令和6年5月21日 大阪市会 都市経済委員会より、万博・IR関連の陳情書に対する理事者の説明と見解の部分の書き起こし。各委員の質疑は、順次アップしていきます。

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万博推進局長万博推進局関連の陳情書5件に関しまして、一括で見解を申し上げます

 

陳情の趣旨につきましては、

 

まず、万博会場における火災事故に関する意見といたしまして、大阪市として今回の万博会場の爆発火災をどう考えているのか、事故後どのように対応してきたのかを明らかにすること。事故発生から消防対応までに時間差が生じた理由を説明し、事故現場の非公開写真を公開すること。夢洲一区グリーンワールドはメタンガスなどが発生する危険な区域であるため、会場計画を見直すこと。今後の事故防止、事故再発防止につきまして、具体的な説明と対応を行うことでございます。

 

次に、万博の運営費に関する意見といたしまして、吉村大阪府知事の赤字負担に関する発言を横山市長が是認しているかどうか説明すること。今年10月初旬には、赤字となった場合の費用負担割合をあらかじめ具体的に決定し表明すること。大阪市会としても、万博運営費について改めて真摯に議論することでございます。

 

次に、万博の機運醸成に関する意見といたしまして、万博の機運醸成のために巨額の公費を投入しているにもかかわらず、機運が低下している現状への見解を表明すること

 

次に、万博に関する責任を求める意見といたしまして、万博の会期延期や想定入場者数が下回るなど、失敗と捉えられる事象が生じる可能性について具体的に説明すること。万博が失敗した場合に横山市長がどのように責任を取るのかあらかじめ具体的に説明すること

 

最後に、万博の中止・延期を求める意見といたしまして、万博を中止して夢洲を元に戻し、南海トラフの災害ごみを入れられる、ごみの最終処分場に戻すこと、万博を一刻も早く中止し損害を少しでも減らすことでございます。

 

 

それでは万博推進局関連の陳情書5件につきまして見解を申し上げます。

 

まずはじめに、万博会場における火災事故に関する意見についてでございます。このうち陳情第96号につきましては、万博推進局及び消防局の所管に関わるものでございますが、万博推進局で取りまとめて見解を申し上げます。

 

本年3月28日に万博会場内のグリーンワールド工区において発生した爆発火災事故につきまして、本市といたしましては、事故に関する原因究明と再発防止策を徹底し、現場作業員などの安全を最優先に工事を進めるよう博覧会協会に求めてきたところでございます。4月19日に取りまとめ公表された再発防止策では、グリーンワールド工区において手順書を改定し、すべての作業前にガス濃度測定を行うこと、ガス濃度が基準値以下となったことを確認し作業を開始することを徹底し、作業可能なガス濃度の基準を、労働安全衛生規則に基づく適用基準値よりも厳格化しております。

 

今回の事故に関する消防への連絡につきましては、博覧会協会や建設事業者が現場の状況等を踏まえ対応されたものと認識しております。なお連絡後の消防局の対応としては通常の対応であったことを確認しております。

 

また、本市が取得した事故にかかる写真の公開につきましては、大阪市情報公開条例に基づき、適切に対応しているところでございます。

 

グリーンワールド工区のある夢洲一区は、現在は家庭等から排出される一般廃棄物の焼却灰を埋め立てている処分場であり、廃棄物埋め立て層にガス抜き管を設置し、その層の上に国の省令に基づく覆土をした状態で博覧会協会に引き渡しを行っております。博覧会協会はさらに盛り土した上で、広場施設や建物などの整備を行っているところでございます。同省令では、火災の発生を防止するために必要な措置を講ずることや、通気装置を設けて埋め立て地から発生するガスを排除することなどが定められており、本市としては夢洲一区を万博会場として使用するにあたって、博覧会協会がこれらの取り組みを適切に実施されるものと考えております。

 

なお、博覧会協会は会期中の安全性を高めるため、当該工区内の建物につきまして、換気設備の見直し等の対策を有識者の意見も聴取し実施することとしており、入場制限等が生じないよう適切に取り組まれるものと認識しております。

 

本市といたしましても、引き続き博覧会協会に対し今回の再発防止策を徹底し、夢洲において安全に万博を開催することを求めてまいります。

 

 

次に、万博の運営費に関する意見といたしまして、運営費につきましては、チケット収入やグッズ販売等のロイヤリティ等で賄われることとなるため、まずは赤字にならないようにすることが重要であり、早期にその予兆を積み取り、対策を取っていくことが重要であります。

 

会場建設費や運営費といった万博に関するコストの執行状況をより厳格に管理していくため、協会内にCFO、最高財務責任者でございますけれども、これを設置し、財務に関する権限と責任を明確にするとともに、経済産業省のもとに外部専門家からなる2025年大阪関西万博予算執行監視委員会も設置され、府市の推薦する委員も参画するなど、府市としても関与しているところでございます。

 

