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きっとあの頃の弟には、思春期で当たる先がなかったのだと思います。



いつ頃からか、わたしに強くあたるようになりました。



目が合うだけで「見るんじゃねぇよ」と言われたり、何か少しでも気になることがあれば小姑がいたらこんな感じ?っていうくらいの細かい文句を言われました。


ゴミの片付け方や、冷蔵庫の使い方…本当にありとあらゆる事に対して。



いつもイライラしているから、言われたことはなるべくやって怒られないように気をつけて生活しました。




中学の時お弁当の日だったのに、弟が部活の朝練習で先に家を出て忘れ行き、それに気づいたお母さんに頼まれて教室に持って行った日は最悪でした。


教室まで行くと、クラスの女の子2人が


「どうしましたか?」


と声をかけてくれたので弟はいるか聞きました。


「えー!弟くんのお姉さんですか♡♡」


とすごくはしゃぐ2人。




そう…弟はめちゃくちゃモテたのです。


背も高くて、顔も母に似て北欧系の日本人離れした顔をしていました。


そして、その当時のバレンタインデーはかなりの量をもらってきていたのを見かけました。





そして、「弟くーーん、お姉さんが来てるよー」と、女の子2人が呼んでくれました。


地獄から這い上がってきたような恐ろしい顔の弟がいるのが見えました。




うわやばい。。


この2人にそっと渡して貰えばよかった。




「なんだよ、まじで。わざわざ来るんじゃねーよ」


と、ボソッと言われて、お弁当をぶっきらぼうに受け取りました。




この状況は、彼が小学校5年から高校に上がるまでの5年間続きました。



わたしが先に高校に上がり、女子高生にもなればお化粧もしたりそれなりにおしゃれをします。


それを見かけるたびに


「スカートそんなに短くして足出して恥ずかしくないの?」


「目がデカすぎて変なのわかんないの?」


とか。ダイエットしようと運動してダイエットサプリを飲んでた時期には


「食べるから太るんだよ。食わなきゃ良いのに」


って言われたり。




本当にいちいち、容姿ややる事に突っかかられていました。


父親寄りの顔のわたしと、母親寄りでめちゃくちゃモテる弟。


従姉妹の女の子も弟が好きだったようで


「弟くんかっこいいよねー。りこんちゃんは全く似てないね♡」


と、それはどういう意図で?という発言されたりしていました。(その従姉妹の発言はこれ一度きりじゃないんです…記憶が正しければ結構な頻度で言われていました)




どんどん自信がなくなり、勝手に自分はかわいくないと思い込むようになっていきました。


こういうことがあってからのわたしは、ショートカットでボーイッシュな格好ばかりしてかわいくすることを避けるようになりました。