桜から葉桜へ…
日毎に春めく宵のひと時は歌舞伎町の隠れ家アワ・ピープルでお過ごし下さいませ!
4月中ご来店の平成生まれのお客様はオールタイム半額チャージにて承りますo(^-^)o
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…週間アワーピープル通信
花冷えの街路を濡らし桜を散らせる雨が降り注ぐごとに「さぁ行こう!」と太陽の腕を掴み、ぐいぐいと気温を牽引していく。
寒暖がぎこちなくせめぎ合うこの頃のそんな様子が、私は堪らなく好きである。
冬外套の陰鬱とスプリング・コートの健気な花を思わせる色相とが睨み合うように部屋に混然として、主である私は揶揄する者もなき鏡の前で、独り存分に袖を通しては脱ぎ捨て、また眺めるを繰り返し無為の時間を費やす…
『人は女に生まれるのではない、女になるのだ』
女性論の旗手ボーボワール女史のそんな言葉がふと胸をかすめる。
私のうちに一貫したフェミニズム論全般への懐疑や嫌悪の起源の根は一言に言えば、それらの発生した時代と現在の自分の周辺環境との差違にあるのだろう。
たとえばボーボワールの生きた時代のフランスは、婦人参政権がようやく制定され、産児制限が民衆の怒号と女性の快哉の下に解禁された旧態の渦中にあった。
女性が本来持っているとされる特徴の全ては、社会から後天的に押し付けられたものに過ぎないという、著者『第二の性』の基本概念は彼女自身の経験に基づく、極めて個人的な怨嗟によって展開していく。
章を重ねるごとにボーボワールの舌鋒は苛烈に加熱し、婚姻は男に隷属することだけが女の人生の命題であるという社会通念の最大の惨めな軛であるという示唆を、自らが婚姻否定を実践することで具現化した彼女は、一躍フランスにおける一時代の寵児となる。
かつて進歩的知識人の間に憧憬されたサルトルとボーボワールの男女平等の神話的パラダイムは、おそらく今の男女に再び敷衍される需要は無いだろう。
二人の巻き起こした旋風は、日本にも戦前までは至極当然に受け取られていた家父長制度に基づく婚姻の在り方が個体である個人の恋愛の帰着点でなければならなかった時代にこそ開花した反権威的情緒に他ならないからである。
事実婚を実践する哲学の巨人と女性解放運動の先駆者である二人が来日したのは、ビートルズ来日と同年の1966年である。
日本はベトナム戦争反対と学内の閉塞的悪徳に向けられた学生の怒りの咆哮が導火線となり紛糾の焔が全国に波及した頃である。
ボーボワールを愛読したジャニス・ジョップリンは、その頃既に後戻りの出来ない道のりの起点に立っていた。
ジャニスはその3年後にタバコの釣銭の5セント硬貨を握りしめたまま精神的縊死のごとく命を落とし、ボーボワールはサルトルの老醜を著書にあまねく書き連ね、最後の恋人であったアメリカ人作家オルグレンから贈られた指輪をしたままサルトルの横に葬られた。
ボーボワールやジャニスの卓抜なる発露は、各々の支持者に紛れも無い至福を与えた。
愛する男の子を孕み産み育てる営みを知ることなく生涯を終えた代償が、世界を席巻する栄光と喝采のうちにあったことを、彼女らの魂が承服していたか否かは永遠の謎であるφ(.. )
新宿区歌舞伎町2-23-7 プチプラザ204
アワーピープル 片倉由紀