区間など、工事の進捗に合わせた形態での利用を考えてございます。

 

現在、本路線については全線にわたって工事を実施してございまして、順調に進捗をしているところでございます。

 

万博万博開催の3ヶ月前である来年1月からは、バス事業者による試験運転が予定されておりますことから、その試験運転に間に合わせるべく、引き続きしっかりと工程管理を行ってまいります。以上でございます。

 

 

広田委員:工事は順調に進捗しているということでございますので、引き続きしっかりと工程を管理していただきたいと思います。

 

淀川左岸線二期の建設中区間を駅シャトルバスが通行するということであります。

 

この区間を通行する駅シャトルバスは、スムーズに会場にアクセスできるというメリットがありますが、負担についてどのように考えておられますでしょうか。

 

 

設計課長:お答えいたします。淀川左岸線二期の建設中区間を駅シャトルバスが通行することによりまして、都心部の道路交通への影響を軽減するとともに、駅シャトルバスの定時制、速達性を確保しました安定的な輸送を図ることができると考えてございます。

 

このように、万博時に当路線を通行する車両には受益が発生することとなりますが、万博時には当路線を広く一般に開放するわけではなく、限定された車両のみが通行することになりますので、当路線を通行する車両と通行しない車両との間での公平性を担保するという観点から、受益を得る事業者より金銭の負担をいただくことを考えております。

 

ただ、負担をいただく金額などの詳細につきましては、関係先と協議中でございまして、引き続き調整してまいります。以上でございます。

 

 

広田委員淀川左岸線二期の建設中区間を万博会場へのアクセスルートとして活用することにより、都心部の混雑緩和、会場アクセスの定時制確保に寄与するものとして期待いたします。

 

引き続きアクセスに必要な工事を安全かつ着実に進めるとともに、淀川左岸線二期の建設中区間の活用に向け、関係先と十分に調整されることを要望いたします。

 

 

 

万博へのペット同伴来場について

 

広田委員:続きまして、ペット同伴来場についてお尋ねをいたします。

 

先日開催された博覧会協会の理事会において、ペット同伴来場の実施について議案に上がったものの、理事からさまざまなご意見が出たことから、この議案は今回の理事会での採決には至らず、次回の理事会に持ち越しとなったということでございます。初めてこの話題を耳にした市民の皆様の中には、賛否を含め驚かれた方もいらっしゃると思います。

 

まず、相当な混雑が予想される万博会場にペットを同伴することが、果たして可愛いペットのためになるのか、アニマルウェルフェアの観点からもかなりの疑義を感じております。

 

そこで、今回の理事会で議案となったペット同伴来場の実施にあたって示されたルールについて確認をさせてください。

 

まずは、ペット同伴来場を実施する目的を教えてください。

 

 

企画調整担当課長:お答えいたします。ペット同伴来場の実施については、近年、ペットが家族同然の存在として生活を一緒にする機会の増加や、ペットツーリズムなども全国各地におきまして進展しつつあることを踏まえ、命を大切にする未来の新しい社会の形を創造するための、未来社会の実験場として、大阪・関西万博を人とペット双方にとって、ペット同伴活動をより適切なものとするための始まりの一歩とし、適切なペット同伴活動の普及進展のための実証の場とすることを目的としております。以上でございます。

 

 

広田委員:はい、未来社会の実験である万博において、適正なペット同伴活動の普及進展のための実証の場というのが目的なわけです。

 

実現すれば、大阪・関西万博が万博史上初となる試みです。

 

今回、理事会に提案された内容を拝見しますと様々なルールが定められており、非常に限定的な印象を受けますが、このルールについて確認をさせてください。

 

まずは来場可能期間について、10日間と非常に短い期間の設定になっていますが、この期間を設定するに至った理由を教えてください。

 

 

企画調整担当課長:お答えいたします。まず、ペット同伴来場の検討に際しましては、学識経験者、専門家、事業者等の有識者で構成する検討委員会を設置し、具体的なルールについては同検討委員会での議論を踏まえまして決定されたものでございます。

 

その上で、来場可能期間につきましては、暑い時期、混雑する時期を避けた上で、ペットアレルギーやペットが苦手な方もいらっしゃることを考慮し、5月12日から16日まで、同月の26日から30日までの平日のみの10日間としたところでございます。以上でございます。

 

 

