数の理論で押し切られました。府議会は知事の追認機関でいいのでしょうか。お米10キロを配るという話は、デジタルクーポンやECサイトで対応することになりましたが、スキーム案が12/12~15の一般質問には間に合っていないのにもかかわらず、委員会での議論をすることもなく、12/20の本会議で採決をするということが決定しました。その理由についての説明(後述)に納得できますか?

 

 

  2022年12月15日(木)大阪府議のツイートより

 

維新、公明により、委員会での議論は阻止されました

「今議会に上程されている議案に対し議論しきれていないと、自民保守、自民、民主、共産、旭区の会が委員会での議論を求めましたが、維新、公明により、議論は阻止されました。」(自民・占部府議)

 

 

この日、議会では何が起こっていたのでしょうか。

 

 

 

  2022年12月15日(木)大阪府議会 議会運営委員会より

府議会の動画はこちら

◇委員長
次に議案の委員会付託についてでありますが、審議中の議案38件のうち本日詮議いたします。第62号議案及び議決不要の報告第42号から第50号までを除く議案28件につきまして、各会派のご意向をお聞かせ願います。維新、杉江委員。

◆杉江委員維新
委員会付託なしで。

◇委員長
はい。公明、肥後委員会。

◆肥後委員公明
委員会付託はなしでお願いします

◇委員長
自民、原田委員。

◆原田委員(自民
いやいや、あの、委員会付託は絶対必要だと認識をしておりまして、その補正予算9号については、一般質問、わが会派もさせていただきましたけれども、今まさに制度設計を進めていますという答えがあって、まだ詳細決まってない中で、委員会付託せずにこのまま採決するというのは、いやそれ違うでしょうと。今もやり取りしてたんですけれども、まさに昨日ちょっと詳細が出てきているような中で、我々としてはこの一般質問だけでは議論できてないと。それは決まってないわけですから、委員会付託して、このお米クーポン、デジタルクーポンの配布なのかECサイトなのかであったりとか、福祉施設職員どこまでの範囲に1万円のギフトカードを配るんだとか、どういうやり方でやるんだっていうのは、しっかり議論しないと、前みたいに企業秘密で使い道がどれぐらいあったかとか検証できないみたいなことにもなりかねませんから、やっぱりしっかり委員会付託して議論しないと、まだこの一般質問の中では明らかにできなかったわけですから、これ絶対委員会付託必要だというふうに思っておりますので、ちょっと委員会付託されないという理由が理解できません。はい。

◇委員長
ありがとうございました。ただいま各会派のご意向をお聞きいたしましたところ、ご意向が一致いたしませんでしたので、起立により採決いたします。本日、詮議いたします、第62号議案および議決不要の報告第42号から第50号までを除く議案28件つきまして、委員会の付託を省略することに賛成の方はご起立願います。

(維新、公明、起立)

◆原田委員
いやいやいや、すごいな。あり得ないですよ、こんなん。追認機関じゃないですか、知事の。

◇委員長
起立多数でありますので、以上の議案は28件は委員会の付託を省略することに決定いたします。

◆原田委員
考えられない。

◇委員長
本決定に基づき、本会議では委員会付託を省略することについて簡易採決によりお諮りいたしますのでよろしくお願いいたします。


(中略)
 

 

◇委員長
最後に、次回の議会運営委員会については閉会日の12月20日午前10時に開会いたしますので、よろしくお願いいたします。ご協議いただく事項は以上のとおりでありますが、この機会に何かご発言はありませんか

◆原田委員
委員長。

◇委員長
原田委員。

◇原田委員(自民)
先ほど委員会付託をしないということになりましたけれども、到底納得いかなくて粛々と進められましたけれども、なぜ委員会付託をしていただけないのかという理由を聞かせていただきたいというふうに思っています。この子どもへの食費支援についての事業スキーム案は、私先ほど説明を受けて、まだこれがどうどう進められていくのかという議論が一般質問には間に合わなかったわけです。地元のお米屋さんからの懸念点であったりとか、民業圧迫じゃないかという懸念であったりとか、デジタルが使えない人にはどう配布していくんだとか、ECサイトで取り扱れるのは地元の産品が取り扱われるのかとか、そういった議論一切できていない中で、このまま採決に進むというのは到底理解できなくてですね、委員会付託をしない理由について、そして委員会を付託することには何か弊害があるのか。日程だって今十分あるわけですから、なぜ委員会付託しないのかっていうのをちょっと答えていただかないと、到底ちょっと府民の皆さんも納得されないんじゃないのかなというふうに思いますので、ぜひご意見を伺いたいと思っております。

