令和6年6月7日の大阪府議会一般質問より、新教育長に関する維新・金城克典府議の質疑を書き起こしました。

動画はこちら

 

1:58~

金城議員:まず初めに、大阪府教育長に新たに就任された水野教育長に吉村知事が期待することについてお伺いしたいと思います。昨年度の知事選挙では教育の無償化、これを公約の大きな柱として掲げ、再任後、大阪のすべての子どもたちがどのような家庭環境であったとしても、この学校で学びたいと思えば、その道が開かれる社会、子どもたちが自分の可能性を追求できる社会の実現に向け、取り組みを進めてこられました。我が会派からも、あらゆる機会を通じて、未来の大阪を担うすべての子どもたちへの投資や、健やかな成長と学びを支える環境整備につながる施策を提言してまいりました。

 

このような中、水野教育長が就任されました。これからの大阪の教育行政について、どのような取り組みや姿勢を新教育長に期待するのか、知事に伺います。

 

 

吉村知事:少子化が進行する中、これからの未来を切り開く子どもたちへの投資は非常に重要だと考えています。子どもたちが様々生まれ育った環境があるわけですけれども、その環境にできるだけ教育という点に関しては左右されずに、自分の可能性を追求できる社会の実現を目指していきたいと思います。これは100 %完璧は無理だとしても、少しでもそっちの方向に向く社会に近づけていきたいと思います。また、そういう思いの中で取り組みを進めています。

 

その中で、子育て世代の教育費の負担を軽減するために、大阪において子育てしやすい街を実現していく。そして、この大阪府においては、大阪府独自で高校の授業料の完全無償化を今年度から段階的に進めているところであります。令和8年度、私の任期中に、制度完成に向けて大阪の教育が大きな転換期を迎える。これは必ず実現を成し遂げたいというふうに考えています。

 

水野教育長におかれましては、大東市の教育長としても実績があられます。さらには民間の経営者として子育て支援にも関わっておられました。そして、国のさまざまな委員を歴任される等と、教育行政に精通しておられます。子どもの個性を伸ばすという以上ですね、学校も個性を持つべきだというふうに思っています。水野教育長におかれては、市町村教育委員会や、あるいは民間で培ったこれまでの知識、経験、感覚を活かして、大阪の高校改革をはじめとしまして、大阪の教育力向上に関する施策をぜひ強力に推し進めてもらいたいと思います。

 

 

金城議員:ありがとうございます。水野教育長には、ぜひとも、民間経営者としての知識や経験を生かして、強力に施策を進めていただきたいと思います。

 

そこで、水野教育長は、現在の府の教育行政や施策にどのような課題があると考えておられるのでしょうか。また、その課題に対して、どのように対応していくのか、お伺いをします。

 

 

水野教育長本年4月に教育長に着任し、組織マネジメントとプロモーション、不登校の子どもたちへの包括的支援。この二点を大きな課題と認識しており、次のような取り組みを進める所存です。

 

一つ目の課題には、これまで複数企業の創業経営に携わった経験を生かし、組織力の最適活用と組織運営の効率化といったマネジメントに力を入れて取り組んでまいります。加えて、府教育庁のプロモーションを推進し、大阪の教育を担う教員の魅力や、所管する府立学校の魅力等を分かりやすく伝えていきます。府がこれまで大切にしてきた、共に学び、共に育つ教育など、子どもたちのさまざまな課題に寄り添った大阪の教育の良さを、子どもたちや保護者はもちろん府民の方々にお伝えをし、もっと知りたいと感じていただきたいと考えております。

 

二点目の課題については、これまで、多くの不登校に悩む子どもや保護者と向き合ってきた経験を生かし、誰もが安心して学べる魅力ある学校づくり、すべての子どもが学びへアクセスできる環境整備の観点から、小学校から高校まで、包括的な支援を本格的に進めてまいります。今後、市町村教育委員会との連携をさらに深めるとともに、支援教育や私学行政等、様々な分野における課題について、学校現場の方々をはじめ、関係者の話に耳を傾けながら、しっかりと取り組んでまいります。

 

 

金城議員:ご答弁ありがとうございます。府の教育行政の課題克服に向けて、しっかりと取り組んでいただくよう、お願いをいたします。

 

さて、府の教育行政における課題の一つとして、府立学校の魅力発信を掲げてあげておられましたが、この春に実施された公立高校入試においては、定員割れした学校数が過去最多の70校と聞いており、喫緊の課題であると認識をしております。民間経営者としての視点から、令和6年度入試の結果を踏まえ、今後、府立高校をどのように学校運営すべきと考えるのか、教育長に伺います。

 

 

水野教育長私立高校の授業料完全無償化等の影響もあり、昨年度に比べ定員割れとなった学校が増加したという結果につきましては、真摯に受け止めてまいります。しかしながら、これを府立高校にとっても好機と捉え、府立高校のあり方を再考するためのニーズの把握やプロモーションを進めていきます。

 

学校運営の要となるのは校長であり、志願者の確保に向けた戦略的な広報活動や、生徒や保護者のニーズに合った学校運営など、校長がさらなる魅力化を目指して主体的にマネジメントに取り組んでいく必要があると考えております。

 

私自身としましては、改めて府立高校の魅力はどのようなものなのかを捉えるために、着任以降、高校の視察を進め、校長との対話を行っているところでございます。その中で、府立高校は教育活動を生徒が主体で進めており、探求学習や国際交流の取り組みなど、各校が持つ素晴らしい特色や魅力を改めて認識したところです。私が感じたことをフィードバックすることで、校長が自校の良さを再認識して、効果的な魅力発信を進めるよう求めております。

 

今後も、民間経営者としての経験を生かした助言を行い、府教育長として、各校の取り組みを加速させることができるよう、全力で取り組んでまいります。

 

 

金城議員:今、水野教育長から、不登校の課題について、小学校から高校まで包括的な支援を本格的に進めていくとご答弁をいただきました。府が所管する高校だけではなく、小中学校を所管する市町村と、思いや方向性を共有し、課題解決に向けてどのように進めていくのか、今後注視していきたいと思います。

 

定員割れ問題を含む府立学校の再編整備については、令和9年度までに9校程度の募集停止を含む再編整備計画が進められております。公共施設の再編において重要なことは、施設数を減らす中でも、いかに府民の利便性低下のリスクを最小限にするかという点です。全国的に子どもの数が減少する中、再編整備の推進と同時に、子どもたちにとってより良好な教育環境の整備をいかに進めることができるか、課題は山積しておりますが、水野教育長でこれまでの経験を生かした手腕の発揮を期待をいたします。

 

(※誤字脱字はご容赦を。正確な情報は公開動画をご覧ください。)