
お馴染みチェックポイントチャーリーを突っ切ってフリードリヒ通りを直進し、Gendarmenmarktジャンダルメンマルクト広場。ベルリンで最も美しい広場だが美しい広場の一つだかなる記載をネットで見かけたので来てみた。



真ん中のギリシャ神殿風の劇場を挟み込むようにして、両サイドに同じ形の白い教会が建っている。しかしまあ二つの教会にはかなり距離があるので、広角レンズかパノラマ機能を有したカメラでも持っていない限り、広場の全景を一つのフレームに収めることは不可能。同じように人間の視界に収めることも不可能なので、正直広場というほどの統一性は感じられない印象。教会のデザイン自体は結構好きなんだけど。白基調できれいめ。せっかく双子教会なのに見比べられるほど近くにないしなあ。真ん中の劇場はベルリンオーケストラの本拠地らしい。

中入ろうかと思ったんだけど、高い!ので止めました。右側の料金表が確か10ユーロ超。教会じゃなくて別の用途で使われていたっぽいが詳細は忘れた。...と思っていたんだが、今調べると右側が2ユーロで左側が無料。10ユーロの記載超はなんだったんだ。教会なんだが展覧会が開かれていることも多いそうだから、その料金だったのかな。ちなみにお高い方がフランスドームで無料な方がドイツドームらしい。

だらだら写真撮ってたら雪降ってきた!写真撮って写り込むということは、目視の印象だとさらに増し増しで結構な積雪です。

極力アーケードの下なんぞを通りながら観光を敢行するべくがんばったのだけど、このへんでもう断念。雪が目に入って前が見えん…。ちょうど博物館島に着いたので、無理せず入ることにした。どのみち天候が悪化したら室内、って予定だったし。シュプレー川の中州に位置するこの通称博物館島は、ベルリンの主要博物館だとか美術館だとかが一堂に集まっているという、観光客にとってはうれしい場所。博物館島、なんて名称も冒険心をくすぐられます。好みを言えば美術館>博物館な自分ですが、ベルリンでは一つ選ぶなら博物館に行くと決めていた。というかペルガモン博物館に行くと決めていた。ギリシャ、ローマ、中近東あたりの古代遺跡が守備範囲の博物館です。たまたま見た博物館島の写真がちょうどぺルガモン博物館のもので、青い門をそのまま室内に再現して配置した展示方法が斬新に見えて、絶対行きたいと思っていた。しかし工事中ということもあって、看板が分かり難くて迷う迷う。雪も降る降るで頭の上に積もってって、もうあきらめてその辺の美術館に入ろうかと思った。ころ、やっと見つけた。正面入り口がちょうど工事中で、裏口みたいなところから入場。よって正面の写真はなし。日本語のオーディオガイドがついて10ユーロ。入り口でえらいイケメンの欧米男子にドアを開けてもらいつつ入場。


でか!がとりあえず第一印象。入ってすぐ、列柱と階段が真正面からででんと目に飛び込んでくる。体育館くらいの広さはありそうな横長の四角く白い部屋の、正面にでかでかと古代神殿の遺構があしらわれ、それを囲むように残った壁に沿って深い彫りのレリーフがぐるっと部屋を一周している。ペルガモンの、ゼウスの大祭壇。館名の由来にもなっている博物館一番の目玉です。ペルガモンは現在のトルコにあったヘレニズム時代の古代都市。ちなみに階段には普通に登れるし普通に座れる。そこだけ見るとローマのスペイン階段のごとくのまったり具合でみなさん思い思いに過ごしています。社会科見学の学生か、見学もせず座っておしゃべりしてる人も多い。贅沢な。

それにしても本当にでかいです。左横にかつての全体像を想像して作られた模型があるのだけど、ここに再現されているのは入り口のほんの一部らしいから驚きだ。古代遺跡って、ヨーロッパ建築って、ほんと目に余るほどでかいよな。視界に収まらない的な意味で。カメラにも収まらないから、このスケール感が写真じゃ伝わらなくて残念。こういう昔の建物そのものを、実際の遺構を使って室内に再現しちゃうのって、日本じゃなかなかないよな、とも思う。レプリカならありそうだけどな。ただまあ、古代遺跡の中を歩いている臨場感が高くなればなるほど、なんとなく感じる違和感は、ここがドイツで、室内で、この遺跡がエーゲ海のあたりからはるばる運ばれて組み立てなおされてるってこと。現地から持ち去られた遺跡や美術品は元あった国に戻すべき、なんて議論、あったりするらしいですね。最たる大某博物館も盗品博物館なんて呼ばれているそうで。でもまあ、ドイツなりイギリスなりにあったほうが、保存環境としてはいいはず、って反論にも頷く余地はあるわけで。そして観光客からしてみれば、先進国の大都市にあったほうが、アクセスしやすいと。一生行くかもわからないところにあった遺跡が、博物館ひとつ回るだけでいくつも見れてしまうのだから、恩恵を受けている立場としては批判的にはなりにくいよなあ。


