みなさーんお元気ですかー
ではご一緒に、ヘイ、イン↓!!
なんつー書き出し……この感想を書こうと思い最初に悩んだのがこれから連呼するワードを運営の目をどうやって誤魔化すか。
なにしろ長年、凱を不能ネタで弄ってきた私にとって三四郎がそうなるっていうのは超新鮮。
触れざるを得ない。しかも、そのままズバリを!!
過去におそらくチカン連呼で記事を凍結されたらしい身としてはここは慎重に。
ということでイン↓で行くことにしました。
今回の肝はドレイクの『寝言』 と、三四郎のイン↓だと思うんです。
カイの意志はドレイクによって、プライドは三四郎によってズタズタにされた。
自分の行動の意味と、存在の価値を他人に委ねた結果のような気もしますが……
それはさておき
まずドレイク、なんか三四郎の言うところの『寝言』についてはああやっぱり、という感想でした。
カデンツァ1~3までを読んできてずっと違和感があって、それをちょこっとSSに混ぜてみたりもしていたのですが。
カイの自由を奪いたくない、無理強いはしたくないというドレイクの願いと置かれている状況に矛盾がありすぎてしっくりこなかったというか。計画のタイムリミットを『ドレイクの生存期間』に定めていることにも。
なんかうっすらツアルノルテとマンダレイが頭に過ってどうもね……苦笑
というより、ドレイクの月面統括司令官の地位を最大限に活用するのは『政治』を熟知している凱の仕事だと思うんです。たとえカイがドレイクの利用を渋ったとしても『これも政治力学ですよ』と言い切るのが凱だと思ったんだけどなぁ。なにしろ短時間で評議会の25パーセントの票を固められる男ですよ。利用しない手はないと思いませんか。
ドレイクもカデンツァ3で計画に携わっていたい、手伝いたいと言ってたわけですし、ほいほい利用されてくれると思うんですけどねー。
加えて言うなら無謀ともいえる計画を軋轢なくしこりを残さずに遂行しようとするならばタイムリミットを『ドレイクの生存期間』に置きたがるカイを諌め、手綱を操るのもまた凱の仕事のうちだったのだと思う。
走り出したら後ろは振り返らない、突き進む 三四郎のような短期決戦型の作戦に携わる立場であれば有効なのかもしれないけど、長期戦となると厳しいものがある。
そんなカイと凱の危うさを唯一気付いているのはドレイクだけで、彼らを押し留めきれなかったことが後悔させているような気がする。
ドレイクの『寝言』、カイを独立計画に携わらせたことを後悔しているとは言っていない。ただ自身の残された時間が計画を狂わせたのだと嘆き、後悔している。
消えてしまいたい………多分それはタイムリミットの延長を言っていると思う。時間さえあればこんな危険な手段を取らず『カイ本来』の穏当で慎重なやり方で計画をやり遂げられるとドレイクは信じている訳ですし。そしてそれがドレイクの望んだやり方だったのでは?
