令和6年5月23日(木)大阪市会 建設港湾委員会より、鯨に関する住民監査請求の結果についての報告と維新・岡崎委員の質疑書き起こし(全文)。

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2:26:20~

委員長:次に、鯨死骸海上運搬処理業務委託について、理事者より報告を聴取したいというふうに思います。

 

 

大阪港湾局長:委員長のお許しを得まして、大阪港湾局における鯨死骸海上運搬処理業務委託に係る住民監査請求の結果等について、ご報告申し上げます。

 

本件に関しましては、令和6年2月26日に提出されました住民監査請求の結果が4月26日に請求人に通知され、同日公開されたところでございます。

 

 

当該監査では、本件契約の締結に関しては、多くの疑義が認められること、契約事務として少なくとも不当なものであった概然性が高いことから、入札等監視委員会の調査状況、結果も踏まえつつ、当監査で示した疑問点や疑義を踏まえてさらなる調査を行い、こうした疑問点の解消に努める必要があるとして、監査委員から市長に対して6ヶ月以内に、積算価格やその根拠について入札等監視委員会や外部委員からなる第三者機関等を通じて詳細を再調査し、客観的に検証可能なものとすること及び契約金額が不適正であると認められた場合、関係職員への損害賠償請求を行うなど適切な措置を講じることとの勧告がなされております。また、本事案にかかりまして、調査がなされる中で、委託業者の担当者に対しまして、日本酒を差し入れた件以外にも、当局職員が会食を行っていたことや、担当部署以外の職員が当局の試算額を伝達したり、担当部署と未協議の内容を指示するなどの行為があったこと。契約支出事務等におきましても先決規定と異なる対応をしていたことも新たに認識したところでございます。

 

当局といたしましては、監査におけます勧告内容をはじめ、新たに把握した事案につきましても今後公表されます、詳細な調査結果をしっかりと受け止め、市民への説明責任を果たすべく真摯に対応してまいる所存でございます。

 

さらに今後、外部監察専門委員による調査が予定されておりますが、今回の住民監査で指摘された疑念のみならず、今回の事案全般にわたりまして、局を挙げて改めて検証し、ガバナンスの強化やコンプライアンス意識の向上、再発防止に向けた取り組みを鋭意進めてまいります。

 

併せまして、情報公開につきましてご報告を申し上げます。情報公開につきましては、これまでも本市情報公開条例第7号各号に定められております。非公開事由に該当する場合を除き、公開してきたところでございます。今般、これまで非公開としてまいりました内容の一部につきまして、住民監査請求の結果通知により公知の事実となったことや、入札等監視委員会による調査もおおむね終了した模様であるということなど、状況が変化いたしましたことから、改めて今後の事務事業への支障を理由として非公開となる範囲を検討いたしましたところ、その範囲が変更となったものでございます。

 

以上、大阪港湾局におけます鯨死骸海上運搬処理業務委託に係る住民監査請求の結果等につきまして、ご報告申し上げました。何とぞよろしくお願い申し上げます。

 

 

委員長:報告は以上であります。ただいまの報告に対して質疑なり意見のある方はお願いいたします。

 

 

岡崎委員:維新の岡崎です。早速質疑に入ります。ちょっと最初通告してないんですけど、ちょっとここだけ押さえておきたいんで、大阪市3,774万という見積もりを、最初弾いて、これは補助金を取るためというような話がありましたけれども、最終的には8,019万となりました。この金額8,019万が今、正しい数字だと港湾局は認識しているのかどうか、まずお聞きします。

 

 

海務課長:お答えいたします。今回の作業には、腐敗が進む遺体を港内から安全かつ速やかに移動処理しなければならないという特殊性、緊急性があったため、積算基準の適用が困難な部分につきましては、委託事業者の見積もりを採用してございます。しかし、交渉担当の海務課が内容を精査した上で算出しておりまして、積算に基づく契約金額8,019万円は適正であると認識しております。以上です。

 

 

岡崎委員:今のを踏まえた上で質疑に入ります。4月26日に結果が公表されました。先ほど報告がありましたね。鯨死骸海上運搬処理業務委託に係る住民監査追及等、この間の報道の内容について聞いてまいります。まず、今回の住民監査において、監査委員から、地方自治法第242号第5項の規定による勧告として、一、 6ヶ月以内に契約手続き、積算根拠等について、入札等監視委員会や外部委員からなる第三者機関等を通じて詳細を再調査し、客観的に検証可能なものとすること、二、契約金額が不適正とあると認められた場合は、関係職員への損害賠償請求を行うなど適切な措置を講じることと、二点が求められました。そもそも、この勧告出されるということが非常に重たいものであります。また、内容についても、相当重たいと思うんですよね。この港湾局の受け止めをお聞きします。

 

 

