始めまして、自然愛好家の文吾です。先日、西伊豆の井田港近くにある神明池にプランクトンを採りに行きました。この池は海のすぐそばにあるのに淡水で、淡水魚がいるそうです-釣りは禁止なので何がいるのか分かりませんが、波紋や魚影からかなりの大物がいるようでした。下の写真は神明池に行く道中で撮った富士山と神明池の一部です。
もしかすると神明池には海水型のプランクトンがいるかと思ったのですが、そうではなかったようです。でも、採集したプランクトンの中に魅力的なものがいました。ツノオビムシです。
「宇宙戦争」という映画(1953年版と2005年版がある)を観られた方もいらっしゃると思いますが、このツノオビムシはその映画の宇宙船UFOを彷彿とさせる姿をしています(下図)。その映画に出てくるUFOや宇宙人(手あるいは足しか出てきませんが)の基調は数字の3でした。何故なら、我々は5本指ですが、彼らは3本指なのでした。ですから、3やその倍数が彼らにとっては基本的に重要な数になっていたわけです。
ツノオビムシは先端に1本と後方に2本の3本の角を持っていて、水中を音もなく(当たり前ですが)滑るように滑空していきます。まさに「宇宙戦争」のUFOです。左下の写真のツノオビムシの体長は0.23㎜で、遊泳速度は0.15㎜/秒でした。
ツノオビムシはその他に後方に細長い鞭毛をもっています(右上、矢印)。左上は別の個体の側面からの写真で、体は扁平です。鞭毛が遊泳に役立っているようには思えませんでしたので、その推進力になるものを探してみました。元気な個体はすぐに顕微鏡の視野から出て行ってしまうので(特に高倍率では)、少し弱った個体で観察してみました-ツノオビムシは弱くて、顕微鏡下では長い時間活動することはありませんでした。高倍率(x400)で観察すると(下図)、上部と下部の境界にある横溝の部分(青矢印)で繊毛のような動きがありました。微粒子がその傍を速度を増して通過したので、その繊毛の活動はツノオビムシに十分な推進力を与えていることがわかりました。なお、黒矢印は鞭毛、赤矢印は縦溝を示しています。
今のところ、繊毛運動が横溝全体にあるのか、また縦溝にもあるのかは不明です。
このUFOのような、あるいはカイ・ニールセンの描く女性を彷彿とさせるツノオビムシはとても魅力的です。




