「アスリート」と聞くと、どんな人を思い浮かべますか?
スポーツにおいて優れた能力を持つ人でしょうか。では、能力が飛び抜けていなければ、アスリートと呼ぶことはできないのでしょうか。

小樽商科大学男子ラクロス部には、自立性の高い選手が多くいます。
自主的に栄養管理を行う選手、毎回トレーニング記録を欠かさない選手、自分の身体のケアを怠らない選手。
これらは私が指示して行わせていることではありません。
組織として、選手として、スタッフとして、それぞれが考えを持ち、行動に移している結果です。
やるべきことに真摯に向き合い、継続力を持って活動しています。

そんな中、私が選手やスタッフに貢献できることは何か。
正直、直接的に「教えられること」はほとんどないと思っています。
むしろ私が学ぶことの方が多いのではないか、と。

私にできるのは、選手たちが試合に臨む上でぶつかる障害を、そっと取り除くことです。
スタッフがスムーズにテーピングできるよう手助けをすること。
ウォームアップやトレーニングで考えてほしいポイントを共有すること。
そして、いずれ自分で気付くであろうことに、少しだけ早くたどり着けるようサポートすること。
それが私の役割だと思っています。

選手が自分の限界を超えて努力する姿、スタッフが選手のために真摯にテーピングの練習をする姿。
その姿を目にして、私も「やりたいこと」だけでなく「やるべきこと」にもっと時間を割こうと心に決めました。

冒頭の話に戻ります。
小樽商科大学男子ラクロス部の選手・スタッフは、間違いなく「アスリート」です。
身体能力の高さは関係ありません。
大切なのは「ラクロス」という競技に、どれだけ真剣に挑戦しているか。
挑戦すればするほど、その人の持つ影響力は大きくなり、人を巻き込み、その輪が広がっていきます。

このチームは、ラクロスだけでなく社会においても影響力を持ち、これからさらに大きく成長していくはずです。

小樽商科大学男子ラクロス部をサポートして2年目。
月日が経つごとに私の仕事は減っていき、その分だけ彼らは成長していきます。

これからも彼らを見守り、道端の小石をそっと取り除き続けたいと思います。

小樽商科大学男子ラクロス部のOBOGの皆様、ご家族の皆様、地域の皆様、そしてラクロスに関わる全ての方々。
引き続き、温かいご声援をよろしくお願いいたします。

小西達也