海務課長:お答えいたします。本事案は、生きたクジラが港内に迷い込み、市街地近くで死亡漂着し、時間の経過とともに腐敗による爆発の危険や、強い悪臭の拡散等により、市民生活への重大な影響を及ぼしかねない懸念がございまして、緊急に対応が求められるこれまでに例のないものでございました。そうした中で、一部の事務処理について反省すべき点があったものの、積算価格やその根拠につきましては、精査して算出したものと認識しております。しかしながら、住民監査請求の結果においてさまざまな疑義が指摘され、厳しい内容の勧告が出されたことは重く受け止めております。今後、今回の監査委員からの勧告に基づき、外部監察専門委員による調査が行われる予定でございますので、改めてしっかりと説明を尽くしてまいりたいと思っております。

 

 

岡崎議員:先ほども一問目であえて聞きました。今も積算価格、根拠については、精査して算出したものということが適正だということでありますけれども、それでもね、これだけ厳しい勧告を受けているということ自身がこれ普通じゃないんですよね。今答弁にありましたけれども、今後行われます外部監察専門委員による調査においては、ご指摘された疑義について真摯かつ丁寧に、また先ほど局長もありました情報開示の部分もありましたね。オープンにするべきところを、オープンにして説明を尽くしていただきたいというように思います。

 

情報公開について伺います。私が2月、質疑をさせていただきました。この情報公開についても、かなり積極的にやってくださいというようにお願いしたところでございます。この間、このクジラを取り巻く状況は変化してきております。報道も繰り返し行われております。この情報公開にあたっても、それを踏まえた対応が求められていきますが、状況の変化を踏まえた積極的な情報公開を行っているのか、これ改めて確認させてください。

 

 

海務課長:お答えいたします。情報公開請求に対しましては、従前から情報公開条例第七条各号に定められております。個人情報や法人情報のほか、事務事業の遂行に支障があるものなど、非公開事由に該当する場合を除き、原則として公開としてきたところでございます。

 

2月の委員会におきまして、委員からメール等の資料を公開していくべきとの御指摘をいただいておりましたが、これまで非公開事由に該当するとしてまいりました内容の一部が住民監査請求の結果公表に伴いまして公知の事実となりました。

 

また並行して実施されております。入札等監視委員会による調査もおおむね終了した模様であるなど、本件を取り巻く状況も変化してきております。事務に支障があるとして、非公開となる範囲につきましては、その都度その時点の状況を踏まえて検討してございますが、この間の状況変化を踏まえまして、改めて今後の事務事業の支障を理由として非公開となる範囲を検討しましたところ、その範囲を変更としたものでございます。以上です。

 

 

岡崎委員:疑念を持たれちゃってるんですよ。監査請求のこの監査の結果も見ました。やっぱりその時のメールのやり取りも見させていただきましたけれども、外から見て、やっぱりこれ疑念と持たれざるを得ないような内容が、やっぱりオンパレード入ってますよ。この中に。これはね、やっぱり疑念を晴らしていくためには、市民への説明責任を果たすために情報を公開するというのは大切なんで、いろんな理由はあるでしょう。ただ、これについて一歩前進しましたのでね。もっと前に進めてやっていただきたいと思います。

 

今さまざまな報道されてますけれども、市民に対して情報を明らかにした上できちんと検証し、反省すべきことがあれば、当然反省していただかないとなりません。この件をまずきっちり片付けてもらいたいと思います。今回の監査結果や、先ほどの報告にあった新たに局が把握した事実などを聞くと、今回の案件は個別の事実に関するという話ではなく、全体的な問題というのも感じています。報道にもこれありましたけれども、日本酒の差し入れ、それから相手方との担当者との会食、こういったコンプライスに関わるものがあったり、公文書の管理、決済の適応誤り、今回の行動にあった交渉時における職員の発言などのガバナンス、もう挙げれば枚挙にいとまがないというのはこういうことだと思いますね。こういった雰囲気を醸し出してきた組織体制やマネジメントなど、一つ一つという問題だけではなく、これらがかなり重なって起こった今の事態を招いていると私は考えます。

 

その中でも最も重要なのがガバナンスの問題じゃないかなと思います。今回の問題を検証して、将来に向かって再発を防止していかなくてはなりません。クジラが二度と来ないという約束は誰もしてくれません。結局、同じことをガバナンスをしっかりしていかないと、同じことを繰りに返すのではないかという危惧があります。そのような観点から、大阪港湾局は今回の件について全体的にどのように受け止めているのか、そして再発防止に向けて今後どのように取り組んでいくのか、改めて局長にお伺いします。

 

 

大阪港湾局長:お答えいたします。本件につきましては、特に契約交渉に係る意思形成の過程におきまして、局内で明確な協議の場を設けず、また私に対してだけでなく、担当部内あるいは担当課内も含めまして、報告連絡相談が徹底されず、担当者間でのコミュニケーションが不足したことにより、指示内容や対応方針の共有といったものが不十分となったことなど、組織全体としてのマネジメントの不足、ガバナンスの不足が監査におきましてさまざまな疑義を指摘されることにつながったのではないかと考えており、私としても非常に大いに反省しているところでございます。

 

