令和6年5月23日(木)大阪市会 建設港湾委員会より、鯨の対応について、自民・石川委員の質疑書き起こし(全文)。

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石川委員:自民党の石川博紀です。いろいろな面からクジラ処理についての報道がなされました。4月26日に出された住民監査の結果で指摘された疑義がより深まっているものと感じます。その中でも大きな事項は、契約担当の当時の課長が3月27日の委託事業者との交渉の輪に出席し、業者が有利になるように誘導したとされていることであろうかと思います。この日の交渉には本市から誰が出席していたのか。経営改革課長はどういう立場で発言していたのか。その発言があったとしても、本市積算には影響を及ぼしていないと言えるのか。お答えください。

 

 

海務課長:お答えいたします。当該協議には、本市からは海務課長、その上司でございます防災施設担当部長と経営改革課長が出席しておりました。経営改革課長は契約担当の立場でございました。

 

本市積算には腐敗が進む遺体を港内から安全かつ速やかに移動処理しなければならないという特殊性・緊急性があったため、積算基準の適用が困難な部分について委託事業者の見積もりを採用してございますが、本市として見積もり内容を精査して妥当と認められることから採用したものでございます。当該課長の発言は影響を及ぼしてはおりません。以上です。

 

 

石川委員この日の議事録を私が見たところでは、決して報道されている内容が誇張されているとは思えないもので、少なくとも金額ありきでの決着を誘導したと捉えられても仕方のないものであると感じたところです。この間、大阪港湾局は積算について縷々説明をしてきましたが、改めて金額ありきで決着したのではなく、積算でと積み上げた額で契約したのかお聞きします。

 

 

海務課長:お答えいたします。繰り返しになりますが、今回の作業は腐敗が進む鯨体を港内から安全かつ速やかに移動処理しなければならないという特殊性・緊急性がございましたため、積算基準の適用が困難な分類につきまして委託事業者の見積もりを採用しておりますが、交渉担当の海務課が内容を精査した上で算出しておりまして、積算根拠に基づいて契約したものであり、金額ありきで決着したものではございません。以上です。

 

 

石川委員:報告では、局の職員が会食を行っていたことや、担当部署以外の職員が当局の試算額を伝達したりするなどの行為があったことも報告されました。契約関係にある事業者と会食を行うなど、どのように弁解しても、市民から疑念を招く行為であると言わざるを得ません。また、情報公開された議事録等で明らかとなっていますが、入札ではないので、試算額の伝達が直ちに法に触れるものではないかもしれないものの、相手方の事業者に担当部署以外の職員が試算額を伝えるなども、市民から疑念を招く行為であると思います。こうした行為について、大阪港湾局としてどう考えているかお答えください。

 

 

リスクマネジメント担当課長:お答えいたします。契約関係にある事業者との会食や、担当部署以外の職員が当局の試算額を伝達する行為は、この間の様々な調査がなされる過程で、当局も認識したものでありまして、現時点で詳細を把握しているものではございませんが、これらは一般的に市民からの疑惑を招きかねない行為であり、適切ではなかったものと考えております。

 

 

石川委員今後、入札等監視委員会の調査結果が報告され、外部監察専門委員の調査でも対象となるところでしょうから、これ以上詳しく今ここでは聞きませんが、これらの行為は、市民の疑念を招く行為であったということは指摘しておきます。今後の調査では真摯に、かつ丁寧に説明してもらいたいところです。

 

ところで、このように多くの疑義を残すことになってしまったのは、やはり備えが足りなかったからではないかと。クジラの漂着にあらかじめ備えておくことはできなかったものか。できなかったとしても、処分の方法の検討は死亡確認前にもできたのではないかと思わざるを得ません。生きたクジラが大阪港までやってくるといったことがないと考えて備えを怠ってきたこと自体が油断であって、今回の対応では事前の備えが十分にできていなかったことが現在の混乱を招いているものとも思います。

 

今年、堺泉北港にも同様に大型のクジラが迷い込み、死亡した後、埋設処分されています。また、すぐに起こったとしても不思議ではないものでありまして、今後も同様のケースが想定されますが、その時にもやはり時間との戦いとなるでしょう。今の経験がある職員がその時も担当しているとは当然限らないところで、やはり事前に対応マニュアルを整備しておくことが重要と思います。大阪港湾局としての考えをお聞かせください。

 

 

港湾局長:お答えいたします。死亡したクジラの処理は、水産庁作成の鯨類座礁対処マニュアルにおきまして、埋設、焼却、海洋沈下、この三つが挙げられてございますが、死亡が確認された時点での腐敗の状況によります爆発の可能性の有無、あるいは体長、体の長さです、あるいは重さ、それから死亡した場所の市街地の距離、それからその場所の水深、あるいは発見から死亡に至るまでの期間、それからその死亡したクジラの処理に必要となります機材あるいは施設、それから場所の有無、こういったものによりまして、さまざまなケースが想定されまして、他港の事例をそのまま倣って対応するということは難しく、処理方法も異なりますことから、状況に応じた対応がすぐに検討できるよう基本的なフロー図を作成していく必要があるというふうに認識してございます。

 

生きたクジラが迷い込んだ後、港内で死亡する事例が、大阪港だけでなく、ご指摘の堺泉北港でも発生してございます。今回の経験を生かしまして、府営港湾とも連携し、早期に大阪港湾局としてのマニュアルを作成してまいりたいと考えております。以上です。

 

 

石川委員:まあ生きたものですから、思った通り、想定通りとはなかなかいかないものと思いますが、今回のクジラの処理は、淀ちゃんを海に返したいという前松井市長の思いを実現したものであり、これを決定したのは前市長の判断と考えますが、この選択をしていなかったら。まあ、たらればで語るべきところのものとも思わないではないですけれども、今回のような問題は起こらなかったのではないかと。今の横山市長として、前市長の判断に問題はなかったかどうか、どう考えているかお聞かせください。

 

 

横山市長:お答えいたします。鯨体は、委員ご存知の通り、死亡すると腐敗が進みまして、悪臭とともに体内にガスが充満し爆発の恐れがありましたため、市民生活への影響や、船舶の安全確保等を考慮いたしますと、早急な対応が必要であったと考えております。こういった中で、陸上での埋設処分の可能性なども含め検討した上で、意思決定プロセスにのっとり海洋投棄が決定されたものでありました。適切に判断がなされたものと認識しております。

 

 

石川委員:適切に判断なされたということですけれども、埋める土地としても、万博IRの用地として夢洲が使われて使えないなどもありましたけれども、大阪府と仲がいいというような話もよく聞きますけれどもね。それであれば、府の土地、特に今年揚がったクジラに関しましては、堺7-3区にという選択肢がありましたけれども、そういう選択肢も当初も当時もあったのではないかと思わずにはいられないところであります。今回のことは終わったことではありますが、先ほども言いましたように、いつまたクジラが来るかはわかりません。これから、同じようなことが起こった場合にどう判断するか。いかに市民に疑念を持たれることなく対応するかに当たって、きちっと体系立ててあらかじめ決めておくことは極めて重要と思います。備えあれば憂いなしという現在、マニュアル策定作業は開始しているということでありますけれども、可能な限り急いで策定し、二度とこのような混乱が起きないよう、明日にでもクジラまた来るかもしれませんので、くれぐれもよろしくお願いをいたします。以上です。

 

 

(※誤字脱字はご容赦を。正確な情報は公開動画をご覧ください。)