相続放棄・限定承認のための「熟慮期間」が延長される可能性があります。
新聞報道によれば、現在の法律では「相続の開始を知った時から3か月」とされている期間が、5か月間だけ延長されるようです(まだ決まっていません)。
つまり、もし
(以下は日経新聞より)
『民法の規定では親らの死亡を確認してから3カ月以内に遺産を相続するか、放棄するかを決めなければならない。この期限を震災発生から3カ月にあたる6月11日から、5カ月延長して11月30日とし、相続する人に手続きなどで時間的な猶予を与える。現在期限となっている11日が迫っているため、法案成立前にさかのぼって適用できるようにする。
政府・民主党は議員立法によってこれらの特例措置を講じる。週内にも決定し、早期に法案を提出する方針だ。』
【以下は意見です】
でも、これではいかにも中途半端です。
今でもまだたくさんの方が避難所生活をしているんですから。
津波で何から何まで流された、原発事故で文字どおり着の身着のまま避難して家に戻っていないという方がたくさんいます。そもそも戸籍謄本などを交付する役所そのものの機能が大きなダメージを受けて、復旧していないとこともたくさんあります(相続放棄、限定承認、期間延長の手続は、戸籍唐本等が揃っていないくても家庭裁判所の受付はしてもらえます)
日本弁護士連合会では、1年間伸ばすように要請しています。
(文責・弁護士中川重徳)
被災者応援ニュース 【№1】 借金の相続について
被災者応援ニュース 【№1】 西戸山住宅 被災者応援法律家の会
5月21日(土)の「なんでも法律相談会」では、みなさんから、いろいろなご相談をいただきました。今後も、法律相談会や「ニュース」で被災されたみなさんに役立つ情報を発信していきます!
第一回 相続について
→ご家族が亡くなると,自動的に相続が開始します。法律では、亡くなった方を「被相続人(ひそうぞくにん)」と呼びます。
Q1 借金が残っているけど,それも相続するの?
相続では,現金,預貯金や土地などの財産・権利も,借金などの負債・義務も,どちらも相続することになります。
Q2 必ず相続しなければいけないの? 次の三つから選ぶことができます。
①単純承認 権利や義務をすべて受け継ぐ
②相続放棄 権利も義務も一切受け継がない
③限定承認 相続によって得た財産・権利の限度で被相続人の負債・義務を受継ぐ
Q3 いつまでに決めればいいの?
自分のために相続の開始があったことを知ったときから,3ヶ月の熟慮期間のうちに,単純承認・限定承認・または相続放棄をしなければなりません。この熟慮期間は伸ばすことができますが、家庭裁判所への申立が必要です。
Q4 3ヶ月はいつからカウントするの?
原則として,被相続人が死亡したことを知り,自分が相続人であることを知ったときです。しかし,財産や負債は何もないと思っていたのに,後に負債があることを知ったときは,そのときが相続の開始があったことを知ったときとされる可能性はあります。弁護士等専門家にご相談ください。
Q5 放棄や限定承認は手続が必要?
期限内に、家庭裁判所に申立をする必要があります(書面を出します)。
Q6 3ヶ月以内に何もしないとどうなるの?
3ヶ月以内に,相続放棄も,限定承認もしない場合,原則として単純承認したものとされますが,3ヶ月を過ぎてもあきらめずに弁護士会等にご相談ください。
【結論】
☆借金をひきつがないためには ⇒相続放棄(ただし、放棄するとプラスの資産をひきつぐこともできません。また、放棄には裁判所の手続が必要です)
☆資産や借金の中身がよくわからない時 ⇒熟慮期間の延長ができる(手続必要)
☆3ヶ月が過ぎている時 ⇒あきらめないで必ず弁護士等に相談。
◆ご不明の点は ご遠慮なくお電話ください。相談会で担当した弁護士に直接連絡いただいても結構です。
(連絡先) 03-5287-3750 fv7s-nkgw@asahi-net.or.jp 弁護士 中川重徳
◆弁護士会の法律相談センターでも無料相談を行っています。
○霞ヶ関法律相談センター TEL:03-3581-1511
○四谷法律相談センター TEL:03-5214-5152
