アーベントロートのR.シュトラウス《祝典前奏曲》

 

Richard Strauss

Festlisches Präludium C-Dur Op.61

 

 

  今日採り上げるのは、リヒャルト・シュトラウスの《祝典前奏曲》ハ長調 作品61です。

 

  此の曲は、1913年10月19日のウィーンのコンツェルトハウス落成式の為に委囑され且つ初演された作品で、5管編成という大規模な編成に由る管弦樂曲であり、1913年5月11日にドイツのガルミッシュで完成されています。

 

  序奏部は、「祝祭的な(莊重な)テンポで」と記されたオルガンの獨奏に始まり、軈て全管弦樂が加わる事に由って盛り上がりが作られた後に一旦靜まり、「非常に快活に」と記された主部が弦樂器に由って始まります。そして、ホ長調のフレーズが推移的に導かれ、一部のパートが4分の6拍子のフレーズを重ね、多數の聲部が複層的に奏され、主題の再現を經てテンポを上げて行き、軈て再びオルガン獨奏に由る序奏のフレーズに至ります。終結部では、主部のフレーズも重なり、最後はバンダ(別動隊)の6つのトランペットが參加して壯大なクライマックスでエンディングと成ります。

 

  今日紹介させて頂くのは、ヘルマン・アーベントロートの指揮するライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦樂團に由り1940年3月5日にゲヴァントハウス大ホールで行われた演奏會のライヴ録音です。

 

      1743年に世界初の市民階級に由る自主經營オーケストラとして發足し、1835年にメンデルスゾーンがカペルマイステルと成って黃金時代を築き、更にニキシュ、フルトヴェングラー、ワルター、アーベントロートと謂った錚錚たる面々が樂長として第二に黃金期を築いたゲヴァントハウス管弦樂團。

  此のアーベントロート指揮に由る演奏は、ライヴ録音と謂う事も有っての故か、此の曲の持つ雰圍氣が實にリアルに傳わって來ます。そして、特筆すべきは、ドイツのオルガン運動の唱道者で、カール・リヒターの師でもあるギュンター・ラミンがオルガン奏者を務めている事です。1940年の録音にしては優れた音であると云えるのではないでしょうか。

 

  演奏メンバーは以下の通りです:

 

  Hermann Abendroth (Dirigent)

      Günther Ramin (Orgel)

      Gewandhausorchester Leipzig

 

 

(1940.03.05 Live)