前回は、福知山線旧線のトイメン、県道327号を道場から川下川あたりまでをたどった。

県道327号は、突然姿を消し、ただの車道となり、川下川沿いを上っていく。

ケッター日記

川下川ダムは、ロックフィルのなかなかこぎれいなダムである。
まあ前回の千刈に比べれば、どうしてもしょーもない感じになってしまって残念である。


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これは、前回の地図の東側。
左が道場方面。右下に武田尾の駅が見える。

川下ダム南西に、今たどってきた県道327号の端くれがみえる。
道がないのでやむなく北の道をいき、玉瀬浄水場の辺りからまた下って主要地方道33号経由でまた県道327号に入るルートを車道は走る。
つまり、道場から武田尾は、福知山線沿いにすんなり走ることができないのである。
この迂回はなかなかチャリにとってはアップダウンがあり厄介。

ところが、である。
県道327号の名称は、「切畑道場線」。
切畑は、この地図でいうと一番右のほう、東へ抜けていくぐねぐね道の先にある。シンタカこと新宝塚CCさんの前をとおり、徐々にいい感じの山道を登りながら進んでいくと、最後無理やりな急坂の後、切畑集落が現れる。
道場は、上記のように左下の黄色の道。

切畑―道場、つながってねえじゃねえかよゥ。

地図を見ても、明らかに抜け落ちている感じが見える。

地形図は、以下の通り。

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赤線でアバウトに、福知山線旧線ラインを重ねてある。
前回掲載した隧道の坑口は、どうやら一番左のものだと考える。写真を撮ったときは勝手に、真ん中の隧道の出口だなんて考えたものだが。

で、話を戻す。県道327号線である。

地形図には、グーグルの地図ではなくなってしまっている道が描かれている。
武田尾の駅から西に少し行くと、二本線で車道扱いである県道は、一本線の「軽車道」にかわる。
さらに行くと、点線である「徒歩道」にまで落ちぶれてしまう。

一度、武田尾から道場に向かって、手っ取り早くこの「道」を使っていこうと試みたことがある。
そのときの状況を、武田尾→道場方向に、紹介してみたいと思う。

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「軽車道」として描かれた区間の最初は、最近整備されたらしく綺麗な舗装路だ。
せっかくだから、俺はこの赤いコーンで封鎖された道を選ぶぜ!

と元気よく下って行った先には廃プールがあったぐらいで(これはそのうち紹介するかも)、この二つの道は結局同じところへ向かっていた。

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廃線跡をこえたところから、道はダートに変わる。
廃隧道の上を通り、北上していく。
一応、軽トラぐらいは通れそうだが、誰が通るんだろう。

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現福知山線の巨大な構造物のそばを通る。
地形図で言うと、第一武田尾トンネルの「第」の字あたりだ。

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再び、川沿いではあるが山の中、といった感じのところに入っていく。
右側は切り立った崖。やたらと落石が目立って少々怖い。
左側は武庫川に向かってまた崖。

道幅は、軽トラレベルならいけそうな幅で続いている。繰り返すが、誰が通るんやろ。
右側は、崖まで藪化している。
崖まで、といったがその平場はかなり広い。二車線が取れるぐらいである。どうもそれが道のあと、というか道を作ろうとしたあと、みたいに思えるのだ。

憶測だが、この部分は道(327号切畑道場線不通区間)を作ろうとして、何らかの理由でとりやめになったのではないか。
そして、必要な部分だけ、綺麗にされているのではないか。
最初は旧旧線跡かなんて思ったが、ここを鉄道が走っていたことは戦前の地形図から確認してもなかったようだし。

そう考えるほど、道幅と思しき平場は、広かった。
チャリでも、ちょっとしたオフロード走行気分で、楽しく走ることができた。

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ぎゃーす!

突然あらわれたガードレール。

この先、道、無し。
断崖絶壁。

次回、この未成線らしき道を、前進……できんのか?
そして、そろそろ廃線めぐりにもどらねえと。