母が亡くなって10年

今でもよく夢に出てきます。


病気と闘って、入退院を繰り返し、

父と妹と私で、病院に、交代で寝泊まりし、

最後は家に帰りたいという本人の希望で

家で過ごしました。


家に帰って、大好きなシチューを食べたり、仲良かった友達にたこ焼き持ってきてもらったり、

ちょっとしか食べれなかったけど、すごく喜んで


でも痛みがどんどん強くなったため、

ほとんど眠っているように点滴をしてもらっていました。

会話もできなくて、寂しかったけど、

苦しい思いしているより、ずっと、身体をさすっていてあげたい。

話しかけても、返事はないけど、聞いていてほしい。

それから一週間、ほぼ寝ずに看取り

亡くなるその日の朝

突然、私と妹の名前を呼んだ

出ない声で精一杯力を込めて


私は、耳元で「ここにいるよ」

と伝えました。

何度も伝えました。

まさかそれが最後になると思わず、

それから半日経って、深呼吸して息を引き取りました。


寂しかったけど、ずっとそばにいると思っています。


闘病中、私の誕生日に書いてくれた短歌の色紙があります。

今でも部屋に飾ってあります。


過ぎし日を振りかえみれば

母となりて

御心ひびく感謝の秋よ


      平成24年11月