壁を一周しているレリーフは、ギリシャ神話の一場面らしい巨人族と神々の戦いをモチーフにしているもの。澄ましてカッコつけてるようなポーズは一体もなく、みんな髪振り乱して戦ってる躍動感がある。一番上の写真の首なしが、何体もの浮彫彫刻群の中でおそらく一番筋肉隆々に作られているゼウス様。彼の首から先をはじめ、欠けている部分も多いのだけど、髪の毛の流れや服のひだなんかがびっくりするほど綺麗に残っていて、これが紀元前のものだとはにわかに信じがたい。二千年以上前のものがこの状態で現代まで残っているということも、二千年以上前にこれだけのクオリティのものを作り出せたのだということも。人類の歴史で一番進歩の伸びしろが少ないのは芸術分野のような気さえしてくる。昔のものとして見てすごいというよりは、今の価値観ですごい。

もちろん、破片を正確に振り分けて組み立てた労力というか執念もすごい。このあたりは発掘、調査を進めてきたドイツ人の功績なんだろうなあ。オーディオガイドがいろいろとその苦労を解説していた。

それにしても、神々の戦いってもっとこう、超自然的な力で戦う印象だったのだけど、ガチンコで物理の肉弾戦なんだな。ちょっと笑ってしまう。髪引っ張ってるし。あと女の人も普通に肉弾戦に参戦していてぎょっとするのだけど、そこは女神様だから男女の筋力差なんてものは考慮する必要もないのか。ちなみにオーディオガイドによると、上記写真の左手に見える男性は、地に足をつけていないと力が発揮できないという設定の神様だか巨人様らしく、中央の女神が髪の毛ひっつかんで空中戦に持ち込もうとしている、という場面だったはずだ。容赦ないな。


全体的になんとなーく、女子強しが目に付いたような。下の写真なんて浮気がばれた亭主にしか見えないけど。

次の部屋の遺跡もでかい!でかいのに細かい!これはローマの遺跡らしい。なんとかフレームに収めようとみんなカメラを上に掲げて写真撮ってるもんだから、ふと手を止めて周囲を見回すとちょっと面白い。普通の建物だと2階分天井をぶちぬいて作っているような縦に長い部屋で、門の正面にちょうど1階分くらいの高さのバルコニーのようなスペースがあるから、そこからもみんな写真を撮っている。


今度は実際に門をくぐって次の部屋に行く順路になっているから、つかの間のタイムスリップ感に、年甲斐もなくテンションが上がります。これが本物だっていうんだから、やっぱりしみじみとすごいよな・・・。普通に触れちゃうもんな。触らないけど。



これだ!これが見たかったんだ!と一人で盛り上がってた青い門の部屋。イシュタール門。ネットで見た写真はおそらくここでした。上薬で彩色されている瓦が、青は青でも単色じゃないのがまた美しい。視界を塞ぐ青い門に、等間隔に馬やらライオンやら空想内生物やらが並んでいるデザイン。海を渡っているみたいだ。昔からなぜか青いものに心惹かれます。食べられなそうな色だからだろうか。不自然だから特別な感じがする。ちなみにこのイシュタール門は、古代バビロンの遺跡。現在のイラクだって。そりゃあ行けないわ。一生行けないであろうところのものが10ユーロで見れるんだから、やっぱり有難いよな。

遠目で見てもすごいけど、近くで見るとこの浮彫の作成方法がいよいよもって謎だ。ばらばらの煉瓦の状態で1ピースずつ作っていったってのも大変そうだし、浮彫にする分の厚みを作っておいて、組み立てた後で削っていくっていうのも大変そうだ。途方もない作業だな。世界7大不思議とやらのリストからは外されてしまったらしいけど、充分謎である。