このように協会役員による内部の視点と、専門家による外部の視点。この双方からのチェックを行い、府市としても必要に応じて改善策等を求めながら、引き続き万博費用の執行状況の確認、検証をしっかりと行ってまいります。

 

なお、大阪市会としての万博運営費の議論については見解はございません。

 

 

次に万博の機運醸成に関する意見といたしまして、昨年12月に大阪府市が実施した万博の機運醸成に関するアンケート調査によりますと、一昨年の前回調査と比較して認知度は全国で82 . 2 %から88 . 6 %と6 . 4ポイント増加しましたが、来場意向度につきましては、41 . 2 %から33.8%と7 . 4ポイント減少したところです。

 

来場意向度向上のために、今後は万博でどのような体験ができるかをお伝えし、万博に行ってみたいと思っていただけるような情報発信を強めていくことが必要であります。

 

例えば、大屋根リングをはじめ、会場整備の進捗状況や、万博で実証実装される最新技術やサービス、各パビリオンの展示内容など、より具体的な中身をPRしてまいります。

 

こうした取り組みを通じて、万博への期待感を高め、多くの方々に来場いただけるよう、今後とも、博覧会協会などの関係機関と連携しながら、しっかりと取り組んでまいります。

 

 

次に、万博に関する責任を求める意見といたしまして、国家プロジェクトである大阪関西万博は、実施主体である博覧会協会が、会場整備や危機管理体制の構築実施、公式参加者への支援などを進めております。大阪府市は地元自治体として、会場周辺の交通アクセス等のインフラ整備、機運醸成、大阪ヘルスケアパビリオンの出展などの取り組みを進めているところでございます。

 

なお、博覧会協会が2020年12月に策定した大阪関西万博基本計画においては、来場予定者数について約2,820万人を想定することや、万博に参加する国機関について150カ国25の国際機関を目指すといった定量的な数値が示されておりますけれども、それが達成された否かをもって万博の成否を判断するのではないというのが、国の見解でございます。

 

大阪関西万博は、大阪の魅力を世界中の人々にPRする絶好の機会であり、万博の成功が今後の大阪関西、引いては日本全体の成長の起爆剤になるものと考えていることから、引き続き府市としても、国や博覧会協会、経済界等と連携し、着実に開催準備を進めてまいります。

 

 

最後に、万博の中止、延期を求める意見についてでございます。このうち、陳情第100号につきましては、万博推進局および環境局の所管に関わるものでございますが、万博推進局で取りまとめて、見解を申し上げます。

 

大阪関西万博には、160カ国もの国が一堂に会し、いのち輝く未来社会のデザインというテーマに沿って、世界共通の課題に対して、各国の価値観による最先端技術等が実証・実装され、それが新たなイノベーションとなり、次の未来社会につながるという大きな開催意義がございます。大阪府市といたしましても、国博覧会協会と連携しながら、2025年4月に万全の状態で開幕できるよう、着実に準備を進めてまいります。

 

また、夢洲をごみの最終処分場に戻すことについて、環境局では、市内で発生する廃棄物の最終処分場として活用する夢洲一区のうち、万博会場部分はすでに廃棄物による埋め立てが完了しており、その部分(※その他の部分?)につきましては、引き続き、本市の貴重な廃棄物の最終処分場として有効に活用していくこととしております。

 

 

以上、万博推進局関連の陳情書につきまして、見解を申し上げました。何とぞよろしく、ご審議のほど、お願い申し上げます。

 

 

IR推進局長IR推進局関連の陳情第90号「夢洲IRの液状化対策工事、IR工事着手と土地引き渡し解除権の執行に関する陳情書につきまして、見解を述べさせていただきます。

 

陳情の趣旨は、液状化対策工事の現状と今後の見通し、IR工事に伴う土地の引き渡し時期と事業前提条件に伴う解除権について説明することを求めるものでございます。

 

IRにつきましては、昨年12月から液状化対策工事に着手し、本年夏頃からの準備工事着工、来年春ごろからの建設工事着手を予定しております。これまでもご説明しておりますとおり、大阪府市としては、実施協定において事業者の解除権を付しているものの、基本的にIR事業が進められていくものと認識をしております。

 

事業者においては現在、詳細な設計や建築関係等の各種行政協議等を進めており、夏頃に土地の引き渡しを受けて準備工事に着手する事業計画としております。

 

土地の引き渡しについては、事業用定期借地権設定契約において解除権失効を前提とするとともに、建設工事着手までに引き渡すこととしておりますが、事業者においては、準備工事着手前の段階で事業前提条件の充足状況を一定見極めていく事業計画であると認識をしております。

 

引き続き大阪のさらなる成長に向け、IRの実現に取り組んでまいります。

 

以上、IR推進局関連の陳情書につきまして、見解を申し上げました。なにとぞよろしくご審議のほど、お願い申し上げます。

 

 

(※誤字脱字はご容赦を。正確な情報は公開動画をご覧ください。)