1996年の「サクラ大戦」ゲーム主題歌。
ゲーム発売前からプロモーション用の映像に使われた。
ゲームの発売は9/27、CDの発売はシングル・アルバム共に12/18。
サクラソングとしては最初にして例外とも言える、独自の特徴を多く持っている。
特徴
ブラスロックに弦楽パートが加わった編成。歌メロディはAメロとサビだけ、というシンプルな構成になっている。
調性はAメロがホ短調、サビで平行調であるト長調に転調する。ホ短調は「弦楽器が伸びやかに響くのでバイオリン協奏曲などに向く、また悲壮感があるのでクラシックではロマン派が好んで使った」という性質。ト長調は「明るく力強い調で、活気があり快活さを保つ」という性質がある。
テンポは143~144BPMで、イントロを過ぎると少し遅くなるという「揺れ」がある。大多数のサクラソングは正確なガイドリズムに合わせて作られているが、この曲は例外的に、指揮でリズムを取る形で録音されたと思われる。
ボーカルの音域はA4~D5。真宮寺さくら役の横山智佐さんの、裏声を使わない音域に合わせている。
イントロのスケールが独特である。
イントロ
非常に印象的なイントロ。最初のフレーズはホールトーン(全音音階)になっていて、和音もそれぞれの音に別々に割り当てられている。
ホールトーンは日本初のTVアニメ「鉄腕アトム」のイントロに使用されているが、サクラ大戦のゲームはTVアニメ風の作りになっているため、この使い方も鉄腕アトムへのオマージュと思われる。
またこのイントロは普通の2拍3連ではなく、付点四分音符が4回続く。このため小節の区切りと音の区切りが合わない独特なシンコペーションになっている。(この事を知らずに採譜するのは難しいため、作曲者が監修していない市販の楽譜や演奏動画などでは、間違っている事の方が多い)
間奏
1940年のヒット曲「蘇州夜曲」から、メロディが二小節引用されている。
その後、疾走感のあるギターソロが入る。
楽器編成
ドラム・エレキベース・エレキギター・弦楽パート(区別しづらいが、バイオリン・ビオラ・チェロか)・トランペット・トロンボーン・ピアノ(エレピ)・シンセサイザー・女声コーラス。間奏にはマンドリン・ウッドブロック・マラカスも使われる。
シンセサイザーはイントロの終わりに効果音として入るだけで、メロディには使われていない。
ディストーションの効いたエレキギターが全編に使われている。このロックギターは帝都の歌では『南風GOGO』で使用された後は2003年のロックミュージカル仕立てのスーパー歌謡ショウ「新西遊記」まで使われていない。
帝都の歌では古き良き日本の時代感覚が必要なので、檄帝シリーズのロックギターはむしろ例外的な使い方なのだろう。
ミュージシャン
スタジオ録音版はミュージシャン不明。シングルCDにはクレジットがなく、アルバムではシングル収録曲のミュージシャンが省かれている、という仕様のためどこにも記載がない。
唯一明確になっているのはドラム担当で、ブラスロックを得意とする岡本郭男さんである事が2011年の「田中公平 真30周年コンサート」で語られた。まるでリムショットのように張りのある音のスネア、要所に出てくるバスドラムのダブルアクションが見事、など非常にキレのある演奏が特徴。
ライブ・舞台での使用
1997年の歌謡ショウ「愛ゆえに」では生バンドでライブ演奏された。ビデオやCDに記録されたものとしては、唯一の公式ライブ使用例である。
翌年の歌謡ショウ「つばさ」からは『檄!帝国華撃団(改)』が使われたため、本曲が使われた時期は意外なほど短い。
名称と略称
「檄帝」もしくは「檄!帝」と略される。
また、ゲーム主題歌の『檄!帝国華撃団』の事を『漢字檄帝』、TVアニメ主題歌の『ゲキテイ!(檄!帝国華撃団)』の事を『カタカナ檄帝』と呼び分ける事がある。
漢字檄帝よりカタカナ檄帝の方が曲が短い。間奏が2小節少ないため。
他アーチストによるカバーによる『檄!帝国華撃団』は、実際には『ゲキテイ!(檄!帝国華撃団)』のカバーになっている事がある。例としては2014年の田中公平プロデュース「しょこたん☆カバー番外編」収録の『檄!帝国華撃団』など。
他の歌手やバンドによるカバー
ゲーム主題歌だが、アニメソングとして広まっているため、アニソンカバーアルバムにもよく使われる。
2015年2月現在、iTunesストアではカバーバージョンが(カタカナ檄帝のカバーを含めて)15種類ほど確認できる。
特徴的なものとしては以下のバージョンがある。
◎東京ブラススタイル
