11月25日、大阪府の吉村知事は、府内の全ての子どもたちに一人当たり10キロ相当のお米を送ると言い出しました。約80億円とされる財源は、国の地方創生臨時交付金です。国が出してくれるお金の使い方として、大阪の府議会ではどのような議論があったのでしょうか。会見や議会の動画から関連部分を書き起こしていきます。

 

書き起こしはとても長いので、数回に分けて投稿していきます。

 

  2022年11月25日(金) 吉村知事のツイート

 

会見(後述)では「約130万人」としていた対象者数が、ツイートでは「約140万人」に変化しています。

 

  2022年11月25日(金) の報道

 

 

 

 

 

それでは、これらの記事の元になった、11/25の府議会 議会運営委員会での関連発言と、記者会見の内容を書き起こしていきます。

 

  2022年11月25日(金) 大阪府議会 議会運営委員会より

※大阪府議会の録画はこちら。お米関連の発言のみをピックアップしています。

お米支援について、11/25の府議会議運での発言はこれのみ

◆吉村知事

なお、予算案についてはこのほかに、子どもの支援のためにお米購入などの食料支援について検討中であり、事業費の精査ができ次第、提出させていただきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

 

  2022年11月25日(金) 吉村洋文大阪府知事 囲み会見より

※囲み会見の録画はこちら。お米関連の質問のみをピックアップしています。

子どもはごはんをよく食べるのでお米を送ります

18:56~
◆吉村知事
次です。大阪のすべての子どもたちに、子ども一人当たり10キロ相当のお米をお送りをします。すべての子どもです。所得制限もしません。子どもの人数制限もしません。大阪にいる子どもすべてに対して一人当たりお米10キロ相当をお送りするということを行います。これについてですけれども、やはりその物価高騰、中でも食料費が非常に上がっている。そして子育て世帯というのはどうしてもこの食料費、非常に負担が大きいということになります。子育て世帯の食料費、食費等を支援する、家計負担が非常に大きいですから、そこを支援していくということです。また、子ども自身は直接何か働いて生産するということはその時点ではないですから、将来の当然生産者にはなるんですけれども、その時点ではお子さん、また成長期にありますから、ごはんをよく食べるという中で、子ども、大阪の子どもたちを支援して子育て世帯を支援していきたいというふうに思っております。
概要ですけれども、18歳以下の府内の大阪府民の子どもたち全てを対象にします。米だけではなくて食糧品も含めていきたいと思いますが、これは中身についてはこれからの検討です。対象者ですけれども、令和5年4月1日時点で18歳以下の府内の在住者、これを全てを対象にします。高校生以下ということになります。配布方法ですけれども、対象者からの申請に基づいて対応していくという方式を取りたいというふうに思います。3月上旬頃から配布を開始をいたします。する予定です。これにつきまして、今日の議会運営委員会で方向性について発言をさせていただきました。今、事業の精査中ですので、この12月2日の議会が始まる前に精査をして、議案として上程をさせていただきたい。そこで議会のご審議を経た上で、もし承認を得られれば進めてまいりたいと思います。私からは以上です。

 

子育て世帯に絞る狙い

21:13~
◇記者A
**テレビの**です。お米10キロ相当の件についてお伺いします。物価高騰の影響でいくと、子どもがいる世帯だけには影響は限らないと思うんですけれども、改めて子どもがいる世帯に絞る狙いを教えてください。

◆吉村知事
とりわけ子どもがいる世帯、子育て世帯は、この食費が多くかかる傾向にあります。子どもはご飯をよく食べますし、若い世代で、その中でやっぱり食費の、食費高騰、材料費高騰の影響を受けてる世代でもあるというふうに思っています。ただ、これは貧困対策ではないということにはなると思います。生活困窮者に対して支援するというのは、国がいわゆる住民税非課税世帯に5万円の支給をするということになります。もちろんこの中で全ての子どもですから、一人家庭で家庭が厳しいところもあると思いますし、そうじゃない家計のところもあると思います。ただ、いずれにしても、やっぱり子どもを育てていく中で非常に食費というのはかかる。そして物価高騰の影響を受けているわけなので、ここは所得制限もすることなく、その子どもたちに一人当たり10キロ相当の米を送ると。子育て世帯支援というのがこの制度の方針です。

 