ギリシャ、トルコ、イラン、シリア、ヨルダン、等々、部屋を進むごとに地域も時代も変わっていって、中東系イスラム系古代遺跡系は碌な前知識の持ち合わせもない自分は、考えるな感じろで楽しむことにしました。このあたりがどストライクな元同僚が喜びそうだなーなんて思いながら、ぶっちゃけあんまりこの辺は興味なかったんだが、思わず認識を改めたほど、目新しくて心惹かれる博物館でした。ベルリンにいることを忘れてしまう。異国でまた別の異国情緒に触れるっていうのも、乙なものだ。ヨーロッパで中長期旅行中で、西欧建築に食傷ぎみ、なんて時に訪れるのもいいかも。



最後の方にあった現ヨルダンのムシャッタ宮殿の入り口。傾国の美女ならぬ傾国の宮殿らしい。あまりにも豪華すぎて財政を圧迫したんだって。これ、奪ったんじゃなくてもらったんだぞ、友情の証に、ってオーディオガイド先生は言ってた。実際のところはわからんが、アレでしょうか、友情の証に永久に借りておくとかいう、ジャイアン的な。ちなみにウィキ先生には遺跡は剥がされて国外に持ち出されたって書いてあった。

博物館を出ると、あいかわらずの寒さだけど雪は止んでいて、なんか勝った感。

こちらが工事中で閉鎖されていたペルガモン博物館の正面玄関。近くにはボーデ美術館も有。

博物館島は東ベルリンなんだな。ボーデ美術館前の橋を通り、あまり治安のよろしくなさそうな通りをしばらく直進して大通りに出ると、通り過ぎながら首だけで思わず二度見三度見してしまうような金ぴかな建物が見えた。曇天にも負けぬこの輝き。シナゴーグ、ユダヤ教の教会です。

一度は通り過ぎたものの、やっぱり気になるので戻ってしまった。というか角にあったこの黄色い建物も派手だ。おそらく劇場。

この妙な威圧感というか物々しさは、やはり先入観からくるものなのであろうか・・・。一歩踏み込む勇気が出ず、うろうろと入り口の周りをさまよい写真を撮っていると、ちょうど観光客とおぼしき出で立ちの欧米系夫婦が入場するようだったので、これ幸いと便乗。空港にあるような機械に通す形の荷物検査があって、やっぱり物々しい空気に緊張感が高まる。チケット5ユーロ、写真は禁止。ヤッパリネー。荷物検査をスルーして、奥の売店らしきところにいた愛想のないにいちゃんからチケットを買う。
自分と先に行ったご夫婦の他にも、観覧客は何人かいるし、立ち入りできたところは教徒専用の祈りの場というよりは、ユダヤ教やユダヤ人に関する展示物やパネルを含めた、もともと見物客を想定して作られたような場所だった。だけどとても静かな空間。薄い青の天井に、星の模様があしらわれた内装は、ちょっとした子供部屋のようで可愛らしくもあるのだけど、そんなチャラチャラした感想は引っ込むような厳粛な空気もある。そして当たり前だが、キリスト教会とは違う独特の雰囲気がある。しかしよくよく考えたら、ユダヤ教らしいデザインってなんだ?あの星形モチーフ以外何も知らないぞ。そもそもユダヤ教のこと自体よく知らないし、旧約聖書が聖典、割礼をはじめ厳しい戒律がある、あたりがなけなしの知識。ので、ちょっとググってみた。ウィキをななめ読みしただけだと余計分からなくなったのだけど、旧約聖書が一緒ってだけでキリスト教とはあまり関係ないのか。というか、キリスト教がユダヤ教経典を旧約聖書認定して使ってるって経緯か。ちょっと驚いたことに、イスラム教も旧約聖書の一部を経典として認定しているらしい。アダムとイブとか、ノアの方舟とか、モーセの海を割るやつとか、そのへんの有名エピソードは全部旧約聖書の話。キリスト生誕後が新約聖書。で、ユダヤ教は一言でいうと、ユダヤ人の宗教。まんまだ。そしてウィキによると、信じる者は救われる、はユダヤ教では有り得ないらしい。信じるだけじゃだめで、その教義を研究したり、決まりを実行することが重要なんだそうだ。難しい・・・。
建物の上に登れました。追加で1,2ユーロ払ったような払ってないような。相変わらずの曇天の下に広がる、どことなくどんよりとしたベルリンの街並み。他の建物から見れば、このシナゴークの金ぴかが見えるから、ちょっと派手かもな。
さて、シナゴークを出て、目指すは壁。ベルリンの壁の遺構が大体的に残っているのは、恐らく世界一有名な壁の落書きであろうイーストサイドギャラリーと、今から向かう場所。イーストサイドギャラリーが、世界中のアーティストによるウォールペイントが鑑賞できる、ちょっと観光地化された場所になっているのに対して、こっちは壁そのものの歴史を感じることができる場所になっているらしい。当時の壁が、そのままの状態で残されているのだそうだ。