三拍子の檄帝、という珍しいアレンジ。ボーカルなしのインスト。東京ブラススタイルは「田中公平 真30周年コンサート」でも演奏するなど、檄帝との縁がある。
◎Escuadron de la flor (Jessica Toledo & Salome Anjari)
チリの「日本のアニメソング専門歌手」によるスペイン語バージョン。
◎航空自衛隊航空中央音楽隊による吹奏楽バージョン
「田中公平 オン・ブラス!」に収録。楽譜がCAFUAレコードより発売されている。
楽譜
檄帝関連の市販の楽譜には、以下のものがある。
ドレミ楽譜出版
帝撃歌謡ピアノ弾き語り全集
サクラ大戦/ピアノ弾き語り歌謡全集
上記二種は絶版。中古販売ではプレミアが付いている。
ヤマハミュージックメディア
コンビニのプリンターで買える楽譜。ピアノ独奏用。採譜はそれほど正確ではない。
http://www.print-gakufu.com/score/detail/68199/
KMP バンドスコア アニソンウルトラクロニクル
弦楽パートがシンセに割り当てられているが、超絶なバイオリンパートをそのまま書いてあるためキーボードで弾けるような速度ではない。要するに、ほぼ「原曲をそのまま採譜した」楽譜であり、かなり正確な採譜がなされている。
なお、KMPのスコアブックには名称の違うものが二種あるが、再版の際に名前を変えただけで中身は同じ。
ちなみにこのスコアブックは「東京ブラススタイル」のデビューCDと曲や編成がほぼ同じである。東京ブラススタイルの演奏用に採譜したが独自アレンジを行う事になって使われなかった楽譜を出版した、と思われる。
CAUFA
「田中公平 オン・ブラス!」で演奏されている吹奏楽用楽譜。
トランペットをアマチュア演奏家でも演奏できるようにするため、調が全音低いニ短調に変更されている。
http://www.cafua.com/products/detail1165.html
その他のトピック
作曲する際、広井王子氏より「青い山脈、戦隊もの」というリクエストが出され、田中公平氏がその通りに作ったというエピソードがある。
歌の収録時に、戦隊ものを意識してデンジマン主題歌風に力んで歌って爆笑された、という話が「私が愛したゲームキャラ」(横山智佐 著)にある。
ゲーム発売前からプロモーション用の映像に使われた。
ゲームの発売は9/27、CDの発売はシングル・アルバム共に12/18。
サクラソングとしては最初にして例外とも言える、独自の特徴を多く持っている。
特徴
ブラスロックに弦楽パートが加わった編成。歌メロディはAメロとサビだけ、というシンプルな構成になっている。
調性はAメロがホ短調、サビで平行調であるト長調に転調する。ホ短調は「弦楽器が伸びやかに響くのでバイオリン協奏曲などに向く、また悲壮感があるのでクラシックではロマン派が好んで使った」という性質。ト長調は「明るく力強い調で、活気があり快活さを保つ」という性質がある。
テンポは143~144BPMで、イントロを過ぎると少し遅くなるという「揺れ」がある。大多数のサクラソングは正確なガイドリズムに合わせて作られているが、この曲は例外的に、指揮でリズムを取る形で録音されたと思われる。
ボーカルの音域はA4~D5。真宮寺さくら役の横山智佐さんの、裏声を使わない音域に合わせている。
イントロのスケールが独特である。
イントロ
非常に印象的なイントロ。最初のフレーズはホールトーン(全音音階)になっていて、和音もそれぞれの音に別々に割り当てられている。
ホールトーンは日本初のTVアニメ「鉄腕アトム」のイントロに使用されているが、サクラ大戦のゲームはTVアニメ風の作りになっているため、この使い方も鉄腕アトムへのオマージュと思われる。
またこのイントロは普通の2拍3連ではなく、付点四分音符が4回続く。このため小節の区切りと音の区切りが合わない独特なシンコペーションになっている。(この事を知らずに採譜するのは難しいため、作曲者が監修していない市販の楽譜や演奏動画などでは、間違っている事の方が多い)
間奏
1940年のヒット曲「蘇州夜曲」から、メロディが二小節引用されている。
その後、疾走感のあるギターソロが入る。
楽器編成
ドラム・エレキベース・エレキギター・弦楽パート(区別しづらいが、バイオリン・ビオラ・チェロか)・トランペット・トロンボーン・ピアノ(エレピ)・シンセサイザー・女声コーラス。間奏にはマンドリン・ウッドブロック・マラカスも使われる。
