離婚話をいろんな人に話すと殆どの人に突っ込まれるのはこれだった。
「幼馴染くんってなんでそんなにりこんちゃんを手伝ってくれるの?」
実際、真っ直ぐすぎて人の感情に鈍い父ですらそれを幼馴染くんに聞いたことがあった。
その時に幼馴染くんは
「実は小さな時からりこんちゃんのこと好きだったんです。でも、僕は気持ちを打ち明けることは出来ませんでした。
だから、りこんちゃんが幸せでいてくれるならいいって思っていました。
今回辛い思いをしているりこんちゃんの話を知ってからは最大限のサポートをすると決めてやらせてもらっています」
という突然のカミングアウトだった。
ずっと幼い頃から近くに住んでいて、よく遊んだが恋愛感情なんてある事に気づかなかった。
大人になってからもたまに連絡する程度だった。
全てたわいもないことだったし、そもそも幼馴染くんは結婚をしていた。
「りこんちゃんがちゃんと離婚ができたらしっかり想いを伝えるつもりでいます。」
とにっこり笑った。
そして、離婚後落ち着いてから付き合うことになった。
相変わらず心のサポートをしてくれるし、元夫くんの事で困ればなんでも聞いてくれた。
私の両親も、幼馴染くんがお気に入りで再婚してほしいと思っていたと思う。
私もいつか占ってもらった将来のパートナーは幼馴染くんなのかもしれないと思っていた。
しかし、幼馴染くんの方も離婚歴があり、元お嫁さんとの間に娘が2人いる。
元お嫁さんと一緒にいた娘2人が、幼馴染くんのところに戻ってくる話になった。
そこからの生活はバタバタになった。
幼馴染くんは、仕事と家事育児に追われる毎日になった。
それでも子供は5人に増えても結婚して私が支えようと考えてもいた。
でもそれぞれの子供は両親が離れるという傷を負っているのである。
新しい家族が異性の子供がいるなんて、多感期になかなか難しいのかもしれない。
よく、再婚は考えているの?と聞かれるが、最近は「落ち着いたらいずれ。でもパートナーであり続けてもいいと思っています」と答えている。
でも、自分の事を理解して支えてくれる人がいてくれるだけで私の生活はとても幸せだ。
これからもっと幸せになるために、自分の人生をより良くなるように楽しんで笑って生きていこうと思っている。
もう嫌なことがあっても振り回されない。
辛い時でも「終わらない仕事はない」んだから。
(りこんちゃんの離婚ばなし・完)