ヴィヴァルディ《シンフォニア》G-Dur RV.146
Antonio Lucio Vivaldi
Sinfonia per archi e basso continuo
Sinfonia für Streicher und Basso continuo
G-Dur RV.146
今日採り上げるのは、ヴィヴァルディの《シンフォニア(Sinfonia)》 ト長調 RV.146です。
此の曲は、イタリアの作曲家アントニオ・ヴィヴァルディが1727年頃に作曲したとされている弦樂と通奏低音の為のシンフォニアです。
17世紀のイタリアではオペラの序曲がシンフォニアと呼ばれており、ジョヴァンニ・バッティスタ・サンマルティーニ(Giovanni Battista Sammartini)が此の序曲のみを獨立させて演奏會用に演奏したのが交響曲の起源であるとされています。そして、バロック時代の合奏協奏曲(特にコンチェルト・シンフォニア、サンフォニー・コンセルタンテ)も交響曲の成立及び發展に影響を與えたとも考えられており、特にスカルラッティに由るイタリア式序曲は「急-緩-急」の3部から為る者で、此の3部分が後に樂章として獨立する事と成り、此れがヴィヴァルディやペルコレージに受け繼がれる形で發展し、ガルッピ等に由ってソナタ形式の樂章を持つ樂曲形式として發展して行ったと云われています。
ヴィヴァルディと云えば、クラシック音樂ファンは勿論の事、そうで無い人にとっても真っ先に思い浮かぶのが《和聲と創意の試み》(Il cimento dell'armonia e dell'invenzione)作品8と云う全12曲から為るヴァイオリン協奏曲集の第1番から第4番迄を指す《四季》でありましょう。そして、1本から4本のヴァイオリン(部分的にチェロも加わる)の為の全12曲から為る協奏曲集《調和の靈感》も有名です。
又、其の一方で、ヴィヴァルディは20數曲に上るシンフォニアを作曲しているのですが、此れ等シンフォニアと呼ばれている作品は、嚴密に云えば協奏曲でも無く、亦た交響曲とも云い得ぬ者で、後のロッシーニの樣に「弦樂の為のソナタ」と名附けた方がよりしっくりとする感じがしなくもありません。惟、此のシンフォニアとされている作品の中に在って、此の《シンフォニア》ト長調 RV.146はさんざめく樣な活力に滿ちた冒頭が印象的な長調作品の傑作とも云い得る作品である事は確かです。
今日紹介させて頂くのは、アントニオ・ヤニグロ(1918.01.21 - 1989.05.01)の指揮するザグレブ室内合奏團に由り1961年に行われたセッション録音です。
ザグレブ室内合奏團(伊:I Solisti di Zagabria;佛:Les Solistes de Zagreb)は、1953年にクロアチアのザグレブで設立された室内オーケストラで、クロアチア放送局(当時はラジオテレビ・ザグレブ)の後援を受け、イタリア人チェリスト兼指揮者のアントニオ・ヤニグロが芸術的指導に當たり、1968年にヤニグロがアンサンブルを去った後、グループは當初コンサートマスターのドラグティン・フルジョクが指揮し、其の後は長年芸術監督兼コンサートマスターを務めたトンコ・ニニッチが指揮を執っています。そして、1997年にはアンジェルコ・クルパンがコンサートマスターに就任し、2002年にはカルロ・スロボダン・フィオがアンサンブルの藝術監督に就任し、更に2006年以降は、ボリヴォイ・マルティニッチ=イェルチッチがコンサートマスター兼芸術的指導者を務め、2012年以降はヴァイオリニストのスレテン・クルスティッチをコンツェルトマイステルに迎えて活動しています。
此の録音は、同合奏團の初期に於ける演奏で、ヤニグロのリードする見事なアンサンブルが聽き手に感動を與えてくれる名演と云って差し支えないでありましょう。
ゆったりとした低弦の深く厚みのある響きが印象的です。
演奏メンバーは以下の通りです:
Antonio Janigro(Dirigent)
I Solisti di Zagreb
❶ Sinfonia G-Dur RV.146 Satz. I
❷ Sinfonia G-Dur RV.146 Satz. II
❸ Sinfonia G-Dur RV.146 Satz. III


