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今回はスコットランドのスペイサイド地区に

2014年に誕生した「バリンダロッホ蒸留所」について、

先日都内で開催されたセミナーに参加してきましたので、

その内容を踏まえについてご紹介いたします。

バリンダロッホ蒸留所:インポーター資料より

 

バリンダロッホ蒸留所は、2014年に誕生したクラフト(小規模)蒸留所で、

とにかく拘りが満載で、本当に良い物しか出さないという信念が伝わってくる蒸留所です。

 

まず、場所はスコットランドのスペイサイド地区のほぼ中央に位置する、バリンダロッホ城の広大な敷地内にあり、2024年時点ではスペイサイド最小の蒸留所です。

 

バリンダロッホ城の画像はこちら

 

蒸留所がお城の敷地にあると言うのも珍しいですが、実はオーナーがお城の23代目当主であるガイ・マクファーソン・グラント氏であるからです。(現在もお城に住んでいるとの事) 

ガイ・マクファーソン・グラント氏

蒸留所自体は2014年の創業で新しいのですが、

ウイスキーに関係する歴史は深いそうで、曾祖父の更に曾祖父であったジョージ氏が、同じくスペイサイドの蒸留所である「クラガンモア」の創立に関ったとの事で、

蒸留に使用されるスピリットセーフはクラガンモアから贈られたものだそうです。

それ以外にもグラント家はいくつかの蒸留所の建設に関わっているらしいとの事でした。

 

お城の敷地内のラグモアと言う農場の建物を改修し、蒸留所を建設したそうです。農場の建物を蒸留所に改築する際は、様々な規制から壁を壊せず、天井を壊してポットスチルを入れると言う、かなり大掛かりな工事を行ったそうです。

 

そして蒸留を開始てから8年間、ニューメイク(熟成前原酒)やノンエイジ品を一切出さず、2023年にようやく蒸留所限定販売でハンドフィルの8年熟成ウイスキーを発売しました。

この時点で、8年と言う期間蒸留所を維持できたのも、オーナーの財力がすごい事を想像してしまいます。

そして、本当に納得のできる良い物を出すと言う拘りが垣間見えます。

 

年間生産量は7.5万リットルととても少なく、

麦は自社製造のローリエ種で、栽培に関しては数か所ある農地を変えながら、土壌の窒素が適正になる様に管理しているそうです。

 

そして、特筆すべきは、じっくりとゆっくりと製造している点で、

麦汁はウルトラクリアウォートと言うとても澄んだ麦汁を使用し、雑味を極限まで落とし、発酵は92~140時間ととても長く、フルーティでクリアな酒質を目指し、

蒸留もポットスチルを予熱すると言う聞いた事のない方法を使用し、更に6時間以上かけてゆっくりと行い、最初の30分間の蒸留分は使用しないとの事です。

そして、ポットスチルから出た蒸気を液化する時に建物よりも大きいワームタブを使用し、冷却水は完全に温度管理を行うと言うこちらも聞いた事のない管理を行っています。

通常の蒸留所はワームタブ内の冷却水は川の水を使用しており、一気に液化しますが、こちらは銅との接触をなるべき気体の状態で長く反応させたいと言う狙いから行っている手法だそうです。

また、通常はワームタブはヘビーな酒質のウイスキーを造るのに使用されますが、こちらは温度管理を行う事で、ライトでクリアでフルーティな味わいを実現できているそうです。

 

じっくりゆっくりと液化されることで、通常スピリットセーフからはニューメイクが蛇口を捻ったように出てくるところ、こちらの蒸留所ではポタポタと本当にゆっくり出てくるそうです。

 

今回、セミナーではオーナー自らが説明をしてくれて、蒸留所でも出していないアルコール度数63.5%のニューメイクを戴きました。

香りはバナナや黄色いフルーツ、口当たりは優しく、味わいはフルーティで華やか、若干の塩気を感じました。

ニューメイクなのでそれなりに強いはずなのですが、アルコール感をあまり感じず、とても優しいニューメイクで驚きました。

 

そして、バーボン樽、シェリー樽のハイプルーフの物を戴くと、

兎に角口当たりがクリアで、極端にいうと水を飲んでいる様なスッキリさから、すぐにフルーティで華やかな味わいになりフィニッシュに向かうという不思議な感覚でした。

2024年6月販売の日本最初のボトリング数は少なくはないそうですが、

拘りに拘った結果、年間生産量が7.5万リットルとかなり少ないので、中々お目にかかれないウイスキーになりそうです、見かけたら是非飲んでみてくださいませ。