◇委員長
あの、まあ決定したことですので、まあそれぞれ持ち帰られて、各会派の中で皆さん方で相談した結果の答えだと思いますが、今原田委員が決まったことに対して、あえて答えてほしいということがありますので、もし答えていただけるのであれば、答えていただいて、かなと僕は思いますので。もうすでに決定しておりますけれど。どうぞ。

◆維新
今原田幹事長いろいろおっしゃってるんですけど、我々も最初この事業に関して、最初要望というか、提言から始まって、最初出てきた時から部局も呼んで、何回も一般質問ももちろんですけど、やり取りもしてきて、今一定、先ほども幹事長も何か出してはったやつも示されてて、ここまで元の案から随分さっきおっしゃったお米の屋さんの話であるとか、内容に関しても部局に意見して、ここまで変えてきましたんで、一定、我々の意見というか、は、反映された形になっているのかなと思うので、今から委員会、で、まああの、まだ会期あるやんかっていうことなんですけど、今ここでいきなり委員会って言うんやったら、もうちょっとみんな議会なんで、日程の調整とか、これ絶対委員会いるやんかっていう話をしないと、いきなりここで言って、各会派もそれぞれここ来る前に中でこれどうするかって考えても来ているのに、そこいきなりここで言われても、考え固まった中で来て、我々の考えを表明しているので、ちょっとそこは唐突というか、じゃないかなと思うんで、我々としては一定ここまで制度も改善されて、この形で進めていくというふうに意思決定をして臨ませていただいているので、先ほどの判断をさせていただいたということです。

◇委員長
公明さんどうですか。

◆公明
委員会付託しないということについては、会派で検討して決めたことであります。今、原田幹事長から言われましたので、うちの会派としての見解でありますけど、174億円の政府から臨時交付金が出まして、代表質問でも一日も早く補正予算を組むべきだということを言わせていただきました。これまでも、事業者に対する支援でありますとか、子育て世代に対する支援も言ってまいりました。このお米のことが出たときには、うちの会派でもいろんな意見がございまして、例えば地域のお米、米穀店に対してはどうなのかでありますとか、お米が苦手な方も少数いらっしゃいますので、アレルギー対応はどうしていくのかということで、各担当部局とこれまで意見交換をさせていただきまして、その中で一定このやり方、デジタルについては、今回の各派の質疑でも明らかになりましたけれども、まずはデジタルで行うということと、お米以外の食品、レトルト食品であるとか、日持ちのする食品であるとか、離乳食等でも対応すると。また、デジタルクーポンを使って府内の米穀店の小売店でも小分けにして交換することも可能であるとか、そういったことをヒアリングできておりますので、それで判断をいたしました。以上です。

◇委員長
原田委員。

◇原田委員
すいません。お言葉を返すようで恐縮なんですけれども、この間、要望をしてきて内容が変わってきたので、それで是とするというお話ですけれども、裏を返せばですね、本当に二転三転してきているわけです。今回も要望が本当に反映されているのかというところがあって。例えば今回、地元のお米屋さんだけではなくてコンビニであったりとか大型スーパーもこのデジタルお米クーポンの対象店舗になるということで、本当にそういう地元の事業者さんを守ることにつながるのかと言われたら疑問符がつきます。というような懸念点。全然議会で議論できていないんですよ、現状。今回、初めてこの議会運営委員会で委員会付託どうするかというのを聞かれる場がここですから、このオープンな場で議論すべきだと私は思っていますし、そんなクローズの場で調整するんじゃなくて、しかも当然のように委員会付託していただけるものだと思っておりましたので、ちょっとそのクローズの場で、密室で調整せえというのはちょっと理解できないです。