本来であればブレーキを務めるはずの凱が有効に働かないことがある意味、三四郎のいう『死んだ方がマシ』という状態に追い込んだ気がしてならない。
ジュール・ヴェルヌのクルーならではの爆走が裏目に出たというか。
タイトロープでグイドの救出に逸るサーシャを『焦るな、待て』そう宥め三四郎は引き留めていた。『人は死んだら死体になる』とカイに平気で言ってのけた男だ、凱ではなくもし三四郎がドレイクにこの計画の依頼を受けていたとしたらどうだったんだろう。
『焦るな、オヤジさんが死んでそれで終わる話じゃねえだろ』
戦争が終わってもそこに人がいる限り前とは違う別の何かが始まると判っている三四郎なら、そう言ってタイムリミットを延長させられたかもしれない←三四郎ヨイショっ(うーんイン↓って書いていると←が角度90度に見えてくる)
そしたらイン↓にはきっとならずに…… 笑
ということでカイの月人のプライドをズッタズッタにした三四郎のイン↓について♪
カデンツァ3を読んだとき、どうにも違和感が拭えなかったのが『カイが三四郎は裏切られたと思っている』と言ったところだった。『裏切る』というのがどうしてもしっくりこずに『失望』を使って落書きしていた私にとって序盤のカイの独白にちょっと私は救われた気がする。
アントナンを利用したカイは三四郎を裏切ったわけではない、方法が三四郎の予想と違っていただけ これは裏切りではなく身勝手な失望と落胆。
そんな仕事で与えた失望を仕事で挽回しようと考えられないところがカイの『バディ』という器の中のセックスのウエイトが現れていると思う。
そしての根幹をなす欲を認めたカイを可愛いと思うとともに哀れにも思った。
三四郎のすべてが欲しい、身も心も触れられる全て、それ以上。愛や恋ではなく、これは欲だと言い切ったカイは恋に恋する夢見る乙女と同じ。
きっとカイにとって恋とか、愛とかはこうふわふわとしてあったかくって柔らかくって綺麗なモノなんだろうな……
たとえばドレイクの穏やかな愛情、アルシノエを想う切なさ。
たとえばロードとサンドラのように相手を尊重し労わりあう優しい眼差し。
たとえレックスを見るリリアンの微笑ましい慕情。
みんなキラキラ輝いて見える。
それに引き替え相手に食らいつき、肉を毟り流れる血を啜り欠片ひとつ残さず奪いたいと願う自分の気持ちは汚い、こんなのは恋や愛じゃない、そう考えている気がする。
でもね、グイドをいっそ殺してしまおうとしたサーシャも、手に入れられないのなら殺されても構わないと言ったファティサリー大佐も恥じることなく相手を『愛している』と言った。
まぎれもなくカイの気持ちは妄執型の後者なのに、ふわふわ柔らかい愛を夢見てる どっちも愛なのにね。
拒むなら全て、受け入れるなら全て、all or nothing のカイ。
だとするのならベッドの中の要求に応えられないイン↓の三四郎は『欠けている』三四郎ということにならないんだろうか。
そういう三四郎がまだ欲しい………?と皮肉を吐きつつ。
そもそもカイがベッドで自分の中の『月人』を拒絶されたと感じた発端は三四郎が『機械』だと指摘した凱の影響もあると思う。
カイを眠らせる、そのためだけに正確に動く『機械』、熱のない冴えた目で観察する『機械』。肌を這う指も、鋭く突き立てられる犬歯も、口付しようとした唇も、膨大な過去のデーターからはじき出された最も効率的な作動。そんな『機械』の三四郎に堪らなく感じてしまうカイは台詞通り『精神へのレイプ』を受けたんだろうと思う。
止めに、カイの痴態に反応しない冷めたままの三四郎。
三四郎は『機械』としてカイに接すれば良いと思っている、そう感じたんではなかろうか。
そして崩壊 三四郎が最後まで勃たなかったのはカイの涙にあったんじゃないのかと睨んでいる。
『あんたは泣き方を知らない子供だ』
そう今まで思ってきたカイが嗚咽を堪えて泣きじゃくるのに自分の行為をカイが『拒絶』と受け止めていたと知った。
力づくで征服されるのも、快感に負けることも屈辱に感じ怒りをバネにしてきたカイが泣く 三四郎にとっては想定外だったろうな。
凱は三四郎のイン↓の原因をストレスだと診断したけど半分は心因性のものじゃないかと。
酷いことをするつもりはなかった、泣かせる気なんてなかった、眠ってほしかったって、原作者様が良く使われる『カマキリを弄んで殺して泣く子供』と同じ反応だと思うの。
泣きじゃくるカイの涙を止めるには抱いてやるしかない、抱いてやりたい、でも抱けない どうすこるともできない三四郎の嘆きは『機械』に感じ、『機械』に抱かれていると、心を引き裂かれたカイを救い上げたんでしょうね。
と同時に凱が掛けた三四郎は『機械』だという呪詛も破った。
もし三四郎が元気はつらつ♪で同様な手法をとったとしたらカイは泣かなかったかもしれないけど、三四郎は『機械』だと、生身の三四郎はもうくれないんだと思い込んだままだったかもしれない。
翌朝、信じられないほど晴れ晴れとした気分で絶望できたのはカイが感じていたのも、抱かれていたのも生身の三四郎で、『機械』じゃないと判っているから。
『機械』にすら欲情する淫らな『月人』という自己憎悪の矛先が向けられていないからではと思う。
三四郎、イン↓でもカイを心身共にイかせてしまう恐ろしい男
ああ罪深い三四郎のイン↓!!
