10月26日、資生堂とサントリーのデザイン現場のプロを招いてのセミナー「デザインのこれから」が開催されました。このセミナーはデザイン学科の学生が企画したもので、ブランドの立ち上げの苦労や、パッケージデザインの役割、デザインへの取り組み方などについて、約100人の学生や教員、一般の参加者が耳を傾けました。<神農 雄、伊藤 望、古川 知樹>


(画像:セミナー「デザインのこれから」会場の様子)

 

 10月26日、大阪芸大キャンパス内の芸術情報センター AVホールで、セミナー「デザインのこれから」が開催されました。このセミナーは、デザイン学科の学生が受講する「ハイパープロジェクト」と呼ばれる授業の一環として、永田クラスのセミナー担当学生(日野将宏さん、原田千夏子さん、石川莉愛さん、岡本優希さん、土谷亜依莉さん、前田綾音さん)が企画実施したものです。
 資生堂クリエイティブ株式会社 シニアクリエイティブディレクターの信藤洋二さんと、サントリーホールディングス株式会社 チーフデザインオフィサーの水口洋二さんを講師として招き、社会で活躍するプロフェッショナルから直接話を聞く場を、デザイン学科の学生たち自らがつくりました。


(写真:テーマについて答える信藤さんと水口さん)

 

 スキンケアブランド「BAUM」などを手掛けた信藤さんは、資生堂クリエイティブの成り立ちや歴史を中心に、実例をもとにしたデザインと美に関する話を展開。
 飲料ブランド「伊右衛門」などに関わってきた水口さんは、自身の仕事を「デザインディレクターだ」と話し、自らの理念や仕事をする上での心持ちを織り込みながら、現在取り組んでいるワークを紹介しました。

 

 続いて、テーブルを挟む形で講師の2人が座り、主催チームが事前に用意した、テーマトークを実施。「今までで一番大変だった仕事」や「作品や仕事に対してこれから大切にしていきたいモットー」など、過去と未来の話から、デザインについての向き合い方を深掘りました。

 

 講師から学生への質問企画は、講師2人が準備したクエスチョンを、会場の学生に尋ねる逆質問形式で行われました。AI(人工知能)に関する学生のアンサーから、新たな質問も生まれ、デザインの仕事とAIの今後についての対話も行われ、業界のトップランナーと学生をつないだ90分のセミナーが展開されました。



(写真:セミナー後の集合写真)

 

 水口さんは、「今日話したのは、私自身と、サントリーの考えるデザインです。それぞれ皆さんが考えるデザインがあって良いと思うので、一個の材料にしてもらえればと思います」と答えました。

 信藤さんは、「パッケージデザインは、実は社会と関わり合いの深いデザインなんです。そういったことを理解していただいて、興味を持ってくれる学生さんが増えると良いなと思っています」と期待を寄せました。

 

 今日のセミナーを聴いたデザイン学科デジタルメディアコース2年の学生は、今日のセミナーを受けて、「WEBデザインをやっていこうかなと思っています。他の人と違うところを武器にしていき、頑張っていきたいなと思いました」と話しました。
 

 チームリーダーを務めた日野将宏さん(2年)は、「ポスター制作や、オンライン会議を夏休みの間もチームでやってきたので、今日を終えて、達成感をひしひしと感じております。セミナーでは、講師のお二人と学生の間で活発な交流も生まれ、とても良いセミナーになったと思います」とほっとした表情を見せました。