前回の記事で、ティナの口の中に潰瘍性口内炎ができ、摘出手術をした話を書きました。
実は、今年、口の中以外にも腫瘤が出来て『凍結療法』で治療したので、今回はその話を。
話は3月に遡りますが、マズルにヒゲの生え際にしては被毛の流れがおかしい場所が一箇所あることに気付き、毛をかき分けてみると・・・
直径3mm程の腫瘤が出来ていました!
色が黒いのでメラノーマではないかと心配し、すぐに病院へ
腫瘤が皮膚の表面にあるので、針生検が可能とのこと。
ですが、ティナはマズルが短く、場所が目に近いので、採取時にティナが怖がって動くと目に針が刺さる危険性があり、細心の注意が必要。
また無事に採れたとしても、必ずしも診断に有益な細胞であるとは限らないとのこと。
念の為、細胞は2箇所取ることに。
最も安全に採取するにはどの角度から針を刺したら良いかなど、念入りにシミュレーション。
そして、ティナに「先生が終わったよと言うまでは絶対に動かないでね」とお願いして、採取開始。
ティナも先生の話を聞いて内容を理解した様で、目に針が刺さらない様にじーっと動かずに頑張ってくれました。
無事に2箇所から細胞を採取!
ティナ、本当によく頑張りました!!
先生が顕微鏡で見た所、悪いものでは無さそうとのこと。
メラニンが含まれていないのでメラノーマの可能性は低いと思われるが、メラニンが認められない場合でもメラノーマであることも
念の為、さらに詳しい病理診断を外注。
結果は、『皮脂腺腫』。
悪性では無かったので、腫瘤を採ってしまえば大丈夫とのことでしたホッ
今回、皮膚の表面に出来ている腫瘤なので、麻酔を使わない『凍結療法』で治療できるとのこと。
治療のやり方は、非常に簡単で、腫瘤にスプレーをかけるだけ。
凍結させて腫瘤を壊死させるのだそうです。
夫が昔、首に出来たイボを皮膚科で凍結療法した時、「かなり痛かった!」と言っていたのを思い出し、「痛くないのですか?」と先生に質問した所、冷たいを痛いと感じる子もいますとのこと。
悪性ではなかったし、今の所、直径3mmと小さく、ティナも全く腫瘤を気にしていないので、腫瘤がこれ以上大きくならないのであれば、もう少し様子を見る選択もあるのかな?と思ったのですが・・・
先生が「一応、参考までにですが・・・」とティナと同じ皮脂腺腫が顔に2箇所出来た患者さんの写真を見せて下さり、「この患者さんですが、ご家族がもう少し様子を見てみますと言った後、しばらくして腫瘤が破れて出血してしまい、完治までに時間がかかってしまいました」
腫瘍が破れた写真、痛々しい
ティナと同じ位の大きさの腫瘤は、破れる前だったので、凍結療法2回で完治したそうです。
治療を受けた後の写真を見ると、腫瘤があったとは思えないほ程、綺麗な皮膚の状態に戻っていました。
腫瘤が破れる前に治療することに決めました!
スプレーが目に入ったりしないのかな?と心配していたら、専用のカップ(じょうご)を腫瘤に当てて、その中にスプレーのノズルを入れ、シューっと集中攻撃。
あっという間に終わるので、ティナも怖がらずにじっとしており、痛がる様子もありませんでした。
専用カップ(じょうご)を外すと、スプレーをかけた腫瘤の所が白く凍っており、徐々に溶けていきました。
ティナの場合、腫瘤が小さいのでスプレー1回、あるいは2回で完治するだろうとのこと。
1週間後に再診
黒い腫瘤の表面が白っぽくなっており、先生が壊死した部分を取ってくれました。
が、被毛が付着しているので、タンポポの綿毛の様にティナの毛は抜けて行き・・・腫瘤があった場所は、綿毛が全部飛び去った後のタンポポ状態。
見事にハゲてしまいました
でも周辺の毛が長いので、良い感じにハゲをかくしてくれました
まだ少し腫瘤の生き残りがあったので、もう一度スプレー。
2回で完治しました
治療の為に抜けた毛も、今は元通り生えて、再発もしていません。
麻酔のリスクを気にせずに、痛みの少ない凍結治療で無事に腫瘤を退治できたことに感謝!
動物さんたちが安全に、怖がらずに治療を受けられる医療技術が、もっと増えてくれると良いなぁと思う今日この頃です。
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※いつも記事をPCで作成しているので、スマホで見ると写真や文字の配置が崩れて読みにくくなっているかもしれません。すみませんm(_ _)m