また、港湾はポートセールス、あるいは選ばれ続ける港という言葉を我々は使っておりますけれども、船会社あるいは港湾事業者といった特定の関係者に利用されることで初めてその機能が発揮されるという特性がございまして、この利用者への意識、こういったものが日常業務における取り組み姿勢あるいは対応の根底にあったということが、多くの疑義を招く結果につながった側面もあるのではないかというふうに感じております。

 

今後、入札等監視委員会の調査結果が公表されまして、その後、外部監察専門委員による調査も予定されておりますため、その調査に真摯に対応してまいりますとともに、監査で指摘されました疑義のみならず今回の事案全般にわたりまして、局を挙げて改めて検証し、マネジメントガバナンスの強化はもとより、コンプライアンス意識の向上に向けまして、新たな仕組みを構築するなど、弊港湾の担当者も含めまして、大阪港湾局一体となって強い決意を持って取り組んでまいります。以上です。

 

 

岡崎議員:私、去年、メールの時の質疑もやってましてね。やっぱりこういうことを何回も聞くのっていうのは、それはこっちもやりたくない話なんで、ぜひともお願いします。

 

市長ありがとうございます。

 

今局長から今後の取り組みについて決意をいただきました。今回の件は、前例のない中で、緊急で対応しなければならない状態で起こった事案でございまして、特殊な事案であったということは、これは重々理理解しています。しかしながら、これ繰り返しになりますけれども、監査委員からかなり厳しい勧告がされるような重たい事態になっているのも、これもまた事実です。今回の件について、まずはですね、これだけ大事になっているので、まず疑惑に対してきちっと説明責任を果たして、きちんとまず先にこれを片付けていただきたいというように思います。

 

その上でですね、今回の件は大阪港湾局だけに起こりうる事案ではなくて、緊急性というのはどこでもありますから、大阪市全体の教訓と受け止めて、将来に向けて大阪市全体の職員の意識改革を図るように、トップとしてのガバナンスを発揮することというのが、我々が大切なポイントだというように思っています。

 

説明責任とガバナンス。申し訳ないちょっと市長、ここ僕は通告書はされているんですけど、あとやっぱり情報公開というのも、これ市民説明にとっては必要だと思うんですね。

 

この三点についてお答え願えればと思います。よろしくお願いします。

 

 

横山市長:お答えいたします。まず、今回の件につきまして、委員からもありましたとおり、監査委員から様々な疑義を指摘いただいております。契約手続きや積算根拠等につきまして、第三者機関等を通じて詳細を再調査し、客観的に検証可能なものとすることとの勧告を受けておりますので、非常に重く受け止めております。現在、入札等監視委員会で調査が進められておりますので、その結果を含めまして、外部監察専門委員に諮り、意見を聞いた上で全体像を明確にし、説明責任を果たしますとともに、再発防止のために、手続きの公正性、公平性、そして透明化を図ってまいります。併せまして、三点目。委員からありましたとおり、可能な限り情報を公開していく、これは非常に重要な点だと思いますので、併せて情報公開、可能な限り公にしていくという点も徹底していきたいと思います。

 

また、将来に向けましては、今回の事案を委員からもありました。例外的な事例とせず、どこに問題があったか、また何をどうすべきだったかというのを他の業務はどうかといった点などを含めまして、きっちりと検証して、また点検も行いまして、緊急に対応を要する事案であっても職員全体が意識を持って対応できるよう、大阪市のトップとして、ガバナンスを発揮してまいります。

 

 

岡崎委員:ありがとうございます。市長からは、まずは今回の事案についてきちんと検証を進めた上で、説明責任を果たし、再発防止のための手続き、公正性、公平性、透明化。ここに情報公開入ると思います。図っていきたいということで答弁をいただきました。

 

まず大阪港湾局でも先ほども申し上げましたけれども、この問題、きちんと片をつけて、本来果たすべき業務である国際コンテナ港湾施策の実行とかね、クルーズ客船の誘致、それから夢洲はじめとしては、もう来年、世界の舞台になるわけです。これこの間も申し上げました。世界からの舞台になる夢洲エリア、こういったところをきちんと活性化をさせていかなくちゃならないという、やっぱり使命を背負っていると思うんですよ。ここが成功しなければ、未来の大阪ってなかなか開かれていかないなって我々認識ありますんでね。

 

今回の件、決して大阪港湾局だけに根っこで言うと留まらない部分あろうかと思います。昔、よう言われてました。僕ら入ったころはもう、局あって市なしということで、もう局の倫理だけが優先していくというようなことがあったと思います。よもや、もうそういったことはないと信じたいと思いますし、そういうことが行われていては、この先の大阪市の発展もこれ見込めないと思いますので、ぜひとも意識変えていただいて、先ほども***の話もあったのでね。もう本当に似たようなところに、その局だけの倫理というのが動いちゃっている部分あるかと思いますので、まずはこの件片付けていただいて、点検をしていただいて、未来の大阪に向かって歩みを進めていただきたいと思いますので、どうぞ、よろしくお願い申し上げます。私から以上です。

 

(※誤字脱字はご容赦を。正確な情報は公開動画をご覧ください。)