というわけで、壁に向かって歩いているこの場所は、おそらく往時には東ベルリンだった部分。あんまり長々ととどまりたい空気でもなかったので、早歩きで通り過ぎたわけだが、横眼にも肌で感じる、どこか荒んだ空気。同じ都市とは思えない、というか、本当に別の国みたいだ。別の国、だったんだなあ、ほんの20年そこら前まで。個人的にドイツのイメージと言えば、ビールだのソーセージだのとWW2のあれそれを抜けば、質実剛健、整理整頓みたいな、絵に描いたようなクリーンなもの。そういうワールドジョークみたいなありがちステレオタイプって、まあ大多数がそれに納得できたり笑えたりするわけだから、そう大きく的を外したものでもないのだろうけど、当たり前ながらすべての面を代表したものではないんだよなあ、と実感。わかってはいたはずなのだけど、先進国の、それもドイツの、しかも首都で、こういう一面を目の当たりにしてしまうと、やっぱりちょっと衝撃を受けてしまう。見えてきたのは楽しい部分やきれいな部分だけじゃないけど、それもひっくるめて、ベルリンに来て良かった。日程半ばにしてすでに脳内ではまとめに入りつつ、早足で進みます。

地図ではこのあたり・・・ときょろきょろしていると、バス停に止まっていたバスが行って現れた。想像していたのと違ったけど、すぐにこれだとわかった。



整然と、というよりは雑に地面にうがたれた錆びた鉄の棒が、それでも一つのラインを作って一直線に伸びていく。剥き出しの鉄骨は、かつてコンクリートを支えていた。視線を巡らせていけば、崩された境目を見ることもできる。無機質な灰色のコンクリート。これが壁か。

高い・・・。そして、広い。いわゆるベルリンの壁とは一枚壁ではなくて、二枚の壁の間に、数十メートルの無人地帯があるという構造。この空白地帯のことは、先日のチェックポイントチャーリー近くの野外展示で知ったけど、改めてこの場所に立つと、想像していたよりはるかに広くて言葉を失う。これを見つからずに走り抜けるなんて不可能だと思った。壁の上のネズミ返しや、有刺鉄線ほど露骨な姿をしていなくても、確かにこの何もない空間は、人を閉じ込めるという目的のために設けられているのだということが実感できた。何もなくて、だだっ広くて、確かに向こうは見えるのに、絶望する距離だ。


空白地帯に立って東西を眺める。上が東ベルリン。下が西ベルリン。通り一本挟んで、建物が、雰囲気が、空気が違う。壁はないのに、壁が見える。

手前の人と比べると、壁の高さがよくわかる・・・。壁の奥に見えるガラスのバルコニーは、壁の記念館。無料で登れて、壁の全景やその奥の東ベルリンの様子が窺える。これ、壁崩壊後に作られたものじゃなくて、もともと西ベルリン市民が東ベルリンの様子を見れるように作られたものなんだって。5階くらいの高さまで登れば見通せてしまえるくらい近い、同じ街だったなのに、絶対行けない向こう側。どんな気持ちで眺めたんだろうか。しんみりとした考え事には向かない鉄の階段を、がんがん音を立てながら登ります。エレベーターもあります。