力を込めてイン↓の三四郎の功罪を述べましたが最後に自分を睡眠薬だと言った三四郎はその前に何を言いかけたのか。それをずっと練っていたネタにぶち込んでSS仕立てにしてみました。
と言ってもカデンツァ4の発売前に上げようと頑張っていて時間切れになった奴に強引に混ぜ込んでみただけなんですけど……
以下妄想文に付き注意
散水用に設置された蛇口をひねり、ホースから水をかぶった三四郎は大きく息をついた。
乱闘に近い白兵戦訓練で浴びた砂埃のようには簡単に胸に巣食う澱は流れてはくれない。これからまた統括司令官公邸に戻り独り塞ぎこんで与えられた個室に籠もることを考えるだけで気が重くなった。
パタパタと落ちる水滴が土に作る水間模様をぼんやりと見下ろしていた彼に快活な声がかかった。
「三四郎、今日これから予定入ってる」
二人で散々いたぶった下士官たちに講評を伝え解散させた『鬼軍曹』に疲れの色はない。まだこれからスパーリングの2、3ラウンドもこなせそうな余力が透けて見える。
「あ……ジムに付き合えっていうなら付き合うぜ」
「今日はそっちじゃないの、よかったらうちに来て飲まない?ロードもリリアンも外せない講演があって今夜は居ないの」
人妻らしからぬ誘いに目を見張った三四郎にサンドラは柔らかく笑った。
「こんだけ気晴らしに付き合ってやっても気は晴れないみたいだし、愚痴くらい聞いてあげるわよ」
昔のよしみで、そう続けて彼女は灰色の大きな目で三四郎の苦笑の滲むアーモンドアイズを見上げた。
「どうせ向こうに帰っても酒瓶抱えて塞ぎこんでいるんでしょ、カイには私から連絡しておくから」
三四郎の眠れない夜をズバリと言い当てるとともに、力を込めてその原因となっている人物を口にしたサンドラはどうだと言わんばかりだ。
「………そう……だな」
微妙に気遣い遠巻きにしているカイやアントナンのいるあの屋敷で息苦しさを感じているより、好奇心を隠さないサンドラの傍の方がはるかにましだった。
「帰りに拾うわ、その辺りで適当に待っていて」
ここに招待することはずいぶん以前からロードと決めていたのだろう、通された部屋には三四郎のサイズに合わせて着替えが既に揃えられていた。公邸の豪華で見事な装飾が施された調度と違いシンプルで温かみのある部屋は、不特定多数を迎えるホテルのような前者と違い人の気配があがあった。
今になって思えばあの屋敷の中で人の匂いがしたのはドレイクの部屋のみだ。他はどこも素っ気なかった。いうなれば家と建物の違いだろうか。
砂埃を落としただけの体を流し三四郎は用意されていたスポーツウエアを身に着けサンドラのハミングが聞こえてくるキッチンへ入った。
制服でもない、軍服でもない、普通の女の服装で武器ではない刃物を持つサンドラに妙なこそばゆさを感じ三四郎は視線を外す。
「やっぱりサイズ変わってないのね」
「肥ってる暇なんてねえからな」
配膳カウンターの上に並べられた皿の一つからカナッペっを摘み食いする。
「いい家だな」
「仮住まいだから私は基地近くの官舎でもよかったんだけど、ロードの身長とリリアンのことを考えるとちょっと難がありすぎるから」
ダイニングに移る気が三四郎にはないと見越したサンドラはキッチンの片隅に置いてあるスツールを三四郎に勧めた。リリアンがロードから料理の手ほどきを受けるときに使用しているもので可愛らしい熊の絵がステンシルしてある。
「うひゃあ、女の子って感じ、ケツ乗せたらぶっ飛ばされそうだ」
「いやらしいこと言わないで!!」
