前回、県道327号の未成線だと思った、「軽車道」。
その道は、突然なくなった。
しかし自転車を連れてきたことにより、道場まで抜けたい、引き返すの邪魔くさいという考えが頭を支配した。
その根拠は、地図の「徒歩道」。

ケッター日記

写真中央、ガードレール脇。
これでつか、道は。
確かに、踏み跡はついている。
チャリを小脇に抱え、下ってみる。

ケッター日記

確かに、道だよ。
なれた人が歩く用の、道だよ。
チャリなんてこの道できて以来、入ってないだろうよ。
道幅は1メートルない。
一応は、歩ける。

ケッター日記

一度はあきらめかけた、難所だ。
写真中央は、道幅50センチ。
その左、崖下のちょっと白い部分は、足の踏み場だけしかない。20センチぐらい。
下は、武庫川に滑り落ちていきそうなかんじ。落ちれば大怪我はまぬがれまい。
写真一番上、わずかに見える黄色の線は、だれかがつけてくれたんだろうトラロープ。
それを頼りに、右手でつかみ左手は自転車を抱え、突破。
本当に、道場方面へ抜けてんのか?

ケッター日記

そんな道を、気づいたら25分も歩いていた。
向こう岸に時々廃線跡が見える。
途中から、何の目的もなく歩くことだけが目的と変わっていた。
そうしてたどり着いたのが、この超巨大切通しである。
右は、今までどおりの崖。
左は、恐ろしく切り立った岩。これ、本当に削ったのカナ?
ただ人が歩く道なら、ここまでする必要はない。
いよいよ、車道化計画が見えてきた。

ところが、これ以降進むのが非常に困難。とくに、チャリ同伴だと。
切通しをまっすぐ歩くと、つるつるの絶壁を降りなきゃいけない。支えはロープ一本。片手でロープ握って片手でチャリもってなんて芸当はシュワルツネッガーじゃねえんだからできない。チャリ落としたら壊れそうだ。
切通しの外側にもロープがかけられていたが、垂直の壁の下は川。これも片手では不可能だし、両手使ったってリポビタンDレベルの行為になってしまう。

断念。
撤収。

ケッター日記

再び、地形図を出してきた。
撤収したのは、現福知山線が見えていたことも考えると、一番左の赤点線の右斜め下、出っ張った部分だとおもう。
よく見れば、現福知山線の下、川下川渡れてたかどうか怪しいし、実際そこは工事現場となっていて立ち入りできなかったに違いない。
このあと道があるのか怪しいっつって撤退して、正解だった。
死にたくないしね。

再び、旧線跡の話に戻る。
前回、軽車道は「廃隧道の上を通る」といった。
地形図一番右の廃隧道と実線が交わる部分、その左部分にある広場で撮ったのが、この写真である。

ケッター日記

川の南側から、北側をのぞむ。
素敵な廃隧道が、顔を出していた。
かなり、気に入った景色である。

ケッター日記

それが、その拡大。
煉瓦で意匠されたおしゃれな隧道。大茂山隧道といったらしい。
その先に、橋はない。
もちろんかつてはあったことだろう(なかったら恐怖だわな)。
こちら側にも、橋の跡らしきものが残存する。

ケッター日記

見づらいが、コンクリの跡である。
いい景色だったので、この橋台っていうのか、跡に座ってメシを喰って、一服。

次回、ここから振り返って見える隧道からスタート、生瀬方面へ旧線跡をたどる。