令和6年6月7日の大阪府議会一般質問より、維新・金城克典府議の万博遠足と万博ガス爆発事故の情報発信に関する質疑を書き起こしました。

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11:23~

金城議員:次に、2025年日本国際博覧会児童生徒招待事業についてお伺いします。

大阪・関西万博は、160を超える国と地域が一堂に会する世界最大の祭典であり、次代を担う子どもたちにとって、最先端の技術や多様な価値観に直接触れる絶好の機会と考えています。教育庁が実施する2025年日本国際博覧会児童生徒招待事業について、府内約1,900校を対象とした意向調査では、速報値で7割を超える約1,390校が来場を希望するとの意向がありました。また、調査では未定・検討中とされた学校が約350校、回答がなかった学校が約160校ありましたが、これらについても、交通手段や昼食場所などの課題が解消されていくことで、万博へ来場したいとの意向へ変わることもあり得ることから、そうした声にも丁寧に対応し、より多くの学校に来場いただくことが重要と考えます。

 

一方、この間、学校現場が抱えるさまざまな不安が取り沙汰されていますが、教育長として、そもそも子どもたちが万博へ来場することによる教育的意義をどのように考えているのでしょうか。

 

その上で、学校現場が安心して子どもたちを会場へ連れていくことができるよう、どのように取り組んでいくのか、教育長の意気込みをお伺いいたします。

 

 

水野教育長いのち輝く未来社会のデザインをテーマとする大阪・関西万博では、最先端技術の体験や各国のパビリオン見学等を通じて、子どもたちは未来社会を体験することができます。このような体験は、SDGsの達成に向けた貴重な学びの機会となるとともに、子どもたちがこれから直面するさまざまな社会課題について考えを深めるきっかけとなるなど、教育的意義が非常に大きいと感じております。

 

例えば小学生であれば、大人になった自分が暮らす未来社会を思い描き、自分のやってみたいことや将来の夢について考えるきっかけとなります。中学生であれば、革新的な技術を実感したり、国内外の方々と触れ合ったりすることで、自らの生き方やキャリアを考えるきっかけとなります。さらに、高校生であれば、新たなアイデアの創造・発信や未来社会のデザインに挑戦する意欲の向上につながると考えます。また、支援学校に通う児童生徒には、社会参加、社会的自立への意欲を高め、生き生きと希望を持って日々の学びに取り組んでいただくきっかけになればと思います。

 

府教育庁といたしましては、この絶好の機会を逃すことなく、一人でも多くの子どもたちが万博において心からワクワクするような実りある体験ができるよう、安全安心な来場に向けた課題をクリアしながら、しっかりと取り組んでまいります。

 

 

金城議員この児童生徒招待事業は、ご家庭の事情によらず、できるだけ多くの子どもたちに万博会場に来場してほしいという思いから、学校単位での実施となったものと受け止めております。2024年問題でバスの運転手不足といった課題も抱えながらではありますが、子どもたちにとっては記憶に残る素晴らしい経験になると確信をしています。

 

博覧会協会からの情報提供が遅く、学校にご負担やご心配をおかけする状況になっています。学校関係者にパビリオンをはじめとする万博の情報を早急にご提供いただけるよう、万博協会への働きかけを要望いたします。

 

また、協会だけではなく、府としてもさらなる情報発信の強化。これもお願いいたします。ご来場を検討中の学校に対しましても、引き続き丁寧にフォローしていただきますよう、よろしくお願いいたします。

 

 

次に今年3月28日に発生した万博建設現場でのガス火災事故についてお伺いをいたします。

このガス事故については先月23日の万博推進特別委員会でも議論され、我が会派からも事実経過や事故の原因、再発防止策、会期中の安全対策等について確認をさせていただいたところです。

 

同じような事故が今後発生しないよう再発防止策を徹底し、引き続き現場作業員などの安全を最優先に工事を進めていただくことはもちろんですが、それに加え、2820万人と言われる来場者の方々が安心して万博を楽しんでいただけるよう、しっかりと安全が確保されることが重要と考えます。

 

今回事故のあったグリーンワールド工区ついては、これまでも床下配管ピットがある建築物に自然換気用の配管を設置する等の設計上の配慮が行われてきたとのことですが、このグリーンワールドには子どもの遠足など団体バスでの来場者が入場するゲートがあると聞いており、学校での子ども招待事業においてもガス火災事故を不安視する声もあるところです。

 

こうした不安を払拭するためにも、今回の事故の情報については、迅速かつ正確に情報発信がなされるべきだと考えますが、事故発生から約二か月が経過した5月22日に新たな損傷箇所が出てきたことや、5月27日になって初めて全体像が確認できる写真が公表されたこと、5月30日には、これまで地表面でのメタンガスの検知はないと見解を示していたパビリオンワールド工区においてメタンガスの検知の事実があったことなど、相次いで後から小出しで情報が出てくるような状態で、府民や来場を希望している方々などの不安を解消するには至っていません。

 

子どもも含めた来場者が安心して万博に来ていただけるよう、博覧会協会が会期中の安全対策に取り組むことはもちろん、府市からの情報発信も重要です。今後どのように取り組んでいくのか、万博推進局長に伺います。

 

 

万博推進局長今回のグリーンワールド工区で発生いたしましたガス火災事故を受けた会期中の安全対策につきましては、博覧会協会におきまして、専門家の意見を聞きながら、換気設備の見直し等が検討されております。また、先日メタンガスの検出があったパビリオンワールド工区につきましても同様に、ガスの計測を行いながら、その濃度や検出箇所、ガス発生の由来などの検証が進められているところでございます。こうしたプロセスを踏まえまして、今月中には、それぞれの工区の安全対策を取りまとめ、皆様に安心していただけるよう適切に公表することとされております。

 

大阪府市といたしましても、その内容や実施状況を確認するとともに、子どもたちをはじめ多くの来場者に万博を楽しんでいただけますよう、しっかりと情報を発信してまいります。

 

 

金城議員:よろしくお願いいたします。3月28日に発生したガス火災事故の対応については、結果的に後から五月雨式に公開する事態となってしまいました。先般パビリオンワールドでの検知が確認されたメタンガスの数値は、地下ピットの中の数値で、労働安全衛生規則の基準値の四分の一以下であり、工事自体を中止する濃度ではないことを、しっかりとメディアを通じて発信すべきだったと思います。

 

安全な万博開催はもちろんですが、なぜこのような後手後手の対応となったのか、関係者間でも課題を共有するとともに、今回同様の事象が発生した場合、適切な初動が取れるよう、また組織としてしっかりとした対応ができるよう、府市からも万博協会に対して強く申し入れをしていただくようお願いをいたします。

 

万博は国を挙げての催事で、安心安全が第一でなければなりません。この事故により、多くの府民に不安を与える結果となってしまい、さらに報告が遅れたことにより国民の不信をかき立ててしまいました。万博協会から安全面での確保ができていることを早急に発信できていれば、解消できた問題であったと思います。今後は、迅速な対応と2025年大阪・関西万博に対する前向きな情報発信をしっかりと行い、機運醸成につながるよう取り組みを進めることを強く要望いたします。

 

 

(※誤字脱字はご容赦を。正確な情報は公開動画をご覧ください。)