令和6年6月7日の大阪府議会一般質問より、民主ネット・野々上愛府議の、万博遠足の意向調査と知事のミャクミャク発言に関する質疑を書き起こしました。

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21:27~

野々上議員:続きまして、万博への児童生徒招待事業についてお伺いいたします。

教育庁が進めます2025年日本国際博覧会児童生徒招待事業。こちら5月31日を締め切りとする学校への意向調査なるものが行われまして、現在その集計中とのことです。

 

6月3日公表の速報値では、対象1,900校に対し92 %が回答、参加希望は73 %、未定・検討中が18、そして未回答9 とのパーセンテージです。

 

さて、この間の報道を見ていますと、この意向調査について、学校現場も含めた理解が統一されていないように感じます。そこでまず、この移行調査は何を目的に実施するもので、希望する、もしくは未定・検討中と回答した学校それぞれについて、今後どのように調整が進められるのか、教育長のご答弁お願いいたします。

 

 

水野教育長:2025年日本国際博覧会児童生徒招待事業は、未来社会の体験を通じて、できるだけ多くの子どもに将来に向けた夢と希望を感じてもらえるように実施するものです。

 

各学校への意向調査につきましては、来場を希望する各学校の円滑な予約手続きを行うために、希望状況、希望する来場日時や来場手段等を実務上把握する目的で行いました

 

今後、入力いただいた情報の内容を確認し、来場を希望する学校については具体的な日時や交通手段の割り振りを行います。

 

また「未定・検討中」の学校については、改めて希望の有無を確認し、今後アクセス方法などの課題の解消により希望に転じる可能性があれば、引き続き検討いただきます。

 

希望がなければ、無料で入場できるIDの配布に向けた手続きを進めてまいります。

 

 

野々上議員ご答弁では、今後、入力内容をもとに具体的な日時、交通手段の割り付けを行うとのことで、今回実施された意向調査は単なるアンケートといった性格のものではなく、いわば仮申し込みのようなものと受け止めたわけですけれども、ところが昨日、委託事業者から「未定・検討中」とした学校に対し送られたメールが明らかになり、その内容について誤解を招く表現であったと府教委が答えたと報じられています。報道では委託事業者と対応を検討したいとも述べられていますが、今後、一体これは何をいつまでに検討するのか、この点についてもご答弁をお願いいたします。

 

 

水野教育長現在、意向調査で回答いただいた内容を精査し、日程等の詳細な調整を行っているところです。

 

「未定・検討中」とした学校が新たに希望するとなった場合についても、可能な限りその意向に沿えるよう調整を進めてまいります。

 

なお、委託業者からのメールについては誤解を招く表現が含まれていたことから、改めて正確な内容を関係各項に周知をいたします。

 

 

野々上議員:今般の事業に対する報道の加熱も相まりまして、ちょっと混乱状況が続いているのかなとも思います。招待事業を行う責任主体として、教育庁は学校現場の不安にしっかりと向き合っていただきたいと思います。

 

博覧会協会から示されていない事項が多いと聞きますけれども、ぜひ、これら限られた時間の中ではありますけれども、課題をしっかりと解決していっていただきたいと思いますけれども、まずは府教育庁としての課題認識、それらに対する具体的な取り組みについて、続けて教育長に伺います。

 

 

水野教育長私自身、府内の市の教育長を務めておりましたことから、市町村教育委員会や学校現場の皆様が抱いているご不安やご懸念に関しましては、承知をしております。

 

また、現在は、府の教育長として、この事業の推進に当たりまして、市町村教育委員会や学校現場の皆様から、アクセス手段に加え、入場できるパビリオンが不明なことや、昼食場所の確保、下見の時期など、さまざまな懸念を直接お伺いをしております。

 

府教育庁としましては、今後、このような懸念の声を払拭するため、一つ一つの課題の調整状況について、市町村教育委員会や学校現場に丁寧に説明するとともに、博覧会協会に対して各課題への対策と積極的な情報の提供について、強く要望をしてまいります。

 

 

野々上議員:市町村の現場も経験されたという教育長のご答弁であったかと思います。

 

今回の混乱の根本的な原因を考えますと、本来、学年行事として学級、学年、学校管理職とボトムアップで作り上げていく遠足が、いわば府からトップダウンで、現場の実情を顧みず押し付ける形になっている点が混乱の主因ではないかと考えております。

 

この遠足事業については、市町村教育委員会も十分にコミットできていない中で、事業者任せの学校とのやり取りが混乱に拍車をかけたものと考えます。

 

何より、この招待事業の実施主体としての大阪府としての責任を、しっかり果たしていただきたく要望いたします。

 

 

さて、最後の質問、信頼ある府政情報の発信についてお伺いいたします。

 

今年3月、いわゆる知事囲み取材で、吉村知事が、大阪市役所前のミャクミャクモニュメントが損壊された事案を受け、犯人像について「よく思っていない方がやった可能性が高い」。まあ普通に考えて象徴ですから「高い可能性であるのは間違いない」などの発言を繰り返されました。当時捜査中の事案であり、知事囲みという公の場において、行政の長として反対派への批判とも取られかねないこのような発言をされたことは、それは府警本部も含めた大阪府という組織全体の総意と取られかねず、問題であると考えますが、政策企画部長の見解をお伺いします。

 

 

川端政策企画部長:ご質問の知事の囲み取材につきましては、府民の関心が高い事項などについて記者が知事に取材を行えるよう、報道機関の要請に基づき、取材上の便宜を図るために設定しているものでございます。記者からは、本部の見解だけではなく、知事の個人的な考えや感想が求められる場合もございますけれども、その際には、知事は、報道を通じて府民等のコミュニケーションを図るとの観点から、質問に対して非常に丁寧に回答されているものと認識しております。

 

当時の囲み取材における発言について、私も一連の内容を確認いたしましたが、知事からは、動機はわからないので確定的なことを言うつもりはないとした上で、あくまでも可能性の一つとして丁寧に説明をされるとともに、どんな理由があっても努力行為や犯罪行為はやめてもらいたいとのメッセージを発信されておりまして、不適切との御指摘は当たらないものと考えております。

囲み取材は、行政トップである知事が、報道を通じて府民に対して情報発信する貴重な機会でございますことから、今後も囲み取材が適切に行われるようしっかりとサポートしてまいります。

 

 

野々上議員大変遺憾な内容ではありますが、丁寧なご答弁、ありがとうございました。

 

(※誤字脱字はご容赦を。正確な情報は公開動画をご覧ください。)