口調こそきつかったがサンドはそこまで気分を害していないようだ。それを証拠に壁面に置かれた、ずらりとボトルの並ぶキャビネットを開いた。
「どれを呑みたい?ロードがセラーを開放してくれるって」
穏やかで品行方正なロードは意外にも酒豪で、『ジュール・ヴェルヌ』では三四郎の密造酒づくりに多大な助言をしていた。
「どれでもお好きなのをどうぞ」
「酔えばどれでも同じだ、適当なので……ロードがいつも飲んでるのが良い」
「ふふ、それで正解」
舌の肥えた彼が揃えただけにどれも味は保証されているが愛飲しているとなればその酒が最上だ。
「あんたとまた呑める日が来るなんてね」
「サンドラとなら、またどっかで会うこともあるさ」
それが味方なのか敵としてなのかを明言しないままグラスを受け取った三四郎にサンドラはそうね、と言ったきり何も言わなかった。
場数を踏み男の労わり方を知っている彼女は解っているのだ、心の内を探るのに慣れない三四郎に必要なものが。だから敢えて彼を悩ませている存在には触れない、陽気に騒ごうとせず黙り込んだままアルコールを飲み込んでいく男が探り疲れて弱音を吐くのを待っている。
尋問を得意とする女獅子は自白のさせ方も熟知していた。
『愚痴を聞く』というのはそういうことなのだ。
言葉を交わさないまま、ボトルの中身だけが減り残りも、もう僅かだ。新しいものを用意しようと三四郎に背を向けキャビネットを開いた時だった。
サンドラの意識が逸れたのを見計らったように三四郎が口を開いた。
「サンドラは昔、諜報員の訓練を受けてたって言ったよな………船を降りた後やったのか」
優秀な士官は要人に近付く手段として閨房訓練までも受けるのだとサンドラは三四郎に説明したことがあった。
「さあ……」
曖昧に微笑みサンドラが残っていた酒を三四郎のグラスに注いだ。
「その時平気だったのか、ロードはそういう仕事もしているって知っているのか」
矢継ぎ早に尋ねた三四郎の泣き出す寸前の子供の目にサンドラはカイの『噂』が三四郎の耳に届いたのだと思った。
ジュール・ヴェルヌでの潔癖なカイを見続けてきた三四郎にはカイがいとも簡単に躰を許しているなどとは信じ難いだろうし、『自分が特別だ』という自負が傷ついたのも理解できる。
それ故、カイに裏切られたと感じた三四郎は任務の為に躰を使うカイにサンドラを当てはめ、自分の境遇にロードを置いた、不運としか言いようのないアクシデントを知らないサンドラがそう考えるのは自然と言えよう。
「バレたことはないのか」
意気込む三四郎に彼女は溜息をついた。
「ずいぶんと舐めたこと言ってくれるのね、私がそんなヘマをすると思ってんの」
「でも………」
三四郎は口籠った。
いくら隠していても僅かな仕草で異変は伝わる、あの時もそうだった すまないと何度もカイは謝っていた。神経を尖らせれば尖らせた分だけ微かな変化は起きる、否、起きるはずだ。
変わってしまう空気をどうやり過ごしたのだろう……こんなに辛いことなのに。
「私が平気かどうかなんて任務には関係がない、拒否権は当然あるけどそこに感情が入る余地はない、やるかやらないか、ただそれだけのこと」
入手しなくてはならないモノの為にカイが自分に言い聞かせていた言葉と同じことを口にしてサンドラは微笑む。
「ロードはこんなことを知らなくてもいい、彼の仕事じゃないんだから……」
「………」
キリっという音を立てて新しいボトルの封が切られる。
「……それでも……もし、任務の内容をロードが知ったとしたら……多分ロードは何も言わない」
「えっ?」
スツールに座っているせいで目線が等しくなったサンドラの灰色の目を三四郎は凝視した。