広田委員:会場には様々な方が来場されることや、ペットへの負担を考慮し設定したということです。

 

次に同伴来場が可能なペットの種類について確認していきたいと思いますが、まずは今回のペット同伴来場の対象には、介助犬、盲導犬、聴導犬などは対象ではないということ。そうした補助犬はこの取り組みとは別に、万博会場に当然入場できることは押さえておきたいところです。

 

ペットには、猫や他の動物、ウサギやハムスター、鳥なども飼い主の方からすると大事な家族であると思いますが、今回の同伴来場可能なペット種が公共交通機関持ち込み可能なサイズの犬だけとなっている理由を教えてください。

 

 

企画調整担当課長:お答えいたします。有識者検討会では、ペット動物としての外出の適正から犬が前提になることを踏まえまして、犬を敵対関係とする小動物などの肉体的、心理的負担、また万が一の場合に備えた動物種に応じた医療体制の構築の必要性などを考慮いたしまして、今回は犬のみを同伴来場可能とされたものでございます。

 

特に猫につきましては、近年、犬を超える推計飼育数となるなど、多くの方が猫を飼われているところ、一般的に外出慣れしていない猫が多いと言われる中、稀に、例外的に外出を好む個体もいることも勘案して検討がなされました。

 

検討に当たりましては、万博開催時と類似した環境下での事前行動観察調査も行いましたが、テスター協力の確保が困難だったことや、調査に参加した猫にストレスが見受けられたことに加え、会場内で失踪した際のリスクを考慮して除外されたものでございます。

 

また、今回の万博は地下鉄や駅シャトルバスといった公共交通機関での来場を基本としておりますことから、同伴来場可能なペットのサイズにつきましても、公共交通機関に持ち込みが可能なものを前提として議論がなされたところでございます。以上でございます。

 

広田委員確かに猫は犬と違って外出して散歩を楽しむ子は少ないと思いますし、ウサギやハムスターなどの小動物が万が一、会場で興奮して逃げ出し、迷子になってしまうようなことがあれば、保護が非常に困難になるであろうことは想像できます。

 

ペット自身のストレスや受け入れ体制、移動手段など様々なことを検討した結果であったわけですね。

 

次にペット同伴来場をする飼い主の方に対し、事前予約時にマナーやモラルに関する動画の視聴などを求めるというルールについてですが、このルールを設定するに至った理由を伺います。

 

 

企画調整担当:お答えいたします。先ほどご答弁申し上げ申し上げましたように、今回のペット同伴来場の目的は大阪関西万博を、人とペット双方にとって、ペット同伴活動をより適切なものとするための始まりの一歩とし、適切なペット同伴活動の普及進展のための実証の場とするというものでございます。

 

有識者検討会の議論において、より良いペットとの共生社会に向けまして、飼い主自らが動物の愛護及び管理の重要性と必要性について理解いただいた上で、適正な取扱いや行動をすることが重要であることから、ペット同伴来場を行う飼い主の方に学習の機会を設けることとされまして、委員御指摘のように、事前予約時に必要なマナーモラルに関する動画の視聴及びテスト受講が必須となったものでございます。以上でございます。

 

 

広田委員:ペットを飼うにあたっては、飼い主の方にも一定の知識を持っていただくためのルールであることはわかりました。動物愛護の啓発活動としても大切な部分だと思います。

 

今回の取り組みには約8,300万円の経費がかかるとのことですが、10日で8,300万円受け、入れには一日100匹、10日間で1,000匹、一匹あたりに換算すると8万3,000円です。

 

ちなみに数の単位を頭ではなく匹と申し上げているのは小型犬だからです。

 

いや、これもう本当に相当な金額です。市民の中には税金が使われているのではないかと疑われる方もいらっしゃると思います。

 

この経費の財源と必要経費にはどのようなものが含まれているのか教えてください。

 

 

企画調整担当:お答えいたします。まず、今回示された必要経費は運営費から捻出されるものであり、入場券収入やロイヤリティなどの収入で賄うこととされております。そのため、税負担は想定されておりません。

 

また、今回の取り組みにあたり、会場内施設としてペット休憩所、会場内ペット預かり所、獣医師常駐所を設置することなどが想定されており、当該施設の運営に係る人件費や設備費、備品費などのほか、会場の移動で使用するバギーのレンタル費用などが含まれていると博覧会協会からは聞いております。以上でございます。