「胎児」も含めた現物支給に拘る吉村知事

31:50~
◇記者B

お米のことについて確認なんですけれども、これ米10キロ相当(食料品も)というのは、米10キロ、プラス食料品ということなんですか。

◆吉村知事

いや違います。基本的には子ども一人あたり米10キロ相当分を送るということになります。基本的にはネットで申請をしてもらうことになると思いますので、いろんな商品であったり、無洗米であったりというのがそこには出てくるということになりますので、基本的にはやっぱりお米です。これがベースになります。どうしてもお米を食べれなかったり、お米じゃないというような方も出てくると思いますから、そういった方に合わせて、お米以外の食料について日持ちするものになると思いますけれども、それについて10キロ相当分ぐらいの費用になる分を作っていくという別の選択肢に一応、補助的には作っておくということができます。基本的にはお米を準備しようというふうに思っています。

◇記者B

これでも現物支給で、券とかそういうものではないという…。

◆吉村知事

券ではありません。現物支給になります。だから、ネットで申請をしてもらったら、ご自宅まで配送するという形になります。そして、胎児をどうするのかということも出てくると思うので、胎児は対象に入れたいと思っています。胎児は対象に入れる予定にしています。今、大阪府内で妊娠中のお母さんについては対象にします。その時はやっぱりじゃあ、どうやって身分証明、子どものまだ健康保険証もマイナンバーも証明するものないよねということですけど、そこは母子健康手帳か何かで証明できるものっていうのはちょっと考案しますけれども、胎児も対象にしたいというふうに思います。

◇記者B

これ、この米10キロというか、額にしたらどれくらい相当と…。

◆吉村知事

額にすると5,000円相当なります。大体5キロで2,000円ちょっとですから。スーパーで米買ったことないんじゃない。

◇記者B

いえいえ。

◆吉村知事

ある?大体5キロのサイズ2,000円ちょっとぐらいかなと。もちろん品種によってちょっと違ったりします。多分2,000円ちょっとぐらい。大体10キロ相当でいくと5,000円ぐらいになってます。予算とすればですね。なので、あとはおそらくは5キロのやつ。だから、2パックになるパターンが多いのかな。ちょっとここはこれから事業者公募しますから分からないですけど、基本的にはお米一人あたり10キロ送付。これがベースです。
 

 

パチンコ代や遊興費に使われないように

34:45~
◇記者C
読売テレビの**です。物価高騰でいうと、苦しんでる方が子育て世帯以外にもいらっしゃる中で、なんでお米で、なんで食料品なんか…。

◆吉村知事
まずとりわけ、とりわけというか、やっぱりエネルギーと食料品の価格が高騰しているということが背景にあります。エネルギーについては年明けから国もエネルギー、全国民対象の支援をするというふうに報じられています。食料品が価格が高騰しているときに、やはりどこが一番影響が受けるのかなというと、子育て世帯、非常に食費がかかりますから、そういった意味で、そこを、子育て世帯を支援したいという視点です。ですので、もちろんその中には生活的に厳しい環境で子どもを育てている世帯もあるだろうし、いろんなヤングケアラーの世帯だとか、いろんな世帯があるとは思いますけど、そういった意味で、生活に厳しい状況になっている中で子育てしている世帯も含むし、そうじゃない世帯も、子どもがいる世帯は全てを対象にする。食費が子育て世代多くかかるというようなことが一つの理由です。もちろん全大阪府民にできればいいんでしょうけれども、なかなかやっぱりまず財源確保という問題も当然ありますし、僕らぐらいの年代なってきたら、もう昔みたいにご飯も食わへんようになってきたし、これから育っていく、育って成長していく子どもたちに食料を届けよう。そういうことです。食材が上がっている中で届けましょう。そういうことです。
 
(中略)

41:44~
◇記者C
お米の話に行ったり来たりで恐縮なんですけど、配布するものの品目をこちら側でグリップしてしまう。例えばアレルギーとかで、あるとちょっと選びづらいなっていう声を実際に今日ちょっと路上に出てみると言っている人もいらっしゃって、やっぱり**現金でと根強くおっしゃる方もいらっしゃるんですけど、その辺りについてはどういう…。

◆吉村知事
お米だけに限らずですね、他のお米をアレルギーで食べられない方については他の食料品も準備をします。そういう選択をします。その現金では、これは子どもの子育て支援の食料費支援になります。パチンコ代とか遊興費ににならないようにですね、現金使い勝手いいのは分かりますけれども、子どもたちの食費を支援したい、そういう思いです。

 