シンセサイザーはイントロの終わりに効果音として入るだけで、メロディには使われていない。
ディストーションの効いたエレキギターが全編に使われている。このロックギターは帝都の歌では『南風GOGO』で使用された後は2003年のロックミュージカル仕立てのスーパー歌謡ショウ「新西遊記」まで使われていない。
帝都の歌では古き良き日本の時代感覚が必要なので、檄帝シリーズのロックギターはむしろ例外的な使い方なのだろう。
ミュージシャン
スタジオ録音版はミュージシャン不明。シングルCDにはクレジットがなく、アルバムではシングル収録曲のミュージシャンが省かれている、という仕様のためどこにも記載がない。
唯一明確になっているのはドラム担当で、ブラスロックを得意とする岡本郭男さんである事が2011年の「田中公平 真30周年コンサート」で語られた。まるでリムショットのように張りのある音のスネア、要所に出てくるバスドラムのダブルアクションが見事、など非常にキレのある演奏が特徴。
ライブ・舞台での使用
1997年の歌謡ショウ「愛ゆえに」では生バンドでライブ演奏された。ビデオやCDに記録されたものとしては、唯一の公式ライブ使用例である。
翌年の歌謡ショウ「つばさ」からは『檄!帝国華撃団(改)』が使われたため、本曲が使われた時期は意外なほど短い。
名称と略称
「檄帝」もしくは「檄!帝」と略される。
また、ゲーム主題歌の『檄!帝国華撃団』の事を『漢字檄帝』、TVアニメ主題歌の『ゲキテイ!(檄!帝国華撃団)』の事を『カタカナ檄帝』と呼び分ける事がある。
漢字檄帝よりカタカナ檄帝の方が曲が短い。間奏が2小節少ないため。
他アーチストによるカバーによる『檄!帝国華撃団』は、実際には『ゲキテイ!(檄!帝国華撃団)』のカバーになっている事がある。例としては2014年の田中公平プロデュース「しょこたん☆カバー番外編」収録の『檄!帝国華撃団』など。
他の歌手やバンドによるカバー
ゲーム主題歌だが、アニメソングとして広まっているため、アニソンカバーアルバムにもよく使われる。
2015年2月現在、iTunesストアではカバーバージョンが(カタカナ檄帝のカバーを含めて)15種類ほど確認できる。
特徴的なものとしては以下のバージョンがある。
◎東京ブラススタイル
三拍子の檄帝、という珍しいアレンジ。ボーカルなしのインスト。東京ブラススタイルは「田中公平 真30周年コンサート」でも演奏するなど、檄帝との縁がある。
◎Escuadron de la flor (Jessica Toledo & Salome Anjari)
チリの「日本のアニメソング専門歌手」によるスペイン語バージョン。
◎航空自衛隊航空中央音楽隊による吹奏楽バージョン
「田中公平 オン・ブラス!」に収録。楽譜がCAFUAレコードより発売されている。
楽譜
檄帝関連の市販の楽譜には、以下のものがある。
ドレミ楽譜出版
帝撃歌謡ピアノ弾き語り全集
サクラ大戦/ピアノ弾き語り歌謡全集
上記二種は絶版。中古販売ではプレミアが付いている。
ヤマハミュージックメディア
コンビニのプリンターで買える楽譜。ピアノ独奏用。採譜はそれほど正確ではない。
http://www.print-gakufu.com/score/detail/68199/
KMP バンドスコア アニソンウルトラクロニクル
弦楽パートがシンセに割り当てられているが、超絶なバイオリンパートをそのまま書いてあるためキーボードで弾けるような速度ではない。要するに、ほぼ「原曲をそのまま採譜した」楽譜であり、かなり正確な採譜がなされている。
なお、KMPのスコアブックには名称の違うものが二種あるが、再版の際に名前を変えただけで中身は同じ。
ちなみにこのスコアブックは「東京ブラススタイル」のデビューCDと曲や編成がほぼ同じである。東京ブラススタイルの演奏用に採譜したが独自アレンジを行う事になって使われなかった楽譜を出版した、と思われる。
CAUFA
「田中公平 オン・ブラス!」で演奏されている吹奏楽用楽譜。
トランペットをアマチュア演奏家でも演奏できるようにするため、調が全音低いニ短調に変更されている。
http://www.cafua.com/products/detail1165.html
その他のトピック
作曲する際、広井王子氏より「青い山脈、戦隊もの」というリクエストが出され、田中公平氏がその通りに作ったというエピソードがある。
歌の収録時に、戦隊ものを意識してデンジマン主題歌風に力んで歌って爆笑された、という話が「私が愛したゲームキャラ」(横山智佐 著)にある。