 

 

広田委員ペットを会場に受け入れるためには、休憩所、預かり所はもちろん、獣医さんにも常駐していただく必要がありますし、バギーやリードやマナーベルト、そしてペット用オムツも用意されるわけです。

 

ちなみに犬のマナーベルトは、活発で動き回るワンちゃんを対象としたマーキングや粗相などのマナーケア用の吸収ウェアで、お出かけ等に適しているものとされておりまして、かたやペット用おむつは、高齢犬のお漏らしや介護、術後ケアに開発されたものと聞いております。

 

会場内の移動はバギーに乗せてペット用オムツやマナーベルトの着用が義務づけられているということですが、リードを着用していれば足りるようにも思いますが、なぜこうしたことを義務づけるという提案に至ったのか理由を教えてください。

 

 

企画調整担当:お答えいたします。万博会場にはペットが苦手な人たちもいることへの配慮や、会場内の衛生管理を徹底するため、バギーでの移動を義務としたものでございます。

 

また、バギー内の衛生管理のため、おむつやマナーベルトの着用を義務としたところでございます。以上でございます。

 

 

広田委員確かに万博には様々な方が来場されることを考えますと、こうした対応も一定。やむを得ないものとは思います。しかしながら、マーキングを習性に持つ犬にマナーベルトやおむつの着用を義務づけるのは個体によっては厳しいものを感じます。

 

人間でもおむつで排泄しろと言われても難しいですし、不快な感覚は免れません。

 

マナーをしっかりつけられたワンちゃんなら、苦もなく装着をしてくれるかもしれませんが、事情を知らない方がご覧になれば、虐待しているように見えかねません。

 

また、せっかく来場したペットがバギーに乗りっぱなしというのは、人間の都合で混雑した会場に連れてこられた上に自由にマーキングもできない状態で長時間拘束され、これこそ虐待のように思われるのですが、日本人のみならず諸外国の方も驚かれるのではないでしょうか。

 

大好きな飼い主さんとお出かけしているワンちゃんが、会場内でバギーから降りて自由に楽しく遊ぶことができるドックランのような施設を作ることはできないのでしょうか。

 

パビリオン建設が決まらなかった場所には芝生にすると聞いておりますので、その芝生にする場所をドックランに転用するのは容易なのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

 

 

企画調整担当:お答えいたします。委員御指摘のとおり、移動につきましてはバギーを義務づけている一方で、失踪防止としてのリードやハーネスの着用は必要ではありますものの、ペットがバギーから降りることができる場所といたしまして、ペット休憩所を用意する予定としているところでございます。

 

なお、先月に開催されました理事会の資料では、会場内施設としてご指摘のようなドッグラン施設は示されておりませんが、本日いただきましたご意見につきまして、博覧会協会にはお伝えしてまいります。以上でございます。

 

 

広田委員:冒頭に申し上げましたとおり、今回の取り組みが実現すれば、万博で初めて会場へのペット同伴が可能となる試みであるとのことでございます。ペットとのより良い共生社会を目指すという大目的については理解できますが、一つ一つの取り決めがなぜそうなっているのか、ご理解をいただくことが重要と考え、質疑させていただきました。

 

このペット同伴来場の実施については理事会での採決が見送られ、次回に持ち越しとなっているものであり、まだ決定したものではありません。

 

次回の理事会は9月頃と聞いております。おそらくその際に採決されるであろうと思われますが、無事採択されたとして、乗り越えるべき課題は多いと思います。

 

例えば最大100匹を収納できる休憩所や預かり所が設置できるのか、スタッフは対応できるのか、おそらくボランティアさんにもお入りいただくことになると思います。貸し出したバギーやリード等の装備を翌日に向けて清掃消毒をする手順と、本当に多岐にわたって取り組んでいただかなければなりません。

 

万博という素晴らしい機会を、愛するペットを同伴し、人間もペットも快適に過ごすことができるようしっかりと取り組んでいただきたいと思います。

 

休憩所だけではなく、ドッグランのような同伴された犬が走り回ることができる、ペットにとって楽しい施設の設置を、ぜひご検討いただきますよう要望いたしまして、私の質疑を終わります。

 

※次の委員の質疑に続きます。

(※誤字脱字、聞き間違いはご容赦を。正確な情報は公開動画をご覧ください。)