「こんなことをして欲しくないと哀願しても、辛かったねと慰めても、ここまでやれるなんて君は凄いねと称賛しても私を傷つけることが判っているから」
ふふ、小さく笑った彼女が初めて三四郎から視線を外した。
「何も言わずに傍にいてく…… あんた、カイになんか言ったのっ?!」
外した視線を戻した彼女から背けた顔を三四郎はぐしゃりと歪めた。
「ああ……馬鹿っ。本当に変わってないのね、ロードに男の磨き方を真剣に教えてもらうべきよ」
そう詰った彼女はやがてふうっと息を吐いた。
「三四郎……昔ね、ずっと昔、私カイに訊いたことがあるの」
自分を見ようとしない男のグラスを握る手にそれを重ねる。
「カイににとって、抱き合うという行為は、どんな意味を持っているの」
弾かれたように三四郎が振り返った。
「あいつはなんて」
サンドラがカイに投げかけたという問いはあの夜以来ずっと三四郎の中に蹲る『裏切られた』という思いの根幹をなしているものだった。
「答えは貰えなかったわ 」
期待の籠もる三四郎の視線にゆっくりと首を振ったサンドラはカイのことは解らない、でもと言葉をつづけた。
「抱きあうという行為にどんな意味があるのか……抱き合うことに意味なんて私にはないわ。私にとって意味があるのはロードとのことだけ。それ以外はセックスでさえない」
躊躇いなく言い切ったサンドラに三四郎は顎を引き顔を伏せる。
抱き合うことに意味はない、特別の相手でなければセックスでさえない、カイもそうなのだろうか。だからアントナンを簡単に身代りにできたのか? 感情を交える余地なく。
そして俺とも……… はるか過去、エピキュリアンそのものだった過去を持つ自身を憎んでいたカイは、『今の私にはおまえが必要だ』と言った。
その彼も感情と思考の相剋から解放された今、もう三四郎を必要としていないのかもしれない。
だとしたら三四郎と抱き合うことも『特別』ではなくなる。
カイは『バディ』だと言った 『バディ』、連邦のマザーコンピューターに選び出され人による幾重の精査を施された理想的なベストマッチ。そして淫蕩で、好色で、モラルのない月人には極上の快楽を保証された『獲物』。
伏せた顔にさらりと落ちた髪を掻き上げ三四郎は苦く笑った。
だからこれほどまで裏切られたと感じるのか。いや、まだ必要とされていると信じていたからだ 一人期待して、そうじゃなかったから裏切られたと落ち込んで………滑稽だな。
「三四郎……あなたさっきりの教練で肩を痛めたの」
顔を上げると心配そうにサンドラが覗き込んでいる。
「………肩?」
「黙りこんだと思ったらずっと肩を押さえているから……」
言われて気付けば三四郎はカイが深く爪を立ていた部分を強く掴んでいた。
「少し前に怪我もしてたっていうし、大丈夫?」
慎重に言葉を選び幾度となくこれは自分個人のことだと強調してきたサンドラは唯一カイに触れた昔話が三四郎に与えた衝撃に気付かなかった。ましてや後日、この会話が二人の亀裂をさらに広げる行為に繋がるとは思いもしない。
「へへ……古傷が痛むって奴かな、もう完全に治ってるぜ、知ってるだろ」
爪痕のない肩をぐるりと大きく回して子供っぽく笑った。
「さっきからつまみばっかだろ、もっと腹にたまるもん食わせてくれよ……ってか、あんた料理ってできるのか?娘に料理教えてるのロードだろ」
「失礼ねっ!!」
むっと口を引き結んだサンドラがキッチンに向かい直る。再び包丁を握りだした彼女の後ろ姿を眺めながら三四郎はひとり呟く。
カイに必要なのは『バディ』、欲しいのも『バディ』……俺じゃない……