◆維新
密室で調整せえと言ってるんじゃなくて、決めんのここやけど、それぞれの会派の中で、ここに来るまでに会派の中をちゃんと意見を統一せなあきませんやん。ここでいきなりポンと言われて、中で話し合ってきてんのに。じゃあ、原田幹長が委員会付託するっていきなり聞いて、うちの会派の中はもう幹事会とか団総(議員団総会)の中で(委員会付託は)もうないっていう話になっているんやから、ここでいきなり言われて、じゃあ密室でとか水面下でとかって、別にそこで決めるんじゃなくて、いや、そういう打診というか、そういう意図が、お考えがあるっていうのが、事前に聞いてたらこういう自民党さんから意見がありますけど、どうしますかっていう話もできるけど、いきなりここで言っても、なかなかそれって話は難しいですよねって。だから、議論はここでしたらいいんですよ。いいんだけど、意思決定過程というか、段階踏んでくるから、今からそこに戻れと言われても、なかなか難しいですよねっていう。と、僕は言ってて。ここで言って、なかなかそこの委員会の日程とか調整って、恐らく会期はあるかもしれんけど、皆さん理事者もおられるわけで、議員の皆さんも。そこってちょっと違うのかなっていう…。

◇原田委員
今の本質的な議論ではなくてですね。もうすでにそもそも委員会付託しないということが決まった後で、我々も今質問させていただいてますので、だから、なぜ委員会付託をしないのかと。維新さんはだから事前に我々から言っていれば何か変わっていたというようなお答えでしたけれども、結論としては委員会付託をせずにこのまま採決をするということを決められているという状況なので、なぜしないのかということを教えてほしいといったことに対して、我々の意見が反映されてきたから、これ以上委員会に負託する必要がないという答えでしたけれども、繰り返しになりますけれども、我々がしてきた要望が今回十分に反映されているのかというところが、まだ議論が尽くされていないというふうに思っておりますので、その答えは違うのかなというふうに思っております。委員会付託されないのは本当に残念でありますし、このような議会で本当にいいのかというふうに改めて感じました。以上です。

◇委員長
それでは他にありませんか。議会運営委員会は、これをもって閉会いたします。

 

 

 

  2022年12月15日(木)12:00~吉村洋文知事 囲み会見より

囲み会見の動画はこちら

お米を配るのは選挙対策?

23:17~
◇記者

フランス**です。2問お伺いいたします。一つ目は2年前に松井一郎大阪市長、当時、日本維新の会代表ですけども、プレミアム商品券について経済対策ではなく選挙対策でしょうねと発言されてますけども、お米を配るのは選挙対策ではないのかということと、二点目が万博まで1年3か月。会場整備事業費が1,850億円が上限にして、入札がずっと失敗していますけれども、1,850億円以上いくことはないのかということを、以上二点伺えればと思います。

◆吉村知事

まず臨時交付金の施策として、子育て支援として実際に実行したいと思います。それから万博については1,850億円、この予算の範囲内で収めたいと思います。以上です。

 

 

 

 

知事会見では議会運営委員会で起こっていたことは話題にも上らず、続く本会議では、議会運営で決定した通りに粛々と「委員会の付託を省略する」ということが決定していきます。

 

  2022年12月15日(木)13:00~大阪府議会 本会議より 委員会付託の採決

府議会の動画はこちら

第36号が、お米関連を含む補正予算の議案です。

委員会付託を省略する=委員会での議論をしない

◇議長
お諮りいたします。日程第一の議案のうち、ただいま議決いたしました。第62号議案及び議決不要の報告9件を除く、議案第36号から第61号まで、第63号及び第64号の28件は、会議規則第37条第三項の規定により委員会の付託を省略することにご意義ありませんか。

(意義なしの声と共に別の声)

◇議長
ご意義がありますので、起立により採決いたします。ただいまの議長発議のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。

(維新と公明が起立し、起立多数)

◇議長
起立多数であります。よって以上の議案28件は委員会の付託を省略することに決定いたしました。お諮りいたします。本日はこれをもって散会し、12月20日午後1時より会議を開きたいと思います。これにご意義ありませんか。

 

(異議なしの声)

 

◇議長

ご意義なしと認め、そのように決定いたします。12月20日の議事日程は当日配布いたしますのでご了承願います。本日はこれをもって散会いたします。

 

このようにして、委員会での議論(委員会付託)はしないという決定がなされました。

 

 

 

  2022年12月16日(木)大阪府議のツイートより

 

 

 

 

 

次回は、12/20の本会議での各派の言い分や、予算案可決後の吉村知事の会見を書き起こします。