気になる道のその先に | 転がるタイヤのように

転がるタイヤのように

サブタイトルを考える余裕がない

今日は、どこに行こうかと家を出て走りながら、考える。

リフレッシュしたいから、自然の多いところにしようと決めたものの具体的に行き先が決まらないまま走る。

ふと、以前クロスバイクで行った大雨の影響による土砂崩れで通れなくなっていた道を思い出した。

思い出したら、どれぐらい修理されたのかが気になる。

今日のコースは、決定された。

一級河川を北上していく。

だんだん民家がなくなる。

古い小さなトンネルにさしかかる。

中に入ると、ヒヤッとした。

なんか不気味…と思いながら、トンネルを抜けると、視界の全てが道以外緑だった。


横を見ると川がとうとうと流れている。

世界が、ゆっくり動いているのを感じる。

そのまま走ると集落が現れては、消えていく。

そして、目的地に近づく。

舗装されているはずなのに、ガタガタの道を走る。

前もこんなんだったなと思い出す。

そして、目的地に着いた。

何も変わっていなかった。

素人目には、修理が行われていないのではないかと思えるくらいに…。

草木だけが前より繁茂していた。

この道を生活のために使う人は、多くいるだろうに。

事情があるにせよ、ここまで変わらないものかと思った。

そのまま引き返す。

少し走ると前から自転車に乗ったおじさんが手を上げながら近づいてくる。

何か言っているので、止まって挨拶をする。

おじさんは、挨拶を返してきて、こう聞いてきた。

「この先は、通り抜けれるようになってた?」

改めておじさんを見ると、シティサイクルである。

近所の人かなと思ったけど、質問の内容から判断すると自分と同じように遠くから来ているようだった。

とりあえず、通れないことを伝えた。

「そうか。前もダメだったしなぁ。今回は、あなたが、向こうからさーっと来たからもしかしたらと思ったんだけどな。」

おじさんは、残念そうに答える。

朝の6時台にそんなことを確認するために、シティサイクルで市街から、10キロ走ってくるのはなんでだろうと疑問に思うが、こちらも時間がなかったので、挨拶をして分かれた。

帰り道、自分と同じことを気にしている人に出会えてなんとなく嬉しかった。

大きな災害からは、何年も経ったけど、まだまだ元通りにすらなっていなかった。

あの道を使っている人は、どうしているんだろうか。

あの道を管理している人は、どうするつもりなのだろうか。

いや、そんなことは僕が考えることではない。

あの道を僕は、どうしたいのかが大切なのだと思いながら、結局、他人事なんだよなと認識する。

道が直っていないことを批判はするけど、どうする気もないんだ。

ちょっと情けない。

また、少し経ったら行ってみようと思う。

そのときは、少し直っていたらいいなと思う。

そして、あのおじさんと、少し進めるようになったねって喜びを分かち合おう。