130万人分のおこめ券は難しい

49:12~
◇記者D

朝日新聞の*といいます。お米の配布のところなんですけど、その現金だと遊興費になる可能性があるというふうに知事おっしゃってまして、細かいとこなんですけど、それだと、例えばクーポンとか商品券とかであれば、使途が**確保されて、遊興費に、現金に比べるとなりづらいのかなと思うんですけど、その点の踏まえてなんでお米なのか、もう一回伺いたいと…。

◆吉村知事

おこめ券も実は考えたんですけれども、やっぱり印刷等の関係で、なかなか実際は難しいと。この事業自体が交付金を活用した事業になります。国の交付金というのは年度内に執行するというのを条件と基本的にしてますので、継続的な事業とかそういうものには使えないというまず大前提の縛りがあります。つまり年度内に使い切ると。基本的に、というのが基本スキームになった交付金。これは全国共通です。の中で考えて判断して実行せよというのが命題になります。そそのこと自体が若干おかしいんじゃないかと僕は思うんですけど、ちょっと置いておいて、そういった前提なので、であるならば、おこめ券というのも当然考えたわけですけれども、そこはなかなか物理的に、大阪府内のすべての子どもっていうのは130万人いますから、130万人分のおこめ券は難しいということになりました。ギフトカードについては前回やっているところです。今回はやっぱり食料費が上がってきている中で、やっぱり食費を支援する。子どもたちがいろんな家庭がありますけれども、やっぱりこのお米を食べるのも、どんどん食べて成長してもらいたい、にはいろんな家庭もあると思いますけど、非常に子育て費用は、子育ては特に食品もお金がかかります。お金がかかるところに、子どもはよく食べますから、食料もかかる中でですね、やっぱり食費が物価高で高騰しているとなれば、その食費を**支援していきたいということです。じゃあ、食料だったら何でもいいんじゃないですかって、その通りなんですけれども、日持ちがしてですね、みんなが基本的によく食べるものといえば、お米だということで、この秋ぐらいから検討を、アンダーでは検討を進めてきた事業です。なので、ただ先あった通り、実はお米といってもやっぱりいろんなアレルギーなんかで食べない人もいるよね、ということもあるので、それ以外で日持ちするものを何らか選べるようには、選べるようにしていきます。お米の種類もできるだけ選べるようにするっていうのが重要な趣旨です。なので、前回のいわゆるギフトカードの時とちょっと趣旨が違って、食料費高の中での所得、子育て世帯はどうしても食費が多くかかるという中で、子どもを支援したい。しようという事業になります。貧困対策ではないですけれども、貧困世帯になる子どもたちは当然、一人親家庭で厳しい家庭のことも多いし、そういったところを支援していきたいし、あまり子どもにおいては、できるだけ所得制限とかせずに、子どもはみな結構食べますから、食費が上がっているのは事実ですね。であるならそこを支援をしていこうということです。じゃあ、いやいやもっと困窮者を支援すべきじゃないかという意見も当然あると思うんですけど、そこについては、やっぱり住民税非課税世帯の方への5万円の支給というのは、この秋すでに国によって実行されるということになります。また住民税非課税世帯というのは70%以上が高齢者世帯になります。僕もそこまでご飯も食わなくなりましたけれども、やっぱりよく食べる世帯、成長していく世帯というのはやっぱり子供の時代なんですよ。いま物価高の中で、子育て世帯を支援する。そういう趣旨です。生活困窮者への支援については、国がしているところを着実に残すという観点です。その子どもがいる生活困窮者の世帯も含めて、これでも支援をしていくということです。

 

130万人分の大阪もんも難しい

53:45~
◇記者E

**と申します。お米が**という話がありますけれども、地産地消の観点でも、大阪産のお米を配布するとかそういったご予定とかありますでしょうか。

◆吉村知事

それだけじゃ足りないんじゃないですかね。130万人で10キロ相当ですから、なかなか確保が難しいだろうと思います。これ事業においては大阪もんというのはアイデアに一時期あったんですけどね。大阪もんといっても、やっぱりなかなかそういった数の確保というのは簡単にはいきませんから。もちろん大阪の地産地消もぜひ選んでもらいたいと思いますし、大阪のお米も確保できるようならしっかり確保をしていきたい、そう思います。そこだけでは多分足らないので、そこは事業者の提案ということになると思います。大阪に多分限定したら、恐らく需要と供給でバランスとして難しくなると…。

 

 

 

この会見の内容が記事になるとどうなるのか。改めてご覧ください。

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その後、お米10キロ現物支給の話は、二転三転していきます。

 

次回に続きます。