テレビ塔はどうあっても目立つな。悪い意味で。不気味だ・・・。

ちょうど社会科見学だと思しき学生さん団体と一緒になったのだが、まあ、こういう想像力を働かせる必要のある史跡で、十代のガキに神妙になれというほうが難しいか。単純に眺めの良さにはしゃいでる中高生の脇で、ひっそり物思いにふけりました。しまいにゃ、上記写真の左下に映り込む男子生徒二人にあと一人が加わって、肩車で壁によじ登ろうとするエクストリーム馬鹿っぷり。失敗して転倒。うん、君らの馬鹿行為のおかげで、壁越えがいかに大変で無謀なものだったのか、観光客にもよく理解できたよ、ありがとう。男子中高生のアホさに国境なし。
そんなあれこれを見守っていたらカメラの充電が切れた。日も暮れそうだし帰ろうか。さっきのすさんだ街並みを太陽とデッドヒートしながら早歩きしたくはないので、おとなしく西ベルリンの方から迂回して帰ることに。
宿近くの屋台でカリーヴルストを購入してホステルに無事帰還。ソーセージのカレーソース掛け。ベルリン名物。なぜカレー。片手が塞がっていたので、カギを開けるのに手間取っていると、開かないのかな、え、これ鍵、こっち回すの?と何やら女の子の話声。日本語。がちゃ、と開いたドアの隙間から覗いた黒髪ストレート女子に、先手必勝、スミマセーン、ありがとうございまーす、と話しかけると、向こうもあ、日本人、みたいな反応。スペイン語話者のおっさんがいつの間にか女の子二人になってました。聞き耳を立てずとも耳に入ってくる日本語会話から察するに、ドイツ留学中の大学生二人組。ちなみに立○館。ちなみにダーリンは外国人。女子と話すの苦手だなあ、と思ったものの、この手の女子の方もコミュ障っぽい人にわざわざ話しかける趣味は持ち合わせていないようで、気遣いは残しつつ過干渉はしない、すばらしい日本人的距離感で平和は保たれます。
しかしそんな平穏もパキスタン人おっさんの帰還で早々と破られるのであった。新参二人と当たり障りない世間話をしていたかと思えば、彼女らが日本人だとわかるや、ミッキー!このお嬢さんたち君と同じ日本人だって!と、気配を消している自分に話しかけてくる。ちなみに名前はミしか合ってない。女子二人に半笑いで目配せして、アイノウと気のない相槌をしてもマシンガントークは止まず。こっちがパソコンいじるのもお構いなしで話す話す。やっと話し終わったかと思えば、ねえミッキー、この近くのアイケア知らない?これが本題だったらしい・・・。いや知るわけないしアイケアってなにさ、と言いかけたところで気づいてしまった。IKEAか。いや知るわけないし。昨日の林檎の恩もあるのでパソコンで調べる。ベルリン IKEAで出てきたグーグル地図を指し示し、ここかここ?と言うと、近い?すぐ行ける?どれぐらい時間で?と。いや、知るかと。とりあえず最寄駅だけ調べて教える。あとは自分でなんとかしてくれ。うんざりしていると、隣のベッドからひょいと顔を出したストレートロング女子が、この人いつもこうなんですか?めんどくさー、とのたまった。はっきりしてる子好きよ。これくらいさばけてないと海外じゃ生きていけないんだろうなあ。
0時頃、パソコンいじってる自分に、セミロング女子の方が、私どっちでもいいんですけど電気消します?と聞いてくれた。「あ、どっちでもいいですけど消しときます?パソコンの明かりあるのでどっちでも」「あ、じゃあそんな感じで、お互いパソコンの明かりで」「はい、そんな感じで、お願いしまーす」と、なんとも日本人らしい会話。やっぱり日本の女の子良いな、と思いながら就寝。
すっかりみんな寝静まった頃、ミッキー、ミッキー、という声に起こされる。ミッキーじゃないんで無視していいかな。夜2時半。すまないがパキスタンのニュースを調べてくれないか、と。ただでさえ寝起きは悪いので、不機嫌オーラを振りまきながらスマホで検索する間、さすがにこの不機嫌が伝わったのか、弁解するようにごめんね、僕の携帯はネットできないんだ、パキスタンで何かあったらしいとハンガリー嫁から連絡があったんだ、と繰り返すパキスタンおっさん。知るかよ、と思いながら検索画面を見ると、デモっぽい写真。さすがに起きる。大丈夫かこれ。母国のことだもんな、そりゃ心配だよな、とちょっと反省して、はいこれとスマホを差し出す。ミッキー、文字化けが・・・。ごめん、これ日本の携帯だから・・・。写真や文字化けでない部分で察する限り、どうやら大きな事件ではないよう。パキスタン人おっさんは安心した様子で上のベッドに戻っていきました。はあ。
